退役軍人で、コロナに対応する病院や、第一線で働く医療関係者を支持するために自宅の庭を歩行器で歩きながら募金活動をし、52億円を集めたトム・モア(日本ではムア)さんが昨日100歳で亡くなりました。肺炎の治療を受けられていたので、コロナのワクチンの接種もされていなかったのです。今日は朝からテレビでずっとトムさんのことが報じられています。首相官邸の旗は反旗を翻しています。
コロナで希望を失いがちな人々に希望を与え、こんな時にこそ団結が必要と訴えるモアさんは、女王様からナイトの爵位を受けました。
マイケル・ボールという歌手と一緒に募金活動の一環として歌った曲You'll Never Walk Alone が、チャーとでトップになりました。
https://www.youtube.com/watch?v=LcouA_oWsnU
そのマイケル・ボールが昨日言った言葉で目が覚めた人もいると思います。「トムさんは、元軍人でした。そしていつもDuty(義務)と言う言葉を口にしていました。今私たちに必要なのはDutyです。皆さん、コロナワクチンの接種を受けてください。」
ワクチンが出来たことで、一つの希望が湧く中、ワクチンに対する疑問などで接種を拒否する人もいます。その人たちの気持ちもわからなくはありません。でも非常事態であり、感染すれば副作用より重い症状になる可能性を考えなければいけません。そして何より他の人に感染する可能性を考えると、「ワクチンの接種をしない権利」に疑問が出てきます。
最近権利を主張するばかりで、義務と言う言葉を忘れがちです。権利は義務なしにはあり得ないことです。社会に対して権利、自由を主張するのであれば、その社会に対する義務もあります。
トム・モアさんは52億円を集め、イギリスのNHS(National Health Service)に貢献しましたが、それ以上に人々に希望を与え、そして「一人ではない。」という安心感を植え付けてくださいました。イギリスの真の英雄は亡くなりましたが、彼がおしえてくれたことはこれからもずっと人々の心の中に残っていくことでしょう。
ご冥福をお祈りします。