丁度その翌日、テスコが故意にサプライヤーへの支払いを遅らせていたことが発覚。罰金を課せられる可能性が出てきました。小規模のサプライヤーにとっては大変困ったことで、倒産の可能性さえあります。ひどいなー。許せない!私、テスコをボイコットしようかしら?(と、今は思いますが意志の弱い私には無理かも?どうも便利さに負けてしまいそう。)
そのテスコではセインズブリーと同じようなことを始めました。「アズダ、モリソン、セインズブリーの3社よりも値段が高かった場合は返金します。」というものです。これをセインズブリーでは‘Brand Matchブランドマッチ’と言っていますが、テスコでは‘Price Promise’と呼びます。
アズダ、テスコ、セインズブリー、モリソンは4社で価格競争です。でもこうなると4社はライバルというよりは、「4社で相談し合って何かたくらんでいるのでは?」と思ってしまうくらい。つまり一社では競争に勝てないので、4社が合体して(もちろん会社が合体するのではありませんが)、4社以外のスーパーに対抗しようとしているのでは?なんて。 EUでヨーロッパの国が協定を結んでアメリカやアジアの国に対抗しようというのと同じかなー?なんて想像してしまいます。
このままで行けば、しまいにはこの4社の品物は全部同じ価格になりますよね。私、単純すぎるでしょうか?お客だって、返金するくらいなら始めっから同じ値段にすればいいのにと思いますよね。
一方ウェイトローズは、いつも ‘我が道を行く’ 的な感じです。そしてここでもまた新しいプロモーションを発表しました。「特別なスティッカーがついている商品に関しては5品以上買えば25%引きます」「個人的に頻繁に買い物をする品10品を登録すれば毎回20%値引きしましょう」というものです。賢いなー。興味のない品物は、いくら安くなっていても関係ないですものね。
ウェイトローズはデパートのジョン.ルイスと同じ系列です。そのジョン.ルイスは大昔から(少なくとも30年くらいは)、「他で同じ品物をもっと安く売っていたら返品するか、ウチでもその値段に下げるか、または差額を返金します。」という方法を取っていました。ハロッズ、セルフリッジズなどの高級デパートではなく地道に良心的に商売をしている(そう見える)ジョン.ルイスの根強いファンはいまだに私の友人の中にも多いのです。
話は変わりますが、昨日ウェイトローズで今年最後のマーマレードを作るためにセヴィルオレンジを買いました。残っても困るので、今回はきっちり1キロを計っていたところある女性が話しかけてきました。「貴方、いつもセヴィルオレンジを買うのね。マーマレードを作るの?」 ええ~?見られていたんだ!「はい、この時期は私はマーマレード作りに徹するんですけど、今年はちょっと忙しくて.....」という会話から始まって、結局彼女をマーマレード宗教(?)にひっぱってしまいました。どうすればおいしいマーマレードを作れるか、買ったものよりどれだけおいしいか、そして「ウェイトローズのセヴィルオレンジはオーガニックなので安心して食べられます」とウェイトローズの宣伝までして....会話の後はもちろん彼女はセヴィルオレンジを袋に詰めていました。日本人の私がイギリス人にマーマレードの作り方を教えているなんて、なんだか変な気がしました。
さて支払いところではロマンスグレイのおじさんがレジを打っていましたが、ここでも「この間もあなたはオレンジを沢山買っていましたね。自分でマーマレードを作るのですか?それはいい。私は昔はシェフをしていて随分マーマレードを作りました。なんと言ってもホームメイドが一番ですからね。」と。
知らない人とのちょっとした会話のためにスーパーの競争のことなどすっかり忘れ、楽しい買いものができました。