現在イギリスでは国営放送であるBBCの番組を見る人は受信料を支払う義務があります。今までは75歳以上はそれが免除されていましたが、今年から通常額である年間157ポンド50ペンスを支払わなければいけなくなりました。コロナウィールスの影響で徴収開始が遅れ、8月1日からは、対象外者を除くほとんどの75歳以上も他の人同様日本円で2万円以上を支払います。ロックダウンの間、家族にも会うことができなかった高齢者にとってテレビは必需品です。テレビを見ることによって、食費代を節約しなければいけない高齢者も多いはずです。
そんな時に新聞でこんな記事を読みました。「ジョージ3世の未払い:BBCによるテレビ受信料請求」
キューガーデンの敷地内にあるキュー・パレスは現在使われていない王室所有の建物6件を保存するチャリティ団体であるHistoric Royal Palaceのひとつです(ロンドン塔、ハンプトンコート宮殿、ケンジントン宮殿など)。1631年により大きな建物の一部として建てられましたが、現在残っているのはダッチ・ハウスと呼ばれるこの建物のみです。
イギリスの王室が使っていたのは1728年から1818の間で、最後に使ったのはジョージ3世です。Madness of King Georgeno映画(日本語のタイトルは「英国万歳」)で日本でも知っている人が多いこの王様はアメリカがイギリスから独立した時の王で、晩年には精神疾患を患い、1788年にその治療のために利用していたのがこのキューパレスです。
この宮殿に最近BBCから「即急に行動を起こすことを求める!」という厳しい手紙が届いたそうです。Historic Royal Palaceのマネージャーであるレイチェル・マッケイさんは、「毎年この時期になると同じ内容の手紙が届きます。そして私は例年通り、なぜジョージ3世が1820年から受信料を支払っていないかを説明しなければなりません。やれやれ。」とコメントしています。
ツィッターのコメントでは「75歳以上は支払う義務がある。王様だって同じこと!」「BBCは年金生活者を追いかけまわしている」など、面白いものがあったとか。