お客様は日本から真っ直ぐエジンバラに行かれ、市内を見学。そこでウィスキー通のガイドさんに選んでいただいたスコッチウィスキーを買われて湖水地方へ。私は湖水に向かい、そこから私の車でご案内しました。湖水地方での観光の後はウェールズやコッツウォルズを周り、南のセブンシスターズ(白い崖)、ライなどを経由してロンドンへ。
セブンシスターズ以外はお天気にも恵まれ、お客様も沢山写真を撮っていらっしゃいました。セブンシスターズでは霧雨の中、海までのウォーキングをしました。7個の崖(セブンシスターズと言われる)のうち一個だけは見えましたが、あとは霧にかすんでボーっとした輪郭だけしかわかりませんでした。でもそれはそれで幻想的。素敵でしたよ。
今回はポントカサステ(ウェールズ語で‘カサステ橋’の意)の水路橋をナローボートで渡ることがツアーの行程に入っていました。当時土木建築士として活躍したトマス.テルフォードによってマンチェスターやリバプールなどに石炭などを運ぶ運河の一部として1805年に完成した橋です。現在では世界遺産にも登録され、この時期は観光客も多く訪れます。
私はこの水路橋は、ナローボートで渡ったこともありますし、車いすの方と一緒に歩いて渡ったこともあります。でもひとつだけ是非やってみたかったことがありました。それはこの水路橋を真下から眺めること。
まずウェールズのスランゴレンの町に行きます。そこからナローボートに乗る人は専用バスでフロンカサステまで行き、そこからナローボートに乗船します。スランゴレンはこの時期は人がいっぱいです。
お客様をバスまでご案内した後、私は車でバスを追いかけます。そこからお客様はボートで、私は運河の横の小道を歩きます。
全長307メートル、幅3,4メートル、高さ38メートルのこの橋を私が初めてナローボートで渡ったのはもう20年くらい前になります。その時はボートをツアーで貸切り、食事をしながら上から眺める眼下の不思議な景色を楽しみました。
途中で私は急な坂を降りて今度は水路橋の袂に向かいました。
下から見る水路橋もまた格別でした。
♪ 行きはよいよい 帰りは恐い ♪ 正にその通り。帰りの近道は急な
上り坂。こんなに息切れしたことってしばらくぶり。
ボートがスランゴレンに着くのは2時間後です。時間はたっぷりあるとは言え、道に迷っては大変と帰りの坂道は駆け足で。ああ、さすがにこの時は年を感じました。
再びやっと上に戻ると運河の横道を犬がボートに合わせてゆっくり歩いていました。ボートは時速6~7キロというスピードです。
フロンカサスに戻り、再び車に飛び乗ります。「万が一、船が早く到着したら大変!」と急いでスランゴレンに戻りました。でも、運河のラッシュで(?)船の到着が遅れたようです。船着き場で待ちましたが、少し遅れてボートが帰ってきました。
「ここでーすっ!」と手を振って。お客様も気が付いてくださったようです。
ウェールズでは一泊のみでしたが、お客様は5年ぶりにお会いする友人の方との夕食など素晴らしい時を過ごされたようです。
この後、コッツウォルズ、南イングランドを周りました。「リピーターになりそう!」とおっしゃる位満足していただいてうれしく思いました。イギリスは訪れるたびにもっともっとこの国のことが知りたくなるという不思議な国です。みなさんに「第2の故郷のよう」と言っていただけるのが私にとっては一番うれしいことです。