1/30/2017

数日中に100万人以上の署名。

イギリスのメイ首相がトランプ新大統領を訪問し英米首脳会談が行われてから3日経った今日。この数日間の間に世界のあちこちで反トランプ派のデモがおこなわれています。 テロ行為を言い訳にトランプ大統領の取った移民政策で、特にイスラム教が多数を占める七国からのアメリカへの渡航者の入国を拒絶し始め、それ以外の国からの入国ももっと厳重に取り締まると発表しました。それらの国で生まれたというだけで、アメリカに住む権利を持つ人でさえ、入国を拒否されています。それに反対する人たちのデモ、署名運動はアメリカだけに限らずヨーロッパの国でも広がっています。






トランプ大統領と、メイ首相の会談では、メイ首相が、「イギリスはトランプ大統領ご夫妻を公式にイギリスにご招待したいと思います。」と発言。当然のことながら、直後にイギリスではこの招待に対して反対の署名運動が始まりました。そして3日経った今日、その署名数は100万人に達したそうです。

トランプ大統領を招待すべきかどうかはよくわかりませんが、一度招待したものをイギリス側からキャンセルする可能性は少ないように思います。でも、これほどトランプ大統領反対派が多いイギリスに来てもらっても....?イギリスに来たことで彼の政策に影響が出るのでしたら別ですけど。

どちらにしてももしトランプ大統領の公式訪英が決ったとしたら、一番お気の毒なのはエリザベス女王です。彼女は、その長い経験と賢明さでちゃんとおもてなしされることは間違いないと思いますが、決して心から歓迎したい人物でないことは明らか。女王のお仕事は本当に大変。

イギリスとこれから手を結んで貿易を促進したい、EUとアメリカの仲介役をする可能性のある国と仲良くしたいというトランプ大統領にとってイギリスと良い関係を保つことはとても大事です。イギリスは入国を拒否された七国の中には入っていません。だからイギリス人はハッピー? 違うんだなー。イギリスからだってイギリスで生まれた人がテロリストになっています。そういう人がアメリカに入国する可能性も十分あり得ます。一方入国を拒否される7国からは国や社会に貢献している人が沢山います。

「自分だけがいいのなら他は関係ない。」というのはイギリスでは最も卑劣な態度です。「正しいこととそうでない事。」は「自分」には直接関係のないところでも主張してこそ、本当の民主主義が保たれるのです。特定の国からの人の入国は全て拒絶することはテロ行為の解決法にはならないと思います。

陸上競技選手であり、オリンピックメダリストであるモー.ファラーは、競技だけではなくチャリティ活動にも積極的で、イギリスでは絶大な人気を集めているアスリートのひとりです。トランプさんに聞かせたい彼のことばです。






 
 
『今年1月1日に私は女王陛下から勲章を授かりました。そして1月27日ドナルド.トランプ大統領は私をエイリアンにしてしまいました。

私は過去6年アメリカに住んでいますがイギリス人です。懸命に働き、社会に貢献し、税金を払い、今では子供たちが ‘ホーム’ と呼ぶ国で4人の子供を育ててきました。そして今、私や、私と同じような境遇にある人たちはこの国では歓迎されないと言われるているのです。子供たちに父親が彼らの元に帰ることができなくなるかもしれないと告げなければいけないこと、そして彼らに大統領が無知と偏見からきた政策を取る理由を説明しなければいけないことが、今私の心を深く悩ませています。
 
 
 
 

 
 
私は8歳の時にソマリアからやってきました。(ソマリアはトランプが入国を認めていない国のひとつ)その時にはイギリスは私を歓迎し、夢を実現させるためのチャンスを与えてくれました。私は私の国イギリスを代表することを誇りに思ってきました。イギリス人のためにメダルを勝ち取り、最大の栄誉である勲章を授かりました。これらの私の経験は、憎しみと隔離からではなく、慈悲と理解を持った政策がいかにひとりの人間の可能性につながるかの一例です。』

 
 
 
 
 
今世界中に必要なのは連結と理解です。世の中が分裂しそうな気配に危機感を感じずにはいられません。