8/06/2015

Forgiving, but not forgetting.

今年は第二次世界大戦が終了してから70周年の年に当たり、新聞やテレビで戦争のことが多く取り上げられています。ドイツ軍の空襲で焼け野原になったロンドンの様子、疎開に行く小学生になるかならないかの小さな子供たち、戦場で負傷した兵士.....それらの画像は私たちに戦争は繰り返してはいけないことをおしえてくれます。

でも、広島、長崎の原爆投下ほど戦争の悲惨さをおしえてくれるものはありません。そして今日8月6日が広島で原爆が落とされた日でした。イギリスのテレビや新聞でも取り上げています。

下の写真はテレグラフ紙のものです。一面に原爆直後の写真と記事が載っていました。「まるで幽霊の群を見ているようだった.....」




マイクで話している女性はユキコ ナカブシさんと言う方です。幼稚園に着いた直後に原爆が投下され、お母様はおお火傷をしたにも拘わらず家に戻り、娘さんが無事だったことがわかると気を失ってしまったそうです。その他、記事の内容は被ばくされた方々の様子が書かれています。


‘NHKワールド(NHK海外向けチャンネル)’に出演されたケイコ オオバヤシさんのインタビューにも心を打たれました。彼女もやはり被ばくされ、ご家族や友人を亡くされました。ですから原爆を落とした兵士ロバート.ルイス氏を憎み続けてきたそうです。ところがアメリカでルイス氏に会った時、涙ながらに「我々はなんということをしてしまったのか」と言われ、彼も被害者であったことを知った瞬間に憎しみは消えたと語っています。彼女は英語が堪能で、今外国人に向けて原爆の悲惨さを訴えています。

彼女のインタビューの際にForgiving, but not forgettingというタイトルが出ました。憎むということがいかに大きな力になるか.....でもそれはネガティヴな力であり、そこからは解決は見出せません。

慰霊式に臨んだ阿部首相のスピーチもまた世界中の人が注目していたことでしょう。「日本は唯一の戦争被爆国です。現実的で実践的な取り組みを通して核兵器のない世界を実現するように大事な使命をもっています。核兵器の非人道さを世界に広めていく義務があります。」

福島の原発事故の経験も合わせて、日本がこれから世界に向けて発信していかなければいけないことが何かを改めて考えさせられます。