すっかりご無沙汰してしまいました。今でもあまり外に出ていないので、新しいことを皆さんにお伝えすることに乏しくなっています。そんな中で日々の生活はパタパタと時間が流れて行って、気が付いたら一週間が過ぎ去っているという毎日です。
先日、興味深い写真を見つけました。昭和天皇のイギリス公式訪問の時の写真です。昭和天皇は2回イギリスを訪れています。まず皇太子であった時、1921年に6か月にわたってイギリスを始め、ヨーロッパの国5か国を訪問されました。この訪問を「生涯最も印象深い経験であった」と話していたそうです。
皇太子時代(19~20歳)にイギリスのセント・ジェイムズ宮殿にて。隣が後のエドワード8世(シンプソン夫人と結婚するために一年以内に退位)
ここで感心するのは、皇太子外遊を推し進めた人たちです。「外国で何か起こったら・・・」という時代に、「日本の将来を考えれば、ヨーロッパの君主国と仲良くするのが必要不可欠」「皇太子自身の見聞を広めるため。」と推し進めた人たちは、真に日本の将来を思っていたのでしょう。もし、皇太子に何かあれば切腹ものです。
次に訪れたのは1971年のこと。半月強で7か国を訪問されました。この訪問も、以前と同じく「生涯で最も印象が強かった」とお話しされていたそうですが、外国の文化に身をもって触れることの大切さは昔も今も変わりません。
エリザベス女王に会われた時の写真が下の写真です。
この写真を見て気が付いたことがあります。勲章です。天皇陛下とエリザベス女王は大勲位菊花大頸飾の勲章をおもちですので、その勲章をしていますが、皇后陛下はしていません。フィリップ殿下は大勲位菊花大綬章をつけていらっしゃいます。この大勲位菊花賞頸飾は日本では女性には与えられないものだそうですが、外国の女性には与えることもあるそうです。ウン?なんか変?日本では雅子妃殿下など女性にはその代わりに宝冠章が与えられると聞いています。
イギリス(イングランド)で最高の勲章と言えばガーター勲章です。エリザベス女王とフィリップ殿下、そして日本の天皇陛下はガーター勲章を所有していますので、この勲章も一緒に身に着けていらっしゃいます。
ついでに、他のことも気になったことがあります。イギリスの場合、リバンドと呼ばれるタスキはガーター勲章の場合は左上から右脇にかけると決まっていますが、ここでそのルールに従ってるのは女王様のお母様のみです。昭和天皇の場合は、右肩、左肩かたの両方の付け方をしているとのことですが、ガーター勲章の場合は、ちゃんと決まっているにも関わらず、女王とフィリップ殿下は反対にかけています。
日本では大勲位菊花章や大勲位菊花賞頸飾は頸飾(巨大な首飾りのようなもの)を使用しないときは右肩から左脇にかけるものなので、女王が天皇に敬意を表すために、ガーター勲章のルールを曲げたと考えられますが、どうでしょう?
一枚の写真から、好奇心がどんどん広がっていきます。
一枚の写真がこんなに色々なことを示しているんですね。