3日前のバンク(金融街のある地域)のラッシュ時の地下鉄駅構内。
こうなると、パニックに陥る人、この機会だからと犯罪に走る人、事の重大性を全く理解しない、理解しようともしない人などが目立ってきます。『コヴィディオット』という言葉さえできました。コロナに関する国の警告、アドバイスを完全に無視する人たちのことです。corona virus(コロナウィールス)と idiot(馬鹿)を合わせたのだと思います。
そういう中で、お医者さん、看護師さん、病院のお掃除をする人など沢山の人が献身的に働いています。BBCのラジオで41歳の医師とのインタビューが30分にわたって放送されました。彼はコロナウィールス感染者ために第一線で毎日仕事をしています。感染し、もしかしたら死亡する可能性もある中、彼の心配事はいずれ人工呼吸器が不足した場合、どの患者に渡すかの選択をしなければいけなくなること。聞いていて涙が止まりませんでした。医療機関で働く人には感謝しても仕切れません。
昨日は母の日でした。この日はお母さんと一緒に過ごすのがこちらでは習慣になっていますが、高齢者が感染すると症状がひどくなるので、「今年はお母さんに会いに行かずにスカイプや、携帯を大いに活用しよう。」と呼び掛けていました。
私にとっては昨日は忘れられない母の日になりました。お隣さんから花束が届きました。そして他のご近所さんから手作りのパンが届きました。彼女は自分の車でご近所にパンを配っていました。お店に行けないのでパンも不足しています。日曜新聞がないとほとんど生きていけない主人のために、新聞を買ってきてくれたご近所さんもいます。私は、マーマレードを持って周ってきました。そんな時も、2メートル離れて会話します。
こういう時だからこそ、コミュニティ精神が大切です。特に一人暮らしのお年寄りや、身体が丈夫でない方のために、スーパーでも特別な時間を設けたり、ご近所同士の助け合いがあちこちで行われています。コロナに押しつぶされてしまいそうな今、人の温かさ、偉大さをヒシヒシと感じています。