12/21/2017

「幸せ」について。

ちょっと早いのですが今年はクリスマス前後は忙しくなりそうなので今日、家から車で30分弱のところにあるスーパー巨大セインズブリーでクリスマスのための食糧の買い出しをしてきました。最近、「幸せ」について考えることがよくあります。それで、スーパーで買い物をしていても、他の人の様子が気になります。大きなクリスマスツリーが刺しゅうされた派手なセーターを着て、クリスマスツリーのイヤリングをして楽しそうに買い物をしている中年の女性、バーゲンを真剣に探しながら用心深そうにトロリーにものを入れていく女性、クリスマスなど関係ないと言うように‘いつもと同じ食料’を買っている男性・・・・

今年は久しぶりに我が家では家族全員が集合、車で3時間弱のところに住む娘たちは留守番の犬がいるので3,4時間しかいられませんが短時間でも家族が揃うのは楽しいことです。久々に大勢の食事を用意することになりました。

さて、前述の「幸せ」について考える機会を与えてくれたのは National Geographical Society(アメリカの地理学会)が毎月発行しているNational Geographicという雑誌です。




「世界で最も幸せな場所」という特集では、人々に「どのくらい頻繁に、微笑んだり笑ったりしたか?」「24時間の間にどのくらい頻繁に喜びを感じたか?」などの調査を行った結果が出ていました。

それによると、国としてはデンマーク、コスタ・リカ、シンガポールが筆頭に挙げられていました。デンマークは過去40年ヨーロッパでも「幸せな国」のトップのひとつで、「有意義で興味深く満足な暮らし」がその理由なようです。

シンガポールはアジアの中でも「幸せな国」トップで、ゼロから成功した起業家の例をあげていました。

この特集でのリサーチャーは「幸せな国」の条件を6つに特定しています。
1. 強い経済の発展
2.健康で長生き
3.社会との健康な関係
4.寛大性
5.信頼
6.個人の生き方を選択する自由

同じ国でも場所によって違うことは当然ですが、下の表は国別に「幸せの度合い」を示しています。





 日本とイギリスは100点満点の65~69点です。点数は複雑にリサーチされているために人数、幸福度の度合い、一日に感じた幸せ度などをすべて考慮して結果を出しています。







中でも私が注目したのはコスタリカのある男性の人生です。53歳の男性の仕事はマーケットでの野菜売り。でも売るだけではなくおしゃべりやジョークのやり取りをしながら楽しく毎日を送っています。マーケットでは彼を知らない人はいないくらいの有名人。他の食糧売りやその家族が病気になれば真っ先に募金に走るのも彼です。週末には人気はあるものの、負けてばかりいる町のサッカーチームの応援団のオーガナイズをします。

ある日、彼は宝くじに当たります。それは93,000米ドルという特にコスタ・リカでは膨大なお金です。貧しい家庭に生まれ、12歳で学校を退学、生きるために働き始めたのはいいのですがそれもうまくいかずアル中に。20歳で大失恋。そんな彼に93,000米ドルという大金が入れば普通だったら贅沢な生活を選ぶでしょう。

ところが彼は宝くじに当たって数週間後、以前と変わらずマーケットにやってきました。実は獲得したお金は全部使い果たしたようです。お金の行き先は1.宝くじを売ってくれたひとに。2.昔、貧乏だったころに食べ物を与えてくれたマーケットの商人に。3・マーケットで顔見知りの乞食へ。4・残りは彼の母親と彼の7人の子供の母親4人に。

それでもなお、「これ以上の幸福はない。」と言い切るこの男性の生き方にすごく感動させられました。

それではコスタ・リカという国はどんな国なのでしょう。地理的なことも関連しますが、国の医療福祉は整っていて、宗教心、平和の持続、平等、寛大さ、家族の絆などがすべて幸せに一役かっています。上記の男性には車や宝石、上等な洋服や電気製品などはありませんが、それらは幸せの対象とはならないことを表しています。南アメリカの他の国とは違い、少人数のお金持ちが国を仕切っているのではなく、「すべての人の平等」を心がけることが国として大切なことがわかります。少数の地主が土地を管理するのではなく、大勢の人が土地を持ち、コーヒー豆の栽培をしています。

なんだか、これを読んであまりに私の生活と違うことに驚き、そしてある一定の「幸せ」をめがけて突き進んでいることに疑問を持ち始めました。

2017年も残すところ僅かとなりました。いつもこの時期は来年の抱負について考えます。今年はちょっと違う角度から考えてみたいと思います。それは一般的な幸せではなく、「私にとっての幸せ」です。つまりどういう気持ちで人生を送るのが、私にとっての幸せかということです。

正にウィリアム・モリスの言葉通り、「生きることは芸術」ですね。