8/22/2017

皆既日食で思い出すこと。

息子一家の今回のアメリカ行きは皆既日食を見るため。キャンザス.シティに住む両親、ボストンに住む兄一家、コロラドに住む姉一家と全員がコロンビアで落ち合い、一緒に皆既日食を見るというのでだいぶ前から予定していた家族旅行です。

皆既日食は、地球から見える月の直系が太陽より大きく見えるために昼間でも暗くなるのですが、それは地球を横断する細い線上のみで観測が出来るので、お嫁さんの家族はこの線上にあるコロンビアで一緒に見ようということになったのです。何せ、前回アメリカで皆既日食が見られたのは1918年のことだそうですから。






私はちょうど他の用事があって息子たちが出発する前日は彼らの家に泊まっていました。翌朝はフライトに間に合うように5時に家を出なければいけませんでした。


と、ここまでは順調。出発8時間前に「ウェブサイトでチェックインできるかしら?もう遅すぎるかもね。」とパソコンで調べ出したお嫁さんが、あっ!と顔を手で覆ってしまいました。なんと彼女のアメリカのパスポートの期限が切れていたのです! それならイギリスのパスポートを使えばいいと私は簡単に思いましたが、そう単純にはいかず。アメリカ以外の国籍の人はビザが必要です。息子はちゃんと取得していました。その上、1歳半になる孫は今のところアメリカのパスポートしか持っていません。この方は期限は大丈夫でしたが、赤ちゃんもビザが要るのかしら?















 
 
 


2005年のことになります。その数年前、私は両親とカナダに行って、ヴァンクーヴァ―でお財布、クレジットカード、列車の切符、レンタカーの予約確認書、航空券、ホテルのヴァウチャーなど全ての貴重品を盗まれてしまいました。パスポートもです。それで旅行後カナダのエドモントンに飛び、日本領事館でパスポートを発券してもらったのですが、なんとそのパスポートにはバーコードがついていませんでした。

その後、イギリスから日本に行く場合はパスポートにバーコードは必要なく難なく行っていましたが、カナダのお隣のアメリカには行けないことが、2005年の息子の結婚式の際に空港のチェックインカウンターで初めて知ったのです。正式なパスポートを持たない乗客を乗せると航空会社は数千万円の罰金を課せられるとかで、カウンターの係員は断固譲ろうとしません。

仕方なく、私はあきらめてロンドンの日本領事館に直行し、新しいパスポートを発券してもらったのです。さあ、それからの数日間は生きた心地もせず、どうやって時間を過ごしたのかも覚えていません。結婚式に間に合わなかったら....と、披露宴で空になっている母親の席を想したりして。結局はやっと間に合って無事結婚式に出れましたが、今回のお嫁さんのパスポートも皆既日食に間に合わない可能性があるのです。

結果は、大丈夫でした。ちゃんと飛行機に乗って家族3人で無事アメリカに到着。両親、兄姉、甥や姪との楽しいビデオが毎日送られてきます。でも一体どうやって飛行機に乗れたの?と本
 
当に不思議です。帰ってきたら聞いてみますが、期限切れのパスポートで、どうして入国できたのか.....

私のカナダのことも、そして今回の経験も一体何をおしえてくれたかというと....人生、どうにもならないことはないということ。この経験から、私がいつもお客様にお話しすることは「お金を盗まれても、パスポートをなくしても、結局最後にはちゃんと日本に帰れますからご心配なく。」ということ。

日本でのトークで、今までに何回か、カナダ、アメリカの経験をお話ししましたが、実は息子の結婚式に日本の家族が10名出席することなっていたのですが、彼らもまた大変な経験をしていました。ちょうどハリケーンが来てアメリカの空港は閉鎖され.....妹、弟が機転を利かせて結局は色々経由して結婚式には間には間に合いました。彼らもまた人生最大の危機のひとつに直面していたのです。結婚式では新郎側の親族の席がほとんど空席になっていた可能性もあったわけです。

こういう経験をすればするほど、どんなことが起こっても、「最後には何とかなる」という信念が強くなるものです。どうにもならないことってそう多くはないですものね。どうにもならない場合は、だまって自然に任せるのが一番ということも経験を重ねれば心が自然に納得するようになります。

息子一家も今回の件がこれからの長い人生の中で何か有意義なことを教えてくれたと思います。