6/18/2017

巨木を巡るツアーを終えて

巨木を巡るツアーのご案内をさせていただきました。イギリスはストーンヘンジが始まったころはまだ森林に囲まれていました。その後、羊毛産業を支えるためにも木は伐採され、田園風景が形作られていきます。それでも教会や貴族の館のように古い建物の敷地、町の公園の中にさえ大きな木が多いのは日本と違う点で、よくお客様が気づかれることです。

グループの団長さんのお話ではイギリスはヨーロッパの中でも古い木が多いのだそうです。数年前にウェールズでイギリス1古い(かもしれない?)木が見つかったという新聞記事を読んだことがありますが、たしか樹齢5000年くらいだったと思います。木の種類によって成長はもちろん違います。大きい木が必ずしも古いとは限りません。今回訪れた木はすでに中が空洞になっている木が多かったのですが、幹から枝分かれした部分がしっかり地面に根付いていてそれなりに大きな木になっているのがありました。その場所一体の多くの木がDNA検査の結果一本の木から生まれたことがわかっています。

私も木は大好きで、大きな木に出会うとつい樹皮に耳をつけて木が生きていることを確め,木と会話をしたい衝動に駆られます。今回は巨木が中心ですから、観光はその合間にするのみでしたが、旅行社が選択した観光地は、ストーンヘンジ、ウィンチェスター、コッツウォルズ、カンタベリー、ケンブリッジ、ロンドンなど巨木に長年生きている証を感じるのと同様に、歩くだけでその歴史を感じる古い町ばかり。5名のお客様は全ての町が非常に気に入られたご様子でした。

一本の木から次の一本の木への移動は車で。専門の運転手さんに聞いたら初日は一日で650キロ走ったそうです。皆さんも驚いていました。「東京から仙台辺りまでかなー。」と。時々休憩を入れながらもちょっとお疲れのご様子。でも巨木を見ると途端に体の中から元気がパチパチと燃え上がるのはやはり木のパワーですね。

それでは、今日は皆さんに今回訪れた木のいくつかを写真で見ていただいてエネルギーのお裾分けです。まずはトートワース村の聖レナード教会の栗の木です。西暦1150年にはすでに「トートワースの偉大な木」と呼ばれていたそうです。


 
 
この木は教会のそばに立っているということは聞いていましたが、境内を探してもそれらしき木がない!近所のオフィスらしき建物に女性がひとりいたので、その方におしえてもらってやっと境内の門を出て後ろに周ったところにある栗の木に辿り着きました。この木は女王即位50周年の記念に選ばれた50本の木のうちのひとつです。
 
 
 
 
 
 
 
マッチ.マークル村のイチイの木は、私も以前数回訪れていますのでうれしい再会です。樹齢に関しては年輪を調べればすぐにわかると単純に信じていた私は、現在の技術では正確に調べることは不可能なことを知りました。木の裾のところを切り離すのでしたらわかるかも?でもそんなことは絶対にできません。それに年輪だって、きっとぎっしり詰まっていて単純には数えられないのでしょう.....と、勝手に判断していますが真実は如何に?
 
 
 
 
中にはベンチが置かれています。 
 
 
 
 
 
 
 
 美しい庭に囲まれたキャンフォード学校ではツリー.マスターと呼ばれる特別な仕事を担当する先生が樹齢1000年とも言われる栗の木を専門ガーデナーと一緒に案内してくださいました。学校でも、この栗の木の保存を真剣に考えていることがうかがえます。
 
 
 
 
 フレッドヴィル.パーク内の個人所有の土地にある「Majesty」と呼ばれる木は大きさと言い、美しさと言い格別でした。皆さん「ここにずっといたい。」と。私も、「こんなところにテントを張って夜通し木と会話したいな」と思いました。とにかく素晴らしいのひとこと。Majesty (威厳、帝王)の名に相応しい木でした。
 
 
 
 
 
 
クローハースト村のセント.ジョージ教会は1191年にイングランドの守護聖徒であるセント.ジョージに捧げるために建てられました。そこにあるイチイの木は樹齢4000年とも言われています。それが本当であれば、イギリス一古いイチイの木ということになります。
 
 


中は空洞で、ベンチが置かれています。そこに入るには木のドアを開けて。
 
 
 
 
今回の団長さんは中江博之氏。氏が出版された御本をいただきました。
 
 
 

 
「巨樹はただ大きいだけではない。幾百年幾千年という気の遠くなるような長い歳月を生き抜いてきたのだ。そんな巨樹の姿に私たちはある時は神の存在を感じ、ある時は畏敬の念を抱き、またある時は心を震わせ涙する。そこには深い感動がある。思わず合掌したくなるような生命の重さを感じるのだ。」
 
今回は様々な巨樹に会えてエネルギーを沢山もらってきました。