お客様はモリスの研究家からデザインに興味を持つ方などさまざまですが、皆さん現地にいらっしゃって実際にモリスが住んだ家などを訪問され、以前にも増してモリスのデザイン、そして人間性を理解されるようです。私も過去に何十回訪れても、行く度に新しい発見、そして新しい感情が湧き出るのを感じます。
モリスに関しては、8月27日と9月21日のブログでご紹介しましたので、今日は素晴らしい景色を中心にご案内しましょう。毎年恒例のこのモリス.ツアーはワールドブリッジ社が企画したものです。この時期のコッツウォルズはそろそろ紅葉が始まり、建物を這う蔦が見事です。また‘食欲の秋’ですから、おなかを減らすために、沢山のウォーキングもしました。
まずはブロードウェイタワーです。1798年にコヴェントリー伯爵が建てたこのタワーは風景庭園には欠かせないフォリーの一種で、建物の役目は遠くから眺めるためのもの。つまり周りのガーデンの一部として建てられたものです。実際にこのタワーは、人が住んだこともあり、モリスも娘のメイと訪れています。
丘からは晴れた日であれば
ウェールズまで見ることができますがこの日は遠くがかすんでいて、はっきいり見ることができませんでした。
タワーのある丘からブロードウェイの町まで、パブリックフットパスを使ってウォーキングです。途中、ベンチのある場所で休憩しながらゆっくりと。「ああ、おにぎりがあったら最高なんだけど」と、日本の遠足をちょっと思い出しながら。
ブロードウェイにある民家の蔦も見事に紅葉していました。
シュウメイギクはこちらではジャパニーズ.アネモネと言います。日本からやってきたのでしょう。私の好きな花のひとつです。(窓の手前にある背の高い白い花)
チッピング.キャムデンも秋はまた風情があります。
モリスに影響を受け、アーツ&クラフツの代表的アーティストのひとりになったチャールズ.アシュビーは銀工房をロンドンからここに移しました。その工房は今でもアーツ&クラフツの息を受け継いで手作りの銀器を作っています。
昼食に立ち寄ったデイルズフォードの野菜もおいしそう。近かったら買って帰りたかった。
モリスが「イングランドで一番美しい」と言ったバイブリーは日本人に大人気です。
ここでもスワンホテルの蔦が紅葉していました。
日本人に人気の民家の前庭も、春とはまた違った姿を見せてくれています。
3連泊したローズ.オヴ.ザ.マナーの周りは散歩に最適です。ホテルでの秋の食材を使った夕食にも皆さんご満足でした。
モートン.イン.マーシュの町から少し行ったところにあるバッツフォードの植林園を1時間くらい散歩しました。
ここの教会はCDで讃美歌が流れています。初めて訪れた時は、本当に感激しました。散歩でちょっと疲れた足を讃美歌を聞きながら休めて、そして心まで十分癒してもらいました。
この他にも200もあるコッツウォルズの村々のなかで、ほんの数か所ですが
散策しました。
この頃のバラは数こそ少ないのですが、「私は静かな時期が好き」と言わんばかりに顔を出しているみたいで、共感が持てます。思わず「私もそうよ。」と返事をしたりして。
古い石の壁に吊るされたハンギングバスケット、そしてそれを覆う真っ赤な蔦は私の持つイギリスのパブのイメージそのものです。
夏に咲いたバラは、今はローズヒップになって。これもまた綺麗。
窓の中からの景色はどんなのかしら?まるで葉っぱの額縁です。
モリスが夏の住処として使ったケルムズコットマナーにも秋の訪れを感じます。
モリスが新婚生活を始めるために友人達との共同作業で建てたレッドハウス。モリスが生涯で一番幸せだった5年間をここで過ごしました。
ここの庭でも、まるでモリスがデザインしたかのような蔦が木に絡まっていました。そのまま壁紙にしたいくらい美しい紅葉です。
今年のモリスツアーはこれが最後です。食べること、そしてワインが大好きだったモリス。この時期は特にモリスが好きだったのでは?なんて思いながら5日間のモリスツアーのご案内を終えました。ツアーの皆さんも私と同じくらいご満足していただけたら幸せです。