4/27/2014

英国の天気は一日のうちに四季が訪れる?

‘英国は日本と比べて四季の変化は少ないが一日のうちに四季が訪れる’とはよく聞く言葉ですが、昨日は正にそういう一日でした。

コッツ ウォルズの面積は東京都と同じくらい、その中に200の村が存在します。ですから一日ではとても周りきることはできません。私の場合、コッツウォルズでの 仕事がかなり多く、初めての方であれば北コッツウォルズのハイライトをご案内します。と言っても単に‘有名なところ’とは限りません。そのお客様のご希望 に沿って日程を決めます。そして2度目、3度目のお客様、または数日間のご案内となるともっと細かく、また北コッツウォルズ周辺の場所も含めてご案内する こともあります。

昨日のお客様もリピーターの方でしたが、御一行の中に「コッツウォルズ初めて」という方もおひとりいらっしゃいましたので、南コッツウォルズを中心に、英国の田舎の雰囲気が残る村々を、そして咲き加減が「今日が最高!」と思われるブルーベルの森にご案内しました。

そして昼食はマナーハウス調のホテルです。この写真は、そのホテルの玄関に置いてあったものです。マナーハウス系の英国伝統的ホテルにはたいていこのような長靴がお客様のために用意されています。英国の田舎に住むには絶対に必要なゴムの長靴です。

さ て日本は今年の冬は雪が多く、東京でもゴムの長靴を履いて出勤する方も多かったとお聞きします。それで、「おしゃれなゴム長が欲しい」と言われる方もたま にいらっしゃいます。お店で「ラバーブーツrubber boots」と言ったら通じないと不思議に思われた方もおいででしたが、英国ではゴムの長靴のことをウェリントンブーツ、またはウェリーズと呼びます。こ れは1815年のウォータルー(ワーテルロー)の戦いでナポレオンと戦ったウェリントン将軍のブーツから来ています。それは皮で出来たもので、主に軍人が 履いていたものでした。そうです、あのジェーン.オースチンの映画‘高慢と偏見’に出てくる軍人たちが履いているようなブーツです。


19 世紀の中ごろにはゴムが使われるようになりましたが、防水性のあるこのブーツは一挙に民間に知れ渡りヨーロッパ中に広まります。英国では第一次世界大戦の 際に塹壕で待機する兵隊のために北英国ゴム会社North British Rubber Comanyが100万足以上のゴムのブーツを作りました。この会社が今のハンター.ブーツ会社Hunter Boot Ltdです。以前はハンターのブーツと言えば濃いグリーンのブーツが真っ先に頭に浮かんだのですが、現在は色とりどり、デザインもずいぶんファッションを 意識したものになり、靴屋のウィンドーにさえハンターのゴム長が飾られるようになりました。

昨日は一時間ごとに雨、曇り、快晴と天気がコ ロコロ変わり正に英国の‘一日のうちに四季’という言葉がぴったりの日でしたが、ラッキーなことに雨が降ったのは食事をしている時や車で移動する時、また はお買い物の時だけで、なんと一度も傘を使いませんでした。その反対も考えられ、ずぶぬれになる可能性も大有りだったのに、本当に運が良かったと思いま す。そして雨上がりの雫をつけたブルーベルのなんと美しかったことでしょう!