でも、今回はトイレについているビデオを見てドッカーンと大きな衝撃を受けたことがあります。それは‘東京ゼロ’というキャンペーンのビデオです。日本全国のそれぞれの自治体では平均700匹の犬猫が、そして東京だけでも1600匹の犬が殺処分されているということから、殺処分ゼロを目指そうというキャンペーンのビデオです。殺される犬がこんなに多いのに、それでも何故犬の繁殖をしなければいけないのか理解できません。
イギリスには捨てられた犬、虐待に遭った動物を引き取るチャリティ団体が沢山あります。そのひとつひとつはちゃんとした団体です。ですから私は今までイギリスで野良犬、野良猫を見たことはありません。たまに町中でひとりで歩いている犬を見かけると動物愛護団体や、警察に連れて行ったり、通報したりします。そしてそういう犬猫を引き取って飼う人も多くいます。
我が家では2匹の犬を飼っています。以前飼った犬のうちの一匹はかなりひどい虐待に遭った犬でした。来た時は、ちょっとでも私たちが手を動かせば「打たれる!」と思ったのか、猛スピードで逃げて部屋の隅に丸くなっていました。アンバーという名のその犬は、人間をやっと信じ出したと思われる時に病気になって死んでしまいました。ほんの短いお付き合いでしたが、アンバーは私たちの暮らしをより幸せなものにしてくれました。アンバーによって癒されたことも数え切れないくらい多くありました。
私たち夫婦には、犬は家族です。子供たちが巣立ってふたりっきりになった暮らしの中で、犬たちが与えてくれる幸せは計り知れません。私たちが一緒に出掛ける時は近所に住む夫婦に預けます。彼らも犬好きで、我が家の犬たちが来るのをいつも楽しみにしてくれています。先日も、犬たちをブルーベル.ウォークに連れて行ってくれました。その時の写真が沢山送られてきました。
イギリスに暮らして幸せだったかな?日本で暮らしていた方が幸せだったかな?と、自分に関しては時々考えます。特に最近では大阪で見た桜の事を思い出しては無性に日本が恋しくなります。あのデパ地下の香りを思い出すたびに「今日は日本食を作ろう」などと思ったりします。
でももし私が犬だったら、そして何かの理由で飼い主と離れてしまった犬であったなら、間違いなく「日本よりイギリスに生まれて幸運だった。」と思うことでしょう。
殺処分が日常行われている日本で‘東京ゼロ’のキャンペーンを通して活動していらっしゃる方々には頭が下がります。是非是非頑張っていただきたい思います。
例え飼っている犬猫でも子を産ませるつもりがない場合、去勢手術をさせることは飼い主の義務だと思います。こどもを持つ責任と同じように動物を飼う責任も考えなければいけないでしょう。
日本で一日も早く殺処分される動物がいなくなることを切に願っています。それが国際国日本、国際都市東京として認められることの条件の一つと思います。