11/16/2015

「ダウントンアビー」最終シリーズ

「ダウントンアビー」の最終シリーズが終わりました。6回目のシリーズで完全に終了。後は、クリスマスの時に一回限りの特別エピソードがあるのみです。イギリスで制作された連続物テレビドラマでは、史上最高の視聴率を記録し、なんと中国では1億人が観ていたとか。アメリカでもすごい人気だったそうです。






視聴者の中で一番有名なのはエリザベス女王です。私たち一般人にとっては別世界のドラマで、それだからこそ興味深いのですが執事がいて、服を着せてくれる特別なメイドがいて、晩餐会を自宅で催し、そういう場ではティアラを被りながら食事をするという正に「ダウントンアビー」の世界にいらっしゃる女王様は、ドラマのどういうところに興味がおありなのでしょう?と、疑問に思っていました。そうしたら、私と同じことを考えていた人が沢山いたようで、新聞にその答えが載っていました。このような記事を書く人は、女王に直接訊くのではなくうまい具合にそれを知る人から引き出すのでしょうけど、書かれていたことはとてもおもしろいものでした。

つまりアラさがし.....です。言い方はよくありませんが、それぞれのシーンで間違っていることを探すのがお好きなようです。例えば「あの勲章は右の胸につけるのではなく左につけるもの」とか、「あの勲章はあの時代にはまだなかったもの」とか......

それって、私が時代物のドラマを観る時にすることと同じです。「あの紅茶茶碗の形はその頃にはなかったはず」とか、「女性の胸につけているカメオに彫られた女性はもっと後の時代のデザイン」とか、建物にしても、「あの時代にはなかった建て方」など.....そんなことに、満足感を抱く自分がいやでした。いやな性格.....

でも「女王様もやっているんだ」と知って、気がラクーになりました。

さて、私は連続物のドラマは、一旦録音してまとめて見ることにしています。次のエピソードまで一週間も待っていられませんから。それで、先週の日曜日に最終回を終えた「ダウントンアビー」を昨日見始めました。日本では3回目までのシリーズが放映されたのでしょうか?

でもこれからますますおもしろくなってきますよ。期待してください。なんと言っても私が一番好きな人物はグランサム伯爵の母君であるヴァイオレットです。時代遅れの超保守的なことばかり言っているのですが憎めないんですね。他の人が言ったら、あきれられる内容でも彼女だからこそ問題にならずにすむことばかりです。そして頭の回転が速い!最終シリーズではそれが益々激しくなって、ドキドキしたり、大笑いしたり、感心したり。






もっとおもしろいのがこの役を演じるマギー.スミスが現代版ヴァイオレットみたいな人ということ。一緒に仕事をする人には「難しいマギー」で通っているそうですが、イギリスでは昔から知られる名役者です。「ハリーポッター」の映画にも出ましたね。最近は一度だけ、テレビのインタビューにも出演していました。(彼女はテレビインタビューは受けないことでも知られています。)それを観たのですが、「まあー、正にヴァイオレット!」と感心しました。ヴァイオレットと違うところは、いつもニコニコしていること。ヴァイオレットと一番よく似ていることはとても正直なこと。いいなー、こういうの。例えば「称号(デイム)を持っているにも拘わらず、それをテレビでは使いませんね。」という質問に対して「役者は仕事では使いませんよ。なんって言いましたっけ、あの人....そうそうベン.キングズレイ(映画「ガンジー」でのガンジー役)を除いてはね。」

80歳というベテラン役者だからそういうことが言えるんですね。ベン.キングズレイだってマギー.スミスに苦情を言うなんて馬鹿げたことはしないはず。とにかくずっと聞いていたいインタビューでした。そのマギー.スミスが出演している映画「The Lady in the Van」が最近封切られました。

アラン.ベネット作で、劇にもなり数々の賞を取ったのが今回映画化された実話です。アラン.ベネットの家の前に古いヴァンを置き、15年もそこで生活したメアリー.シェパード役をマギー.スミスが演じます。もちろん私も観に行きます。おもしろそう!





ヴァイオレットにしても、メアリー.シェパードにしても、そしてマギー.スミスにしても自分らしく生きているひとって魅力的です。

*パリの襲撃テロ事件で犠牲になった方々のご冥福を心からお祈りします。益々団結して、この世から悪を追放しようというフランスの人たちの強い意志、行動に感動を覚えます。テロリストの意図することとは反対に「今までの自由を維持するために団結する」ことは、すでにテロリストの」がとった行動が失敗に終わったことを示していることだと思います。