7/28/2014

新しくなったストーンヘンジ?

暑い、暑い!日本は40度近いところもあるようですね。英国はせいぜい27度程度ですが、私には暑すぎる!今朝の新聞に「あまりの暑さに鶏はゆで卵を産んでいる」と書かれていました。ごもっとも。

 さて英国にはユネスコの世界遺産に指定されている場所が28か所あります。その中のひとつが新石器時代のモニュメントで5000年の歴史を持つ‘ストーンヘンジ、エイヴブリーとその周辺の地域’です。特に日本からのお客様に人気の巨石環状遺跡であるストーンヘンジが最近新規一転しました。と言ってももちろんモニュメントのことではありません。それは、そのままです。
 
 
 

 
今まで、ストーンヘンジは2本の幹線道路に囲まれていましたが、車の振動が石に及ぼす影響が強いので、その一本を閉鎖しました。(それぞれの巨石は土の中に造られたコンクリートの台の上に立っていること、ご存じでしたか?保存がいかに難しいかということです。)
また今までは駐車場から歩いて5分以内でモニュメントまで行けたのが、今度はビジターセンター付近に車を停め(観光バスも同じ)、そこからシャトルバスに7,8分乗ってモニュメントまで行きます。シャトルバスに乗るには夏場は並ぶ可能性大。そこで先日私は、自分で行ってみて、システムがどのようになっているかをじっくりチェックしました。

 
ロンドンから行く場合、実際にストーンヘンジが前方に見えてきても駐車場に行くまでには随分迂回しなければなりません。結局、モニュメントを通り過ぎ、見えなくなってしばらくしたところにあるラウンドアバウトを右折、またしばらく行ってやっとビジターセンターと駐車場があるという具合です。





ビジターセンターにはカフェ、展示会場、売店があります。そこで無料で貸し出される日本語のオーディオはとてもよくできていて、ガイドブックには載っていない学者の話などが詰め込まれていて興味がそそられました。今まではストーンヘンジで費やす時間は45分程度でしたが今度からはその倍くらいかかります。本当は半日欲しいところです。ロンドンからの日帰りツアーではバースの町と組まれたツアーが多かったのですが、これからは時間的にきついかもしれません。もし変更なく行われるのですと、忙しいツアーになるような気がします。


以前より時間はかかりますが、それよりも充実した内容に大満足。これなら胸を張ってお客様にお勧めできます。


 さて、その日はストーンヘンジ以外も周ってみました。3キロちょっとの所にあるウッドヘンジは、ストーンヘンジよりは遅い青銅期時代に宗教的な目的のために造られたようです。木のあったところには、今はコンクリートの杭が立てられていますので、どのような状態だったかが想像出来ます。

 


 

エイヴブリーに向かう途中でミルク.ヒルの斜面に描かれた白い馬が見えてきました。白亜の丘の斜面に描かれた巨大な絵は遠くから見るようになっていて古いものは有史以前のものもあります。この地域は特に白い馬が多く、この馬は‘アルトンバーンズの白馬’と呼ばれ、1812年に付近の農夫が造らせたものです。どさ周りの画家にお金を持ち逃げされたこの農夫の話も地元人の言い伝えになっています。

 


 

次はウェスト.ケネットの埋葬場所。道端にある駐車場に車を停め、麦畑の中を歩きます。写真の右側の塚は有史以前に人の手によって造られたスィルブリー.ヒルです。ピラミッドと同じくらいの大きさで、有史以前に造られた人工塚の中ではヨーロッパ一の高さをもつこの塚が何の目的で造られたかはわかっていません。
 
 
 

 
小高い丘の上にウェストケネットの石造りの埋葬場はありました。ストーンヘンジより更に古い紀元前3600年に造られたものです。もちろん今は中は空っぽ。子供たちがお化けごっこをしていました。




 
屋根の上からの眺めを楽しむ人。「不謹慎な!」という人は誰もいません。

 


 

最後の目的地エイヴブリーに到着。賑やかな音楽となんだか棒がかち合う音が聞こえたと思ったらモリスダンスでした!(6月30日のブログ参照)

 


 

エイヴブリーの環状巨大遺跡群はヨーロッパ一の規模です(石のサイズではなく、輪の面積のこと)。紀元前2600年に建てられたものです。
 
 
 

 
このエイヴブリーの遺跡は考古学者でマーマレードで財をなしたアレグザンダー.キーラ―が発掘のために1930年前にその土地を購入したものです。彼の住んだ家もナショナル.トラストが管理して一般に公開しています。(これ、どこかで見たような家ではないですか? ウィリアム.モリスの住んだケルムズコット.マナーによく似ています。)



 

なんと犬の多かったこと!石と人と犬と、そしていつもながら草を食ベルのに忙しい羊。
 
 
 
 
 
 

 
さてそろそろロンドンに向けて帰路に就く時間です。私はエイヴブリーに来る時に決まってすることがあります。それが朝の10時直後ですとヴィレッジショップのディニッシュ.ペイストリーが焼ける時間です。お行儀悪い!と言われそうですが、環状石の間を歩きながら出来立てのペイストリーを食べる幸せ。その時間帯でなければアレグザンダー.キーリーの家の図書室(ティールームになっている)で美味しい紅茶にホームメードのケーキをいただきます。でも、先日は「スタッフが不足していて今日は閉店です」と言われました。がっかりしましたが、考えてみればそういういい加減さが、ゆったり気分にもつながるのかなーとちょっと納得。ナショナル.トラストのティーショップでもそうなのですから。

代わりにヴィレッジストアで村のご婦人がつくる‘レモン.ドリズルケーキ’をおみやげに買って帰りました。





5000年前の人が私たちに残したメッセージは何か?中世の人が作ったこれらの遺跡に関する逸話、考古学者のこだわりなどこの地域にはイギリスと言う国、英国人に関する質問の答えになるようなものを沢山見つけることができます。ゆっくり時間をかけて周ってみてください。