幸い猫のティアは何事もなくイギリスに到着することが出来ました。犬たちもぐったり疲れてはいましたが翌日には元気を取り戻し、犬らしく(?)走り回っていました。
さて、娘たちの家さがしは私たちと違ってあっさり終わり、先週引っ越しました。彼女たちの人生はペット中心ですから、家は「お湯が出て屋根があればOK」という条件。ペットのための条件は、犬たちが遊びまわれる大きな庭があること、そして病気のティアのための個室があることです。
その結果見つかった家はサドブリーの近くの小さな村。なんとこの地域は最初に私たちが引っ越そうと思って家さがしを始めたところでした。歴史があり、自然があり、野生動物植物も多く正に私がイギリスでこれから暮らすのに欲しい条件がそろっていました。
彼女たちが住むことになった家は1800年の始めに女の子の学校として建てられた家。床は石なので冬は寒いでしょう。お風呂も1時間前にスイッチを入れないとお湯が出ません。お隣さんとも離れているし、草原の一軒家を思わせる家です。お店も一体どこにあるのでしょう?とてもとても便利な家とは言えません。でも娘たちにとっては理想の家です。
タイ生まれのアータとビンディ
暖炉のための薪置場。
野菜畑にはカランツ(スグリ)の畑も。グズベリーはもう少ししたら収穫。
見事なルバーブ
庭の一部は馬の調教をする場所です。馬の代わりに今は犬の遊び場です。
馬になったビンディ?
一体いくつのルバーブパイを作るのでしょう?と思ったら近くの村の人と物々交換でした。ルバーブの代わりにいただいてきたのはブロッコリとチャードの苗でした。
ウィンズローでの私たちの暮らしとは全く違う娘たちの田舎暮らしが始まりました。我が家から車で2時間半かかりますが、車の少ない週末は気持ちの良いドライブです。
タイで沸騰したお湯をかけられてひん死状態だったビンディ、ジフテリアで死にそうになって今でも後遺症が残り、薬が離せないアータ、大きなトラウマを持ったティア。私たちが宝くじを当てるよりも狭き門をくぐってきた彼らが、今こうしてイギリスに住むことになった運命は正に奇跡と言えるでしょう。
タイからアメリカに行ったときは、鏡を見て驚き、リードをつけて散歩に行くことすら初めてというカルチャーショックに陥ったようです。こうしてイギリスに落ち着いた彼らに言葉が話せるなら、そのハッピーエンドの人生をすっかり聞きたいものです。
*ブルーベル.スタディコースの前半のフォトギャラリーを更新しましたのでご覧ください。
*マンチェスターのテロ事件は多くの犠牲者を出しました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りします。