8/19/2018

イギリス人にとっての紅茶とは?

先日、友人のご主人のお葬式に行ってきました。これまでにお葬式は何度も行きましたが、全てが心のこもった式でした。形にこだわりすぎず、もっとパーソナルなお葬式が増えています。

先日のお葬式は、友人とふたりの息子さんがご主人、お父さんのお見送りに相応しい式を考えたようです。その通り、式が終了して埋葬の時には彼が生前もっとも好きだった紅茶とマクヴィティのダイジェスティヴビスケットと共に葬られ新しい旅に出られました。

その紅茶でもこだわりがあって、タイフー・ティでなければいけなかったようです。


そう言えば私も一番最初にイギリスに来た時(それは太古の昔に近いほど前なのですが)、住んでいた寮で出されていた紅茶もタイフー・ティーだったように記憶しています。そしてテレビのコマーシャルではいつもタイフー・ ティーだった気がします。

最近は高級茶も増え、テトリー、PGティップス、タイフー・ティなどは少しづつイギリス伝統紅茶としては影が薄くなってきているかもしれません。

このような伝統的紅茶は、驚くほど値段が安く、計算するとカップ一杯が5円もしないときがあります。でも、それは正にイギリスの昔の味です。家庭で飲む一杯が500円もする紅茶の味とは比較できません。美味しい紅茶は美味しい紅茶、でも思いでの紅茶は思い出の懐かしい香りのする特別な紅茶です。

私は専門店で買うこともありますが、たいていはスーパーで安い紅茶を買います。私にとって何が一番大切かと言うとフェアートレードのマークがついたものです。フェアートレードの商品は色々問題がないとは言えませんが、少なくとも茶園で働く人たちを驚くほどの低賃金で使っていることはありません。そういう気の毒な労働者によって摘み取られたお茶は、あまりおいしく飲めません。正当な賃金が払われて、コミュニティの施設建設にも役立っているお茶がおいしいです。

先日、ある人から豆乳でもおいしく飲める紅茶としてPGティップスをいただきました。イギリスではヴィーガンが増えて、紅茶にまで牛乳以外のミルクを入れておいしくできる紅茶ができたというわけです。





興味津々でいただきました。うん、悪くない。でも他にも豆乳で飲める紅茶はあります。その上、PGティーップスはフェアートレード、エシカル(倫理)に合った商品としては最悪に近いのです。点数は20点満点のうち2点! 因みにタイフー・ティは11~11,5でした。意外だったのは最下位のひとつがトワイニングだったこと。スーパーの棚にはまるで独占商売?と思えるくらい多くのトワイニングの商品が並んでいるのですから。
http://www.ethicalconsumer.org/buyersguides/drink/tea.aspx

イギリスの伝統飲み物の紅茶だからこそ、単に味で飲むのではなく、もっとこだわって、気持ちよくお茶の時間を最高のひと時にしたいですね。