先週、元軍人であったキャプテン・トム・ムアがNHS(イギリス国民医療機関)で働く人たちのために、募金活動を始めました。99歳のムアさんが、最近股関節置換術と皮膚がんの手術でNHSにお世話になったので、現在献身的に働く素晴らしいNHSスタッフのために恩返しの募金活動です。自宅の庭で歩行器を使って4月30日の100歳の誕生日までに25メートルの距離を100回歩くという条件での募金運動です。
最初の目的は1000ポンドでした。ところが昨日のBBCのニュースでは、すでに500万ポンドが集まり、そして今朝のニュースでは、100回の歩行が完了して金額はなんと1200万ポンド(18憶円)を超えました ! これからも増え続けることでしょう。
(https://www.justgiving.com/fundraising/tomswalkforthenhs)
多くの有名人がテレビで彼の行いを称え、昨日は毎日行われる首相官邸からの記者会見では(それぞれの記者は自宅からスカイプで参加。質疑応答が行われます)、保険相がキャプテン・トムに感謝の言葉を述べていました。
キャプテン・トムは100歳になる前に今日、目的を達成しました。それだけでも素晴らしいことなのですが、私はテレビを見ていて世界中の人たちに(世界50か国以上からの募金があった)これほど大きなインスピレーションを与えた元軍人に奇跡を感じます。
第二次大戦で国のために戦い、そして99歳になった今で世界を動かす力を発揮していることに大きなインスピレーションを与えられました。
イギリスでは今、人々の生活に欠かせない分野で働ているひとたちに大きな拍手を送っています。木曜の夜8時には国中で玄関先から拍手を送っています。お鍋を思いっきりスプーンで叩き、大きな声を上げています。
そして、最近よく聴かれる音楽は、You Will Never Walk Alone です。この歌は、ミュージカル「回転木馬」で1940年代に歌われたのが最初ですが、今ではフットボールの試合(特にリヴァプール・フットボール・クラブ)他で聴かれるようになりました。
https://www.youtube.com/watch?v=OV5_LQArLa0
イギリスでは、3週間のロックダウンの延長が決まりました。国民に精神的な疲れが見え始めているこの頃ですが、今までにこれほど人々が一つになったことはなかったように思います。コロナウィールスは、世界中に多くの死者を出しています。その反面、今まで薄れていた人の繋がりの素晴らしさ、大切さを教えてくれました。亡くなった方々の死を無駄にせず、良い世の中が生まれることを切に願っています。