7/18/2016

ドライバーガイドの仕事

私の場合、ガイドの仕事は完全にフリーですので日本の旅行社から、または個人的に直接お問い合わせをいただくことが99%です。ご案内の形はグループの場合は専用バスを使って、個人の場合は公共交通を使って、または私の車でご案内します。

個人の場合は、例えば少人数で、一か所、しかも列車で行ける場所ですと(例えばライなど)公共交通を使ってのご案内をお勧めしています。数か所周る時や公共交通で行くのが難しい場所(例えモリスの家ケルムズコット.マナー)、大型バスでは入ることのできない村などは(例えばコッツウォルズの村々)ドライバーガイドとして私の車でご案内します。

私はドライバーガイド協会に属していますので、会員になるための資格が(ブルーバッジ所持、営業車用保険・ライセンス所持が義務づけられる)必要ですが、更に会則を守ることを条件づけられています。この会は私にはとてもありがたいもので、会員に代わってロンドン市に申し立てをしてくれたり時には市長に直接交渉してドライバーガイド専用の例外を認めてもらったりしてくれます。また新しいインフォメーションもメールでしょっちゅう流れてきます。田舎のレストランでお勧めの場所をリストにして流してくれたり。

私が他のドライバーガイドと違うところ。それはロンドンのガイドでありながらロンドン市内を車でご案内しないことです。車内ではイギリスの文化、歴史、時にはゴシップ(!)や単なるお客様とのおしゃべりを私の方が楽しんでいますが、ロンドン市内は車が多すぎて不器用な私には運転とご案内の両方を一時にすることができないのです。また駐車場を探すのにも時間がかかり、私のロンドン市内でのドライバーガイドは価値がないと思っています。ですから「ロンドン市内のご案内を除いたロンドンのドライバーガイド」という変な肩書きのガイドです。ドライバーガイド協会の同僚たちはロンドン市内でもどこでも完璧にこなしているので、いつも感心します。

では最近私の車で個人のお客様をご案内したところを写真でご紹介します。

 
ウィティックマナー(2015年7月23日のブログをご覧ください)
 
 



19世紀後半に興ったアーツ&クラフツスタイルの内装。ロゼッティの絵画やデ.モーガンの陶器やタイル、ウィリアム.モリス商会のオリジナルカーテンや壁紙があちらこちらに。




キッチン




使用人のダイニングルーム。ダウントンアビーのようなご主人、使用人の暮らしの場所を見学できるところはイギリスには多くあります。



 
お庭もよく手入れされています。





1611年に初代ソルズベリー伯爵ロバート.セシルによって建てられたハットフィールド.ハウス。現在でもセシル家が所有しています。




所狭しと飾られた絵画。その下は高価なタペストリーです。
 



中でも一番有名な絵画はエリザベス女王1世の「虹の肖像画」。彼女の女王としての象徴がいくつも描かれています。(真珠、虹、へび、ガウン....)彼女が右手に持つ虹の上にはラテン語でモットーが描かれています。'Non sine sole iris' (英訳は'No rainbow without the sun')で、この場合太陽とは彼女自身を指します。「謙遜」という言葉が存在しなかった頃のもの!
 







らせん状の階段を降りるとキッチンです。
 



ロバート.セシルが建てる前からあった古い宮殿ではヘンリー8世の子供(メアリー、エリザベス、エドワード)全員が泊まったり住んだりしました。庭はプラントハンターの先駆者として名高いトラデスカント(父)によるものです。

ノットガーデンはチューダー王朝のガーデンの象徴です。




6月からずっと続いていた仕事も、少し休憩です。そうしたらいきなり気温が上がりました!先日のストリート.パーティの日は最高気温28度です。私が快適に過ごせるのは26度まで。湿気はないにしても28度は暑すぎる~~。こんなこと言ってたらバチがあたるかもしれませんね。北海道生まれのせいか、寒さには耐えられますが暑さに弱い私です。