「最近は仕事のない日はヴィーガン料理の研究に没頭しています。」と、先日のブログに書きました。昨日はイギリスの伝統デザートに挑戦。自称‘チョコレートファッジ.プディング’を作っていました。プディングのもとが出来上がり、型に流し込んでオヴンに入れたところで友人のPから電話がありました。「ケーキを作っていると思うけど、今すぐラジオのBBC4をつけなさい。‘レカーゴ’のことをやっているから。」「レカーゴ?」と尋ねる私に「何でもいいからとにかくラジオをつけて!」
私はキッチンにいる時はいつもラジオをつけるかCDを聴いています。最近新しいラジオ付きのCDプレイヤーを買ったので、BBC4のチャンネルがどうも探せませんでしたが、何とかセットできました。なんだ、レカーゴって落語のことだった。友人の発音間違いでした。
私は落語が好きです。生前父は‘笑点’のビデオをよく私に送ってくれていましたし、帰国するたびに実家の居間で父と一緒に見ていました。その時の父の大笑いの顔はいまだに鮮明に覚えています。
前回帰国した際も友人が落語館のあるところに連れていってくれて、昔ながらの喫茶店でお茶を飲みました。落語が好きだと言うと彼は「次回○○さんも誘って是非、一日ここに入り浸りましょう。」と言ってくれました。9月いっぱい日本にいますので、東京に行く時間があれば是非実現したいと思います。
さて、そのBBC4の番組では、ある落語家が(笑福....?とかいう名前)、英語、フランス語、イタリア語などで落語をやっています。紹介している女性は落語研究家なのでしょうか?それにしてもこの落語家さん、全部それぞれの言葉で話すことを暗記しているんです。すごいと思います。
「大いに酔っぱらった二人が家に帰る時に、家はどこですか?という話になりましてねー。一人はあそこの劇場の隣と言い、もう一人の人も劇場の隣と言い。あまりに酔っぱらい過ぎていて、ふたりとも家族同士であることを覚えていなかったんですねー。」と、こんな調子です。それを英語で話しています。観客も大笑い。またこの笑福なんとかさんの話方が抜群です。
ユーモアのセンスがあることが不可欠なイギリス社会です。でもジョークの内容は日本と違う!とずっと思っていました。こんなに長くイギリスに住む私でさえ、「それがなんで可笑しいの?」としょっちゅう主人に言っています。でも万国共通に可笑しいジョークってあるものですよねー。
始めは「日本語でしか落語はできない。」と言われ、落語協会からもストップがかかったとか。でも最近まで外人がお寿司を食べることなんてありえないと言われていたのが、今では世界遺産にまでなってしまった。落語協会も今では奨励している。と、笑福なんとかさんはおっしゃっていました。
こうやって日本文化もどんどん世界に広がっていけばいいですね。大いに期待したいところです。
そんなわけで、番組に夢中になってしまってチョコレート.プディングのことを忘れていました。気が付いた時は焦げていました。でも落語の話はとてもおもしろかったので、「また作ればいい。」とあきらめ、その代りにクランブルケーキに挑戦しました。こちらのほうは50%満足。クランブルの大きさが細かすぎた!
9月に函館で「ヴィーガンの夕べ」を企画しています。出席者には持ち寄りで参加していただきます。日にちが決ったらお知らせしますね。