1/22/2016

すさまじいスーパーマーケットの競争。

青空の清々しい日が数日続いたと思ったら、今朝は早くから雨です。子供たちは(ルビーとジャスパー)、トイレをするために外に出ることさえいやがっています。昔は(レスキューされる前)多分、狩りに使われていたと思うのですが、今ではすっかり貴族気分。ルビーに至っては寒い日は散歩まで拒絶する始末です。今日は、私も家にジッとしていようと思います。

さて、今日はイギリスのスーパーのすさまじい競争のことをお話ししたいと思います。日本でもたしかポイントカードというのがあって、レジのところでカードを出している人をよく見かけました。イギリスでも同じです。でもそれはスーパーによって制度が全く違うのです。

私は3つのロイヤルティカード(loyaltyは忠誠と言う意味)を持っています。3つも持っているなんて決して‘忠誠’とは言えませんね。この3つとはウェイトローズ、セインズブリー、テスコです。最近一番良く使っているのがウェイトローズ。マーマレード用のオレンジはウェイトローズと決めていますし、我が家から行きやすくて、しかも中くらいの大きさなので一番買い物がしやすいからです。お値段はちょっと高めですが、時間的なことを考えればさほど問題にはなりません。ここのカードはmy Waitroseとよばれています。




このカードはポイント制ではありませんが、買い物をしなくてもカードを出すだけでコーヒー、紅茶が無料でいただける他、5ポンド以上の買い物をすれば新聞が無料になります。新聞の値段は日本よりは高く、タイムズ紙でも1ポンド、テレグラフは1ポンド20ペンスしますし、土曜、日曜新聞はもっと高くて3ポンド近くするのもあります。5ポンドの買い物をして3ポンドの新聞をもらって、しかもコーヒーが無料。なんか変な感じです。

でも私のように、新聞をもらいに5ポンドだけ買い物をするつもりが50ポンドも買い物をする人がいますからそこが狙いかもしれません。

その上、時々プレゼントを頂くことがあるんですよ。

このマーマレードジャーは数年前にウェイトローズでセヴィル.オレンジを買った時にもらったものです。






もうひとつウェイトローズがしていることは買い物した額によってレジでグリーンのチップを何枚か渡されます。それを店内にあるチャリティの箱の中で好きな箱に入れれば、チップの数の額をウェイトローズがそのチャリティに寄付しますというものです。これがけっこう長く続いています。

今ではウェイトローズで買い物をするお客の半数が、my Waitorise カード保持者だとか。

一方セインズブリーのスーパーは日本と同じポイント制ですが、貯まったポイントはスーパー以外でも、例えばテーマパークなどで使えます。





ところがセインズブリーには、もっと変わったシステムがあるのです。それは‘ブランドマッチ’といって「もし他のスーパーで、その日にセインズブリーより安く売っていたら、その分次回のショッピングの時に差し引きます」というもの。と言うことは、他のスーパーの料金を常にチェックしているということです。いくらインターネットで調べられるとはいえ、「そこまでするか!」とちょっといやな気持になるのは、私が日本人だからでしょうか?

下記のヴァウチャーは支払いの際に渡されるもので、これを持って次回セインズブリーに買い物に行けば「70ペンス引きます」というものです。
 
 
 
 
 
この他テスコもあります。このカードもスーパー以外にも使えますが我が家ではヴァージンマイルに加算されているはずです。
 
 
 
 
 
 
お客はただ買い物をすればいいだけですが、スーパーで働いている人は必死です。気のせいかもしれませんがスタッフの対応が前より丁寧になったように思います。日本では通常行われていることですが、以前は「○○はどこにありますか?」と訊ねると「○番の通路です」と答えてくれただけでしたが、今はそこまで連れて行ってくれます。仕事を中断して連れて行ってくれるので、私は「そんなことしてもらわなくても番号さえ教えていただければ自分で行きます。」と答えていますが。
 
とは言っても「スーパにはできるだけ行かない」という人もいます。競争のために起こる価格破壊で
地元の商店が閉鎖されることが多いですし、何よりスーパーが生産者に支払う料金を叩いて叩いてビジネスをつぶしてしまっていることが問題になっています。牛乳がその良い例です。そういえば牛乳の値段はここ20年以上も上がっていないような気がします。それどころか昔の方が高かった品物さえあります。この物価高のイギリスで、そのようなことが起こっていること自体不自然な事でしょう。
 
スーパーは便利ですし近くに沢山あるのでついつい利用しますが、こう競争が激しくなるといつかパーンッ!と砕けてしまう可能性もあるのでは? ウエイトローズにしてもすでに「ひとりで何枚もカードを持ってきて無料のコーヒーを飲んで買い物もしないで帰っていく人がいる。客層が低くなった!」とウェイトローズ贔屓のミドルクラスの人から変な(?)苦情がきているとか。無料、プレゼントも必ずしもお客に人気があるとは限りません。スーパーは常に新しい方法でお客を確保する方法を考えなければいけませんね。
 
スーパーといえば伊丹十三監督、宮本信子が出演した「スーパーの女」は私の好きな映画のひとつです。制作された時は、「こんなことあり得ない」と思っていたのが、ずっと後になって期限切れの商品をパックしなおして売ったりする事件がありました。あの映画を見れば消費者として気をつけなければいけないことや安い裏には何か理由があることなどがわかります。宮本信子は私が大好きな俳優でもあり、いまだに年に数回はDVDで見ています。