6/07/2015

宿題がなくなる?

これは数日前の「生徒をうつ病から救うために宿題を禁じる」という見出しで載っていたタイムズ紙のトップページです。




チェルテナム.レディズカレッジという学校はイギリスにある女子の私立学校でも最も有名な学校のひとつ。162年前に創立されたこの学校は、そのアカデミックなレベルでも知られ、15歳で受ける全国テスト(GCSE)では去年は92%の生徒がAスター、またはAという最高の点数で合格しています。

「校長のイヴ.ジェニー.ヤング女史は今年の9月から週ごとに瞑想の授業を取り入れ、‘クラス移動の時間も今までの2倍の距離を歩かせることにする(イギリスでは授業と授業は日本のように先生が移動せず、生徒が移動する)。’ ‘教師に生徒のうつ病や不安の症状をいち早く察知するトレイニングを行う’ ‘毎日2,3科目の宿題を課すことが妥当かどうか問題だ。これから5年間のトライアルをみて、宿題を撤去することも考えている’と発表した。」

最初にうつ病と診断される年齢が1960年代には29歳だったのが今世紀に入ってからは15歳半になったということから、彼女は思春期を迎える子供たちのストレスや不幸感に危機を感じているということです。

また彼女はこの現象を作っている社会、そしてその社会を作っている我々に責任があるとも言っています。「将来子供たちが幸せな人生を送るための準備を手助けするのが教育者の義務と考えます。そのためにはこの現実を受け止め、改善していかなければいけません。」

本当にそうだと思います。日本でも、イギリスでも社会が敷いてしまった道に乗れない子供が沢山います。私の周りの日本人、イギリス人もそういうお子さんを持つ親が、以前に比べたらとても多くなってきています。「私は子供を持っていないから。」とか、「どうしようもない。」という言葉も聞かれます。でも、社会を作っているのは私たちひとりひとりで、私たちにも責任があることはこの校長先生がおっしゃる通りだと思います。

だからと言って、今何ができるかはわかりません。でも「このシステムっておかしいな?」と思ったら声を大きくして自分の意見を言うことから始めることが大切だと思います。

私の一番嫌いな言葉。それは「仕方ない」という言葉です。知らないうちに私もしょっちゅう使っている言葉です。言ってしまってからいつも後悔します。「仕方ない」と言えば、そこですべてを放棄することになります。そこには、弱さとあきらめ、そしてこれからの世代に対する無責任さしかありません。

より良い社会を未来の人たちに残すことは生まれてきた人全てに課された仕事ですものね。