最近、素晴らしい映画、ミュージカル、DVDを3本立て続けに見ました。良いものを見たり聞いたりすると心に余韻がしばらく残り、一日何回も思い出してはその興奮が蘇ってきています。
まずは、映画‘The Theory of Everything’です。日本の題名は‘博士と彼女のセオリー’です。世界的に有名な物理学者スティーヴン.ホーキング博士が「筋委縮性側索硬化症」で余命2年の宣告をされながらも、ジェインは彼との学生結婚を決意。発症から5年以内に死に至ると言われている病気ですが、50年以上経った今でも車椅子で、コンピューターによる合成音声を利用して講義をしているというホーキング博士の人生の中でも、この映画はジェインとの美しい愛を描いた作品です。
日本では3月ごろに上映開始と聞いています。主役のエディ.レッドメインは映画ヴァージョンの‘レ.ミゼラブル’で一躍有名になった俳優ですが今回の演技は特に素晴らしく、つい最近BAFTA(英国アカデミー賞)の主演男優最優秀賞(同じく最優秀作品賞、最優秀イギリス映画賞も獲得)に選ばれました。
因みにエディ.レッドメインはイートン校時代ウィリアム王子の学友でした。卒業後、ウィリアムはセント.アンドリュース大学に進み、ケイト妃と出会いましたが、レッドメインのほうはケンブリッジ大学に進み、そこで教授をしていたホーキング博士役でBAFTAを獲得したのです。
私は物理のことは何もわかりません。一体宇宙はどこまで続いているのか?天国はあるのか?地球はどういう形で終わるのか?この映画が伝えることは物理学のことではなく、余命2年と言われながら50年以上経った今でも世界に注目されるホーキング博士と、元妻ジェインとの(26年後に離婚)愛です。
次はミュージカルです。題名は‘ビューティフル(Beautiful)’。アメリカの女性シング.ソングライターであるキャロル.キングの物語をミュージカルにしたものです。特に1970年代に出された‘タペストリー’は全米アルバムチャートでは15週連続1位にとどまるほどの人気を持ち、日本でもコンサートを開いたり、五輪真弓さんとのコラボでも知られています。
‘Will You Love Me Tomorrow ’ ‘So Far Away’ ‘ It's Too Late’ ‘You've Got A Friend’ など懐かしい曲が次から次へと出てきます。そしてキャロル.キング役を始め、俳優が皆素晴らしく見甲斐のあるミュージカルでした。早速このミュージカルのCDを買って毎日聴いています。
観客は私たちも含め年配が多いことに気がつきました。皆、舞台にくぎ付けで曲に合わせて体を揺すっています。心の中は完全に40年前の若かった時代に戻っているようです。そして終わった時は皆総立ちで拍手。「良かった!」という口笛が止みません。終わって劇場を出る時はけっこう若い人たちも見かけたので安心(?)。若い人でも絶対に聴いたことがある曲ばかりでしたから、時代を問わず音楽好きの息子に是非進めたいと思います。
そして最後はDVDです。主人が絶対に欲しいと言っていたDVDを友人が日本から送ってくれました。題名は‘太秦ライムライト’です。「5万回斬られた男 福本清三 初主演作」と書かれています。この映画を見ると斬られ役の技術を修得することがいかに難しいかがよくわかります。日本の時代劇を見ると、チャンバラ場面は主役やメインの俳優にばかり目が行きます。でもこの映画を見ると、今まで気が付かなかった斬られ役の演技が正にアートであることに気が付きます。主人は、これを見たすぐ後で‘ラストサムライ’のDVDを見ていました。彼にとって今度はトム.クルーズではなく福本清三が主演でした。
良いものを見たり、聞いたりした後は、気持ちがいいものです。今日は日曜日。なんとなく良い映画を見たい気持ちになってきました。仕事もほどほどにして、ずっと昔に買ったDVDを引っ張り出してきて映画鑑賞の日にしようと思います。