11/23/2018

冬到来。

急に冬が到来のここ数日です。昨日は朝起きると霜が降りていました。そして深い霧。ルビーとジャスパーの散歩の時に通る公園や道もどんどん霧に包まれていきます。野原ではふたりを見張っていないとすぐに姿が見えなくなりそう。












暗く長い冬がやってきたと嘆く人も多いのですが、私はこの時期も好きです。幻想的な世界に引き込まれます。そして昨日どうしても姫リンゴがもう少し欲しくて、隣の野原に行って「これが本当に最後」と思いながら採っていたらお客様が沢山やってきました。






羊は好奇心がある動物と思います。あまり近くに行けば逃げてしまう羊もいますが、たいていはじっとこちらを見つめて「何してるの?」と言わんばかりに好奇の目で見つています。本当は人間と仲良くしたくて仕方ないのかも?

11/22/2018

クラブアップルのジェリー

イギリスではどこでも見かけるマラスの木。春に白から濃いピンクに変わる綺麗な花をご覧になった方も多いはずです。そして秋になると枝が折れるのではないかと思うくらい沢山のクラブアップル(姫リンゴ)が実ります。




 誰かに恋をしているとき、その恋が本物かどうかを試す方法があります。それは愛する人の名前を唱えながらクラブアップルの種を火に放るのですが、もし種がはじけたらその恋は本物と言うことになります。ケルト文化が根強いイギリスでは木や花、実にまつわる伝説が沢山あります。季節感を感じさせるそんな伝説が私は好きです。




クラブアップルは、そのまま食べるというよりはジェリーやリキュールなどに使います。セヴィルオレンジのマーマレードと同じく、そのままでは食べたくないものもジェリーにすると驚くほど美味しい食べ物になります。クラブアップル・ジェリーもそのひとつ。パンに塗ったり、ヨーグルトに、またお肉やチーズと一緒に食べても美味しいのです。

ではジャム、マーマレード、ジェリーは一体どこが違うのでしょう?一般的に言われていることは「ジャムは果物の皮や実 が入っているもの、マーマレードは柑橘類で作られたもの(他の果物が入っていても柑橘類を使っていればマーマレード。でも最近レストランなどではオニオン・マーマレード添えのXXXなどというお料理がメニューに書かれていることも。)、ジェリーは透明度が(濾しながら作るので)高く、皮も実も入っていないもの。」ということになります。でも厳しい決まりがあるわけではありません。

さて、ロンドンに住んでいた時は近くに姫リンゴの木がなかったので、自分で収穫するものとしてはせいぜいブラックベリーだけでした。ウィンズロウに引っ越してからはいつもルビーとジャスパーが走り回る野原に沢山のブラックベリー、クラブアップル、スロー(今、ジンを作っています。)がありますので今年も採ってきました。

野生の姫リンゴは赤いリンゴではなく黄色っぽいリンゴが多いと思います。出来上がったジェリーも綺麗なピンクではなく黄色っぽい色になるかと思っていたら・・・・・



不思議、不思議。本当に不思議。こんなにきれいなジェリーが出来上がりました。







ウン、味も香りも満足。それに野生の姫リンゴですから完全オーガニックです。そして費用は砂糖とレモン一個分のみ!来年はもっと沢山作りましょうっと。


11/21/2018

ラグビー  日本対イングランド戦

ラグビーの仕事を終えました。今回は新聞、雑誌の記者、カメラマンのプレスツアーで私の仕事は通訳とお世話係といったところ。と言ってもラグビーのことは全然詳しくないので、オーガナイザーに助けられながらやっと無事終了することができました。

さて、今回のプレスツアーのメインはもちろん日本対イングランドのテストマッチです。トウィッケナム駅から世界最大規模のラグビー専用のスタジアムであるトウィッケナム・スタジオ(8万2000席)までの道を歩きます。




この試合のためだけのグッズが、ところどころにある出店で売られています。




15分ほど歩いてやっとスタジアムに到着。




ほぼ満席となった会場で試合開始前の国歌は皆大声で。



前半は素晴らしいプレイを見せてくれました。イングランドを率いるのは2015年の南アフリカ戦で大勝利をおさめたときの日本代表ヘッドコーチであったエディ・ジョーンズです。






これはひょっとしたら2015年の南アフリカ戦のように勝利に向かうかも?体のおっきいイングランド軍に比べて日本軍は素晴らしい技術でぐんぐん迫り、興奮しっぱなし。




でも、後半はイングランド軍が勢いを盛り返し、最終的には15対35でイングランドが勝ちました。終了後の記者会見でのマイケル・リーチの落胆した顔にはこちらもジーンと来てしまいました。



でも、日本軍はよく戦いました。テレビのコメンテイターも日本軍のプレイを絶賛していました。ラグビーはイギリスでは紳士のスポーツと言われています。勝つことももちろん大切ですが、‛良いプレイをする’とこが大事です。そういう意味では、100点満点に近いプレイを見せてくれました。
















フットボールの試合では、敵、味方のファンは最初の入り口から分かれています。もちろん観客席も別々です。そして出口も。ですからスタジアムで肩を合わせることはありません。でもラグビーはそうではありません。日の丸の旗の隣でユニオンジャックを振っているファンもいます。そしてフットボールでは観客席にアルコールを持って行くことは禁止されていますが、ラグビーの方はビールを片手に応援しているひとも見かけます。

ラグビー文化とフットボール文化の違いです。何故違うのか。今回も一般人にインタビューをしましたがそれぞれ意見が違います。今まで「ラグビーはアパー・ミドルクラスのスポーツでフットボールは労働者階級のスポーツ」と聞くことがありましたが、どうもそうではなさそう。炭鉱の国ウェールズでは炭鉱夫がラグビーをしていました。おもしろい意見のひとつとして、観ているほうがイライラ腹立つことがあっても、プレイしている人たちはもっとハードなことをしているから席に座って暴れるのはばかげているという意見です。

たしかにあの巨体が思いっきりぶつかりあって、崩れて下敷きになっているのを見れば見ているほうが暴れるのはナンセンス・・・・・首が「ポキッ!」と折れる音が聞こえそうですもの!

それにしても素晴らしいマッチでした。選手の方々に思いっきり拍手を送ります。観戦後のイギリス人へのインタビューでも、ほぼすべての人たちが日本代表のプレイを絶賛していました。「ブレイヴ・ブロッサム(日本代表の愛称)はすごい! 来年のワールドカップが楽しみだ。」と。ワールドカップでは日本チームは世界中のラグビーファンの注目を浴びることは間違いなさそうです。




11/16/2018

ラグビーワールドカップ2019に向けて。

来年(2019年)は第9回ラグビーワールドカップが日本で初めて開催されます。これはアジア内でも初めてのことです。そして明日は日本ラグビーフットボール協会日本代表とイングランド代表がトウィッケナム・スタジアムで試合を行います。

昨日から私は、2019年のワールドカップ関係者の仕事をしています。昨日はトウィッケナム・スタジアムのラグビー博物館で日本のラグビーの歴史を紹介する特別展示の(来年9月まで開催)オープニング・セレモニーが行われました。1900年初めの慶応大学生他活躍した選手のジャージーなど50~60点が展示されています。








 さあ、明日はいよいよテストマッチです。元日本代表ヘッドコーチだったエディ・ジョーンズが世界ランキング2位のイングランドを引っ張っていきます。今から緊張、ドキドキ・・・・ラグビー専用のスタジアムとしては世界一の規模(8万2000名収容)であるトウィッケナムスタジアムで行われます。昨日は日が暮れてからこのグラウンドを見てその大きさに圧倒されました。誰もいないグラウンドでした。でも明日はチケットも完売と聞いています。82000名の歓声が聞こえる中、日本チームの健闘を祈ります。








 


 

11/10/2018

大手スーパーのクリスマス・コマーシャルの放映が禁止さる。

そろそろクリスマス。11月に入ったばかりなのに、ロンドンではすでにクリスマスツリーもお目見えして・・・・・クリスマスは年々早くやってくる気がします。12月に入れば本格的にクリスマス気分です。テレビではデパートやスーパーのクリスマス用の特別なコマーシャルが写しだされます。中でもジョン・ルイス(デパート)や、コカ・コーラの宣伝は、物語性があって何回見ても楽しくなります。

さてそんな中、大手スーパーのアイスランドの広告が放送禁止になったニュースが話題になっています。アイスランドは1970年代にオープンしたスーパーで、特に冷凍食品に関してはイギリス1の大手スーパーです。









このスーパーはイギリスで初めて‛自家商品にはパーム油を使用しない。’と宣言したスーパーです。パーム油がいかに環境を破壊しているかは今まで多くの方々に語ってきましたし(持続性のある栽培をしているパーム油を除く)、今回の帰国の際にも仙台でその話をさせていただきました。

パーム油は私たちがスーパーなどで買う50%以上の製品に使われていると言われます。チョコレートやビスケットなどのお菓子、インスタント食品からシャンプー、化粧品、洗剤に至るまで数え切れません。パーム油はアブラヤシから採れるのですが、インドネシアやマレーシアでは熱帯雨林を伐採してアブラヤシを植えています。伐採のスピードは1時間にサッカー場300という驚くべき速さです。

その結果、そこに住む動物は殺され、ペットとして売られたり、タイやバリなどの観光地で観光客を楽しませるために捕まえられます。このためインドネシアの野生動物の3分の1が絶滅の危機に晒されています。このままでいけばスマトラタイガーは3年以内に、オラング―タンは5~10年で絶滅するそうです。

伐採に時間をかけないように、アブラヤシの木を焼くこともありますが、これは有害ガスの発生につながり、インドネシアは世界で3番目に 温室効果ガス(地球の温暖化の原因)を発する国となっています。

詳しくはWorld Widelife Fund for Nature(WWF 世界自然保護基金)のサイトをご覧ください。

https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2484.html

そこで本題のアイスランドのクリスマスコマーシャルなのですが、ある女の子の部屋にオラングータンの赤ちゃんが住み着きます。この子がいたずらっ子で女の子はこの赤ちゃんを追い出そうとするのですが、話を聴くとこの赤ちゃんは住んでいた熱帯雨林が伐採されて行くところがなくなったので女の子の部屋に置いてほしいと訴えます。




そこで女の子はオラングータンを助けることにします。




今はネットでしか見られないのですが、是非皆さんもご覧ください。

https://www.theguardian.com/media/2018/nov/09/iceland-christmas-tv-ad-banned-political-greenpeace-orangutan

アイスランドのこのクリスマス・コマーシャルは子供にもわかりやすく制作されています。アイスランドでは自然保護団体であるグリーンピース(NGO)が制作したこのビデオをクリスマスコマーシャルとして使うことにしたのですが、結局「政治的色が濃すぎる」ということで放送が禁止されました。

今、イギリスではこのコマーシャルをテレビで公開するための署名運動が行われています。運動が始まってから48時間で50万人が署名しました。地球の温暖化、野生動物の保護、そこに住む人たちの暮らしの保護などを考える時、パーム油の問題は深刻な問題であることは間違いありません。私たちはそれに気が付かなければいけない時が来ました。

上のリンクのビデオは現在はネットでしか見ることができませんが、禁止に対するあまりの反響にもしかしたらテレビでも見ることができるようになるかも?そう願いたいです。

11/09/2018

益子町の学生さんをご案内して。

2012年、栃木県益子町とコーンウォールにあるセント・アイヴス市が友好都市として締結しました。その年から益子市では12名の中学生をセント・アイヴス市に派遣して更に友好を高めています。選ばれた学生さんたちはセント・アイヴス市に滞在し、現地の学生さんとの交流、現地校での授業、観光を含め多くの経験をしています。

私はセント・アイヴスでの滞在を終え、日本に帰国される前のロンドン観光を毎年担当させていただいています。昨日はお天気も良く、セント・ジェイムズ公園での気持ちの良い散歩も楽しんでいただきました。




益子焼に興味を抱いていた濱田庄司ですが、1920年に濱田庄司とバーナード・リーチがセント・アイヴスで築窯し、陶器を作り始めてから益子町とセント・アイヴスのつながりが始まります。

益子町の中学生たちは、これまでオックスフォードのアシュモリアン博物館やロンドンのヴィクトリア・アルバート美術館にあるバーナード・リーチの作品をご覧になりました。

濱田庄司とバーナードリーチの「日常使うものに美を見出す」という考えは、イギリスのアーツ&クラフツ運動と共通点があり、ウィリアム・モリス他活動した人たちを思い起こさせます。


先月益子市で訪れた 濱田庄司記念益子参考館














夏場は大勢の人が押し掛けると聞きましたが、 私たちが訪れた日はとても静か。私たちの他には西洋人と思われるカップルしかいませんでした。でもその方たちは、とても興味深く見学していたようです。日本の歴史あるお寺や神社の素晴らしさはもちろんですが、日本的な民家の美しさは訪れる人にとってもっと身近に感じら、それがこの西洋人のカップルにも伝わっていた気がします。

昨日、ロンドンの道を歩いていた時に見つけた木です。その葉っぱがあまりに綺麗だったので、益子町には関係ありませんが、紹介します。





11/07/2018

第一次世界大戦終戦100周年の今年

今年は第一次世界大戦が終わって100周年に当たる年です。いつもこの時期になると、多くの人が胸に赤いポピー(ケシ)の花をつけているのをご覧になった方も多いことでしょう。

これは日本でいう赤い羽根募金のようなもので、ポピーを売ったお金は戦争で被害に遭った人やその家族のために使われます。そしてそのポピーを胸につけることによって、第一次世界大戦で亡くなった人々への追悼の気持ちを表します。

今ウィンズロウの町もポピーで飾られています。教会の墓地にはポピーのついた十字架が埋め込まれています。








教会の中にはいたるところにポピーが飾られています。
















第一次世界大戦ではウィンズロウ出身の51名の兵士が戦死したそうです。休戦100周年に当たる今年は、教会で特別展示が催されていて町の人たちが持ってきた品が展示されています。



時々アンティークショップでみかけるカード。出征したひとと家族、恋人などの間で交わされた美しく刺しゅうされたカードです。













テレビでは毎日、戦争関係の番組が放送されています。ポピーを胸につけることは決して戦争を美化するものではありません。あってはならないことです。でも100年経った今でも国のためと信じて命を捧げた人々のことは忘れてはいけないと思います。第一次世界大戦は歴代稀に見る多くの犠牲者を出し、世界中で軍人、庶民を合わせ4000万人の人が亡くなったと言われています。

イギリスは近年でも多くの戦争に関わってきました。平和な時でも、こうして毎年11月にはテレビやイベントなどで戦争を思う時期があります。戦争の悲惨さを思い起こし、無駄な戦争を避けるためにもポピーは大切な役割を果たしているのです。