11/14/2017

オリエント急行殺人事件

アガサ.クリスティ原作の映画「オリエント急行殺人事件」を見てきました。今までにも何度か映画化、テレビのドラマ化が行われてどれも良かったので「何も新しく作り直さなくてもいいのに。」と思いながら主人に誘われてあまり期待もせずに行ってきました。映画が成功すれば、同じ原作からより良い作品、少なくとも同じレベルの作品を作ることはとても難しいことでしょう。そういう映画のほとんどは「やっぱり前のもののほうがいい。」とがっかりするのがおちですから。




今までの「オリエント急行殺人事件」の中では1970年代のアルバート.フィニー主演のものがあまりに強烈に頭に焼き付いています。テレビではデイヴィッド.スーシェーのポアロが有名です。1970年の映画では錚々たるたるメンバーが出演し、イングリッド.バーグマンはこの映画でアカデミー賞を取ったと記憶しています。

今度の映画では演技派俳優で知られるケネス.ブラナーグがポアロ役、そして監督をしました。出演者は1970年代のものに負けないくらいの有名俳優が出演。イギリスからはジュディ.デンチやデリック.ジャコビ、ハリウッドからはジョニー.デップやミシェル.ファイファーが出演しています。






期待していなかったことが返って幸いしたのか、結果は「見てよかったー。」です。ポアロはデイヴィッド.スーシェーのような「運動不足で体が動かないポアロ」ではなく、最近テレビで話題になったシャーロック.ホームズ役のべネディクト.カンバーバッチのように機敏でした。それがちょっと不自然に思われたこと、それぞれの役の説明が少なすぎたことを除けば満足です。

同じ原作でも監督やキャストによって全く違う作品ができることに気が付いて見てよかったと感じる映画でした。俳優のギャラだけでも「一体この映画の製作にはどのくらいのお金がかかったのでしょう?」と気になるところ。でも今どきの映画に比べれば「お安いもの!」だったと聞いてますます感心しました。俳優たちが、お金ではなく「出たいから出る」という作品はやっぱり違います。今回の映画もそういうふうに見えました。

ぜひ皆さんもご覧ください。そして可能であれば1970年代のアルバート.フィニーの映画、デイヴィッド.スーシェーのテレビドラマも見れば今回の映画のすごさがもっとわかるかも?