1/02/2023

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

2022年は、あっと言う間に駆け抜けていった気がします。私にとってのこの1年は公私ともに忙しい一年でした。やっと世界中からの観光客も戻り、私も秋ごろから徐々に日本の方をご案内しています。

ズームトークは今月のトークで第40回目を終了しました。参加者にイギリスに関して益々興味を持っていただくことは、私にとってはこの上ない歓びです。また個人的には40年近くにわたるガイド生活のまとめ、おさらいとして、忘れていたことを思い出したり、新しい情報を発見したり、有意義な機会だと思っています。

私にとって、ツアーガイドとしての仕事は、日本語を話す唯一の機会でした。ですから日本からの観光客が皆無になってしまったパンデミックの期間は、ズームトークが日本語を話す唯一の場でした。でも日本語云々という以上に私にとっては、色々な発見があることに気づきました。

トークの後での参加者との会話は、日本で暮らす方々の他、イギリス在住の方も交えて、楽しく、有意義な時間です。日本とイギリスの文化、国民性の違いなどを皆さんで話し合って、色々な意見を交換できることは視野を広げ、更なる興味の追及につながります。私にとっても両国について、いつも新しい発見があります。

2022年は恐ろし事件、悲しい戦争が起こり、ニュースを見るたびに心が沈みました。まず、アメリカでの国会議事堂襲撃事件、ロシアのウクライナ侵攻に始まり、世界中に起こった不安定な気候、不景気・・・・そのほとんどが解決しないまま2023年に突入です。特にウクライナ戦争は、エスカレートする一方で今後がとても心配です。


あまりに暗いニュースばかりで、ついニュースには目を閉ざしたくなるような状況で、メディアは特別なプロジェクトを作り募金活動をする人々のことが頻繁に取り上げています。それを見ながら「ああ、世の中も決して悪いことばかりじゃないな。」と思うのは私だけではないでしょう。


トム・ムーアさんは腰の手術を受けた後、歩行器を使って自宅の庭を歩き、イギリス医療保障制度(National Health Service ・・・NHS)のために2300万ポンド(34億円)を集めました。




ムーアさんに影響を受けた5歳のトニー・ハジェル君は幼い頃に両親の虐待を受けた結果両足を切断されましたが、彼を救ったNHSのために10キロ歩き、170万ポンド(2億5000万円)の寄付を集めました。





また元ラグビー選手のケヴィン・スィンフィールドは、同じラグビーチームの選手で不治の病である運動ニューロン病(motor neurone disease)に患った親友のために、そして同じ病気で苦しんでいる人たちのために7日間、482キロ走って(東京ー大阪間が500キロ)270万ポンド以上(4億円)集めました。

スィンフィールドさんの言葉です。There's one thing for sure - that our country cares.





今年こそは世界に平和が戻り、皆が安心して暮らせる地球になるように、また世界の国々が団結して未来のために地球環境を改善していく世の中になるよう祈らずにはいられません。

皆様にとっても幸多い年でありますように。





12/14/2022

雪に包まれた町の様子

 イギリス全体が雪に包まれています。ロンドンからは、子供たちが雪合戦をする様子や、真っ白に染められた道の写真が送られてきます。

金曜の早朝、起きてすぐに窓の外をみると銀世界です。芝生はすっかり雪に覆われて、厚いカーペットのよう。明るくなってから早速散歩に出ました。気温も零下です。あまりに寒い空気に、普段は犬の散歩をしている人に出会うのですが、この日はさすがにほとんど見かけません。

そんな中で散歩を楽しみながら沢山写真を写してきましたので、そのうちの何枚かを皆さんに観ていただこうと思います。






住宅街も商店街もクリスマスの雰囲気がいっぱいです。






















来週はこの雪も溶けてしまうとか。今のうちに雪の世界を堪能したいと思います。

11/12/2022

日本版とイギリス版の映画「生きる」

先日オリバー・ハーマナス監督による映画 ’Living' を観てきました。この映画はお役所で長い間働いて来たある男性が癌で余命少しと言われ、それからの人生を真の意味で「生きる」ことに捧げる物語です。「日の名残り」でブッカ―賞を、2017年にはノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロが脚本を書いています。




この映画は1952年に黒沢明が監督し、志村喬主演の映画をリメイクしたものです。

https://www.youtube.com/watch?v=9Gm5rDwO7Ns




この予告編の中では「死に面してはじめて生を思う人間の軽薄」「真実に生き抜いてこそにじみ出る美しさ」という言葉が出てきます。お役所の仕事、つまり官僚制度を批判をした映画でもあるのですが、最後の命を子供たちの遊ぶ公園を造ることに捧げる主人公渡邉のひたむきさ、そして彼が「ゴンドラの唄」を歌いながらブランコに乗るシーンは30年以上前にこの映画を観て以来、ずっと私の心の中に残っています。

一方イギリス映画の方は、1952年のロンドンを舞台に製作された作品ですが、山高帽を被って毎日市役所に通勤するミスター・ウィリアムズ。同じ時期のイギリスと日本を見るのも興味深いです。

因みにロケに使われたカウンティ・ホールは昔のロンドン州議会堂で、実は大昔に私が観光ガイドとしての資格を取るために通った場所でもあり、映画を観ながら懐かしさがこみあげて来ました。

日本では来春公開とのことですが、是非見ていただきたい映画です。そして出来たら黒沢明監督の「生きる」も是非是非ご覧ください。

さて、11月のオンライントークは先月に引き続き、「王室と動物 その2」を開催します。

第38回目 「王室と動物 その2」

期日:11月24日(木) 19時より(イギリス時間10時)

   11月26日(土) 20時より(イギリス時間11時)

   同じ内容です。

お申し込み:info@culturetourismuk.com

定員:30名 

料金:各¥1,000  

詳細は culturetourismuk.com をご覧ください。




9/13/2022

毎日の報道は女王様ご逝去、チャールズ3世のご即位 の儀式でいっぱいです。イギリスと言えばエリザベス女王という実に大きな存在だった方が、死去されたこと、そして女王以外の君主が誕生されたこと自体実感が湧かない毎日です。




特に愛されたバルモラル城。誰かがこんなことを言っていました。「女王がバルモラル城にいらっしゃるときは、門に王冠をかけて、ご滞在中は妻、母、祖母、曾祖母に徹していらっしゃった。」と。そんなバルモラル城で亡くなられたことが何か象徴的なことに思えます。そしてもしイングランドで亡くなられた際は、愛するスコットランドの人々がお別れを言う機会もなかったであろうという事実が、更に女王とスコットランドの絆を強くした気がします。




今日までご遺体はエジンバラのセント・ジャイルズ大聖堂に安置され、人々がお別れをしています。そして今日の午後にロンドンに戻られます。


カルチャー・ツーリズムUKの9月のオンライントークは、7月に続き、テュ―ダー王朝のお話ですが、内容を少し変更して、最初の10分くらいは現在のイギリスの状況をお伝えしたいと思います。どうぞご参加ください。

第35&36回目 「テューダー王朝  その2&3」

前回(テュ―ダー王朝 その1)ではテュ―ダー王朝にたどり着く前のばら戦争からヘンリー8世の最初の結婚までをご一緒に学びました。今回はその後のヘンリー8世の2度目のお妃であったアン・ボリンの話から始まります。この時代はイギリスの国教がカソリックからイングランド教会に変わった時期で、歴史上大変重要な時代です。ヘンリー8世と6人のお妃のことはこれまで映画やテレビドラマにもなっているほどですが、ヘンリーの離婚、再婚によって、この国がどのように変化をしていったのかを詳しく観てみましょう。

期日:その1

     9月15日(木)  19時より(イギリス時間11~12時) 

     9月17日(土)  20時より(イギリス時間12~13時)  

            その2

     9月22日(木)  19時より(イギリス時間11~12時)

     9月24日(土)  20時より(イギリス時間12~13時)

お申し込み:info@culturetourismuk.com 

 定員:各30名 

 料金:各¥1,000 

*トーク終了後はいつものようにおしゃべりの会を設けます。興味のある方は、是非ご参加ください。

9/09/2022

エリザベス女王が逝去されました。

 



スコットランドのバルモラル城で静養されていたエリザベス女王が、昨日逝去されました。昨日から、テレビでは女王関係の報道が多く、今日はBBCでは一日中放送されるそうです。

さっきは国会で議員たちが追悼の言葉を述べていました。それぞれの議員が個人的に女王と会った時の思い出などを語っていましたが、知らなかった女王の一面を見たような感覚と、「やっぱり思った通りの女王様だった。」という気持ちが重なります。

これまでのイギリスの君主の中では最も長く在位された女王様は今年ご即位70周年を迎えられたばかりでした。昨年4月最愛の夫君であったフィリップ殿下を失くされてからは健康も思わしくなく、国民の心配がとうとう昨日残念な結果になってしまいました。

この国には王制に対して批判的な人はいますが、エリザベス女王を個人的に批判する人はほとんどいないと思われるほど、女王の人気は絶大なものでした。何より女王としての「義務」をいつも優先し、イギリスの君主として、また英連邦加盟国(British Commonwealth of Nationas)である54カ国の首長としての功績は誰もが知るところです。

国民の多くにとってはエリザベス女王は唯一の女王であり、それぞれの人生の中で大きな部分を占めて来ました。

ご冥福をお祈りします。


昨日バッキンガム宮殿の正面にかかった二重の虹 


© Her Majesty Queen Elizabeth Ⅱ 2022


バッキンガム宮殿

             © Her Majesty Queen Elizabeth Ⅱ 2022

8/19/2022

オックスフォードとコッツウォルズへ

 パンデミックが始まって以来、初めてのガイディングの仕事をしました。お客様は86歳のお祖母さまを含む母娘3代の方々。

約3年も離れていた仕事です。まるで初めての仕事をするようにドキドキ。ホテル出発1時間前には到着。初めて乗った新しい地下鉄エリザベス線は、駅、プラットフォーム、車内のスーペースもよくとっていて快適でした。







忘れられない思い出のひとつは、ガイドの資格を取得した最初の仕事です。近畿ツーリストの観光バスの仕事でした。バス会社はエンジェル・コーチ、運転手さんはエディという人でした。

事前に一日の観光で訪れる場所、ルート、時間を紙に書いて当日の朝に運転手に渡したところ、「いちいち読むのが面倒だから、その都度言ってくれればその通りに運転するから。」というなんともそっけない答え。時間をかけて作った日程表も役に立たず・・・・・

今回は専用車でしたので、私は運転手の隣に座って次々に訪れる場所、時間を相談しながら進めました。

パンデミックで、世界が色々変わりましたよね。観光に関しても全く同じです。事前に調べなければいけないことが多く、ハリー・ポッターファンが訪れるクライスト・チャーチ(カレッジ)は現在はブルーバッジガイドはガイドが出来なくなっていました。事前に予約しました。そうすると待ち時間も少なくて済みます。お客様はオーディオ(日本語あり)でご自分で見学されている間、私は外でお待ちしています。その間出口の近くを散歩。


クライスト・チャーチのトムタワー(左)、ホール(中央)、聖堂、手前がメモリアルガーデン。




クライスト・チャーチの敷地も変わっていました。すでに秋を思わせるメープルの色。




ワイルドのメドウガーデンっぽい花壇も出来ていました。蝶や蜂が喜びそう!



お昼はチッピング・キャムデンのティーショップで。気持ちの良い天候で、ガーデンでランチ。



人参とコリアンダのスープはイギリスでは人気です。スープとサンドイッチのセットは10ポンド弱。



チッピング・キャムデンの後はスノーズヒル、ボートン・オン・ザ・ウォーターをご案内し、ロンドンに向かいました。ポルトガル人の運転手は、超々安全運転で、慎重なドライバーでしたので、安心して運転を任せられました。

楽しい家族旅行、楽しんでいただけたら嬉しいです。86歳とは思えずお元気なお祖母さまは「これが最後。」とおっしゃっていましたが、今までにそうおっしゃって再会したことは数えきれません。またいつかお会いしましょう!

6/17/2022

予想気温30度の今日は・・・・・

 ここ数日良いお天気が続いています。でも、今日は30度まで気温が上がるとか・・・・そこで、愛犬との散歩も朝の9時に行って来ました。

実は、数年前にこんなことがありました。その日はとても暑い日で、汗をかきながら散歩していたところ、若い男の人がやってきてこう言いました。「こんな暑い時に散歩なんて無茶だ!何故朝の暑く前に来ないんだ。熱中症になったらどうする!」相当厳しい口調だったので、「知らない人が私の体をこんなにも心配してくださって。」と胸が熱くなりました。


そうしたら「ホラ!元気がないだろう。」・・・ウン?彼が心配していたのは私ではなく、愛犬のルビーのことだったのです。ロビーは寒さにはとても弱いのですが、暑いときにも元気がなくなります。それ以降、気温が上がるという予報のある時は早めに散歩をすることにしています。


今日は家から歩いて10分ほどのスピニーズという林に行って来ました。小さな林ですが、沢山木が生い茂っていて、しかもそよ風が吹いていて気持ちの良い散歩となりました。







涼しい林でルビーもハッピーです。



イギリスの普通の家にはエアコンはありません。お店、ホテル、レストラン、地下鉄は別として民家ではその必要はほとんどないからです。暑い日でも湿気が少なく、石や煉瓦でできている家の中は涼しいのです。

ということで今日は、家の中にこもってじっとしていることにします。