1/25/2017

日本から届いた本

冬場は仕事の数はゼロに近く、一度も仕事をしない月も珍しくありません。そんな期間は、翌シーズンにかけてのリサーチや、シーズン中は忙しくて時間が取れないこと、例えば読書などをします。

昨年暮れに2冊の本が日本から送られてきました。「お正月にゆっくり読みましょう。」と思ってとっておいた2冊です。

一冊は小関由美さんの「英国ティーハウスのオールデー.メニュー」で、西軽井沢で「ブリティッシュケーキハウス」というお菓子教室兼サロンを主催されている小澤祐子さんとの共著で出版されたものです。お菓子はもちろん朝食、夕食にも使えるレシピが沢山載っています。写真がとても綺麗。美味しそうなものばかりです。





さて、これらのレシピーをどうやってヴィーガン用にするか...これから頭をひねって考えることにしましょう。小澤さんの教室には私のお客様の中でも受講されている方が数人いらっしゃって私も一度お邪魔したことがあります。写真を見ると、英国菓子とはいえ、日本人独特の繊細さが感じられます。食べる前に目からよだれが出そう。

アンティーク専門家の小関由美さんは多くの英国の食、アンティークに関する本の出版を、また日本で英国関連のイベントも時々開催されています。

もう一冊の本は、ギルバート.ホワイトが書いた「セルボーン博物誌」の鳥関連部分を日本語にした「セルボーンの博物誌の鳥たち」の改訂版です。ギルバート.ホワイトは18世紀の牧師であり博物学者だった人物ですが、編纂、翻訳をされた井沢浩一氏はかなり前にギルバート.ホワイトが住んだセルボーンのウェイクス荘に同行させていただいたのがきっかけで時々メールの交換をしています。日本では八色鳥の研究と保護、また環境保全運動と多方面に渡って自然保護活動をされています。




‘ ...ギルバート.ホワイトはいわゆる学者ではなく、当時のアマチュア自然観察者を代表する人でありました。いやアマチュアの自然観察者であったからこそ、彼の自然観察は面白く、意義深いのです。彼は自宅付近で見かけられる動植物や鉱物や河川など、自然に対して愛情と畏敬のまなざしをもって絶え間なく観察し....(序文を書かれた福田京一さん) ’


また「はじめに」の項では井沢さん自らが、「セルボーンの博物誌」を最初に翻訳した西村退三など、これまでにギルバート.ホワイトに関わった人たちのことも書いていらっしゃって興味を注がれます。

‘ ...(「セルボーンの博物誌」は)最初はあまり注目を集めなかったようですが、チャールズ.ダーウィンやヘンリー.ディヴィド.ソローのような19世紀の自然観察者に大きな影響を与え、「自然観察者のバイブル」「エコロジーの先駆け」とも言われる本です。アメリカの博物誌家ジョン.バロウズは「この本がなければ完全な図書館ではない」とまで書いています。(井沢氏の言葉)’


ウェイクス荘はジェイン.オースティンが住んでいた牧師館から近くもあるので、その後数回訪れました。その広いお庭では、ギルバート.ホワイトが自然動物や野鳥の観察に夢中になった気持ちがよくわかるような気がします。次回、この本を持ってウェイクス荘を訪れるのを楽しみにしています。