9/14/2014

しばらくぶりで帰宅してみると....

ツアーを終えて帰宅してみると、息子夫婦がすでに新居に引っ越していました。お嫁さんが看護婦の資格を取るために勉強し始め、息子のお給料だけで家賃を払っていくのも大変になって私たちとの同居生活を始めてから3年以上経ちます。お嫁さんはやっと資格を取り、看護婦としての道を歩み始めました。

そして今年始め、1800年の中ごろに建てられた家を購入。古くて中は住める状態ではなかったわけです。「本当に住めるようになるのかしら?」と半信半疑だったのですが、やっと水、ガス、電気が使えるようになり、キッチン、バスルームも出来上がって、カーペットも入れられる状態になったようで新しい生活のスタートをきりました。もともと仮の住まいとして同居し始めたので、ほとんどの所有物は倉庫に預けてあり、引っ越しは一日で済んだようです。

息子夫婦が去った後の我が家は、とてもガランとしていて、これからは家族4人(そのうちふたりは四足)で仲良く暮らしていきます。でも家族がふたり減っただけでこんなに毎日の生活が変わるなんて。夕食の支度がもっと手抜きになりそう!

国単位ではスコットランド独立か否かのスコットランド人の国民投票が来週木曜日に迫っています。ほんのちょっと前まで世論では「独立しない」方が優勢でした。ところがここに至っては五分五分になり先週は政治家たちがぞろぞろスコットランドに乗り出してスコットランド人を説得しようと必死です。その中にはもちろんスコットランド人の政治家もいます。つまり ‘Yes(独立賛成)’ か、 ‘No(独立反対)’ の戦いとなっています。ポール.マッカートニーやミック.ジャガーを始め多くのNo派の芸能人も Let's stay together! と、呼びかけています。新聞やテレビでのニュースやディベートも熱くなってきました。


 

イギリスという国はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの国から成っている連合王国です。スコットランドは300年以上前に連合王国の仲間入りをしました。長い歴史の中ではずいぶんイングランドに苦しめられたこともありました。そして今、彼らは遠いウェストミンスター(ロンドンはビッグベンで知られる国会議事堂のあるところ)でスコットランドを動かされることに不満を持っています。

私がスコットランドに行って会うスコットランド人はイングランド人、イングランドという国自体に否定的な態度を示す人も多いことは確かです。冗談であれ本気であれ「自分はスコットランド人だ。イングランド人ではない。」という意思表示がどこかに見え隠れしています。でもいざ独立となれば、ハートで考えるより頭で考えなければいけないことが沢山あります。

通貨はどうなるの?ポンドが使えなくなった時にはスコットランドの経済はどうなるの?EUとの関係は?ナショナルヘルスサービスは(英国は医療費が無料)?等々.....今、スコットランドはヨーロッパの中でも経済成長はトップに入ると言われていますが、今後はどうでしょう?「今のスコットランド」より「将来のスコットランド」を考えなければいけません。とても難しい問題です。

すでに銀行を含む大企業がオフィスをスコットランドからイングランド北部に移転する話も多く出ています。

そしてスコットランドが独立した際には当然残りの連合王国にも影響が出てきます。キャメロン首相も辞任するかもしれませんし、経済的にも大きな打撃となることは間違いありません。

そんな中、女王だけは何も言っていません。本当は彼女こそ「独立しないで!」と言いたいところでしょう。はっきり、そう言ったほうがいいのかもしれません。たしか、オーストラリアが英連邦から独立する際ははっきり意見を述べられていたように思います。それが理由とは思いませんが、結局オーストラリアは独立しませんでした。

そんなわけで Yes とNo の戦いは日増しに激しくなってきます。

息子たちは独立して、この家を去っていきましたが果たしてスコットランドも出ていってしまうのでしょうか?