9/11/2021

 20年前の今日、ニューヨークで同時テロ事件が発生しました。その日、テレビをつけた途端に映し出された画像。それはどこかの高いビルに飛行機が突っ込んだ瞬間の映像でした。ニュースのチャンネルを選んだはずなのに、まるで映画の中の場面のよう。それが現実に起こったことと気が付いたのはしばらくたってからでした。あの時から世界は変わりました。イラク戦争が起こり、それに次いで世界中の国々でテロ行為が起こり始めました。


それが20年も経てば、実際に事件で家族や友人を亡くした人や、身体に障害を負った人以外はそれがどんなに大事件だったか、記憶は徐々に薄れてきました。


そして昨日、私はネットフリックスで『Worth』という事実に基づいた映画を見て、20年前と同じくかなり衝撃を受けてしまいました。何故なら、実際に被害に遭った人たちには、あの事件の後も事件がずっと長く尾をひいていたことに改めて気が付いたからです。



内容は、犠牲者と遺族のために政府と議会が提案した補償金の管理を任された弁護士ケン・ファインバーグの著書に基づいてます。


実際のケン・ファインバーグ




遺族の代表として交渉に当たったのは、この事件で妻を失ったチャールズ・ウルフです。


実際のチャールズ・ウルフと亡き妻



ウルフ役はスタンリー・トゥッチ。いつもながら素晴らしい縁起でした。



補償金を決める場合の難関は人の命の価値を決めること。弁護士は通常裁判に勝った場合は、それによって得られる金額の最高50%の手数料を得るものだそうです。それを無料で、しかも悲しみに暮れる遺族からは敵扱いを受けることを承知で引き受けたファンバーグの苦悩が表れた映画です。そればかりではなく、場合によってはアメリカという国自体が破産状態に陥る可能性もあった交渉だったようです。詳細は下記をご覧ください。

https://www.ciamovienews.com/2021/08/Worth-Trailer-Michael-Keaton-9-11-Aftermath.html