6/27/2021

イギリスの動物園から象が消える日

 子供が小さかった時、動物に接する機会を多く持たせたいと願って機会があれば動物園やサファリパークに連れて行っていました。おりの中に入れられたサルやキリン。子供たちはそれなりに楽しんでいました。


そしてしばらくたって、実は動物たちが不自然な環境で生きているのを子供に見せてしまったことに気が付きました。

今朝知ったことは、イギリスでは動物園で象を飼うことを禁止するという記事です。ライオン、キリン、象・・・・・それらの動物はアフリカなどの自然で生きるべき動物です。イギリスではサーカスで動物を使うことはすでに禁止されています。



小さいときに両親に連れられて、よく動物園に行っていました。熊はオリの中を端から端へ行ったり来たりしていました。私の中での熊は自由に走り回る熊ではなく、織の中で同じ行動を繰り返す動物だったのです。そのころは熊が走ることも知りませんでした。また同じく小さなオリの中で飼われていたイタチも行ったり来たりするばかりで動物ってそんなものなのだと思っていました。


後になって、行ったり来たりする行動は動物のストレスから来ていることを知り、唖然としました。あの熊もイタチもとても不幸だったんだと知った時のショックは相当なものでした。


動物は、その動物の環境に合ったところで暮らすのが一番です。イギリスでキリンやライオンを見る必要はありません。その動物に合った環境で幸せに生きている動物を見せてあげることが子供の教育ではないでしょうか。


6/23/2021

イギリスの紋章の話

 今月のオンライントークは「薔薇と紋章」というテーマで行いました。あまり日本の方には馴染みのないイギリスの紋章で、テーマを決めた時は「果たして興味を示してくださる方がいらっしゃるのか?」という心配がありました。でもイギリスと言う国を知る上で、またイギリスの歴史を見るためにはとても便利なものが紋章ですので、思いきってテーマにしました。

そしてお話しする内容を考えているうちに、この題を選んだことをちょっと後悔しました。というのは、紋章学というのは奥がとっても深くて一生かかって研究する人もいるくらいです。それを薔薇に関することも含め1時間でお話しすることは無理!と思ったからです。また、皆さんにわかりやすく説明できるかな?という疑問もありました。一応お話しすることを書き留めましたが、時間を計ったら2時間!どんどんカットしてやっと1時間15分くらいにまとめられました。

女王の紋章



ところが告知を始めてすぐに定員をオーバーするお申し込みで、追加トークの日を設けたくらいです。皆さんに興味を示していただいたことがとてもうれしく励みになりました。


イギリスでは紋章はエリザベス女王から直接管理を任されている紋章官が統括しています。紋章院総裁であるアールマーシャルは代々ノーフォーク公爵が受け持っていて、ノーフォーク公爵は公爵の中でももっとも位の高いプレミア公爵のタイトルを持ち、その下で13人の紋章官が仕事をしています。彼らは紋章院総裁の推薦で女王が任命します。そして女王のお供で大事なセレモニーに出席するのも彼らです。


この紋章官は、最初は伝令官で、戦争の時などのメッセンジャーがお役目だったので、それとわかるように派手な服装をしています。



紋章の大事なことは過去にあった同じ紋章を使ってはいけないこと、一目見て持ち主のことがわかるものでなければいけません。イギリスでの最古の紋章の記録は1226年のもの。紋章院には今までの全ての紋章が保管されていますから、新しい紋章を作る場合はそれらと同じもの、または似たようなものを作ることができないということです。そのアドバイスをするのが紋章官の仕事です。そんなにすごい専門知識のある紋章官ですが、紋章院から受けるお給料は年間2000円から7000円 !

最低賃金を支払わなければ訴えられる世の中です。雇い主の女王様は訴えられないのか?と思いますが、一応彼らはフリーランスということになっているので大丈夫らしいのです。その辺のところは彼らとボスの(女王様)間で特別な契約があるのかも?一年に2000円なんて、ロンドンの往復の地下鉄代がやっとという額!


ところで女王様の紋章にはスコットランドで使われる紋章と、スコットランド以外のイギリスで使われる紋章があります。下の写真はスコットランドで使われる紋章です。


スコットランドでのエリザベス女王の紋章


どこが違うのか?どうして?など皆さんと一緒に考えながら無事「薔薇と紋章」に関してのトークは終わりました。


今回は固いお話になってしまったので、次回はイギリスらしい田舎のひとつコッツウォルズを前編(7月14日)後編(7月17日)に分けて2回お話しします。お茶を飲みながらリラックスして聴いていただこうと思います。

告知を始めて24時間以内に前編が定員を超えてしまいました。そこで、少し様子を見ながら追加トークの日を設けることも考えています。

詳しくはCulture Tourism UKのホームページをご覧ください。

http://culturetourismuk.com/



6/06/2021

The Show Must Go On  ショーは続く

 コロナ渦で人々が口癖のように言っているのが、「ロックダウンが解除されても以前の生活に戻ることはあり得ない。」ということ。これをただ聴くだけだと、否定的に聞こえます。でもちょっと待って。以前のような暮らしはあり得ないとは思いますが、以前よりもっと良い暮らしが待っている可能性もあります。そしてもっと良い暮らしをするかどうかは本人次第ということでしょうね。


私が、コロナで学んだことの一つにコミュニティ精神、そしてもっと大規模に世界的にみて人々のつながりの大切さです。100歳になろうとしているキャプテン・トムが自宅の庭を100回往復することでNHS国民医療機関のための募金運動を始め、最初のターゲットの14万円をはるかに超えた40億円以上を集めたことは世界中の話題になりました。




その後彼にインスピレーションを受けた人たち、子供までが募金活動を始め、今では毎日のようにどこで誰が何のためのチャリティ募金を行っているかが報道されています。

先日は息子の誕生日だったのですが、プレゼントの一つがこのTシャツとバッジ、マグネットでした。




コロナで職を失った人たちは多くいます。その中には旅行関係の人たちも含まれます。Show Must Go On・・・・・これは役者さん、パーフォーマンスに関わる人達のために立ち上げられたチャリティ活動の一環で品物を売った収益金が金銭的に苦しい人たちを助けるというもの。

The Show Must Go On  とは「舞台裏でどんなことがあっても、ショーは観客のために続けなければいけない」という演劇の世界のキャッチフレーズですが、コロナも例外ではありません。
中のアルファベットはロックダウン以前人気のあったミュージカル、「マンマ・ミア」や「ハミルトン」などのタイトルの中にも使われています。

その下には収益金の行先が表示されています。





多くの俳優がサポートしています。下はジュディ・デンチ。




これから欲しいもの、プレゼントに至るまで、今までの買い物の習慣に変化が起こってくることでしょう。

6/01/2021

6月のオンライントーク

 



昨日までイギリスは三連休。太陽が最も少ない5月と言われた今年、最後にやっとお日様が機嫌を取り戻してくれたかのようです。人々の動きも活発にる一方で、インド型変異株の広がりが気になるところです。

さて毎月開催しているオンライントークも早いもので6月は10回目を迎えます。毎回定員は30名ですが、6月の「薔薇と紋章」のトークはお申し込み者も多く、現在19日も同じタイトルで開催することを考えています。

興味のある方はご連絡ください。

 開催日:6月16日(水曜日)19日(土曜日)

時間: 日本時間  20時

タイトル:「薔薇と紋章」

 定員:30名

料金:¥1000

お申し込み:info@culturetourismuk.com