9/30/2018

イギリス エキセントリック人

今年最後のガーデンツァーが終了しました。今年は2本限りでちょと淋しいのですが、どちらも秋にご案内させていただいたので例年とはちょっと違った内容、ガーデンの美しさにため息ばかりでした。春のガーデンは何度も見ていらっしゃる方もイギリスの秋の景色、ガーデンに感動されていました。








さて、今回のツアーでもウォーターペリーガーデンズを訪問しましたが、今までここのミュージアムには行ったことがありませんでした。

今回は大型バスで行きましたので、到着したら皆さんがバスから降りられる前に必ず電話をするようにガーデン側から言われていました。駐車場、チケット売り場が狭いので、見学を開始する前にバスの中で入場のスティッカーを渡すためです。

到着時にバスを迎えてくれたのがゴードンさん。確かお歳は87歳だったと記憶しています。ガーデンの簡単な歴史、注意事項を話してくれたのですが、とても愉快な方でコメディアンみたいでした。私の通訳が彼の説明より長いとToo long!と言われます。そして最後に「ミュージアムには絶対に行かなければいけません。」と言われ???

そしてその理由が最後にわかりました。ガーデンを一通り見た後で立ち寄ったのですが、そこに農耕、園芸に昔使われた道具他が所狭しと並べられています。よく見ると珍しい物が沢山あります。




羊にはかせるゴムのブーツ、針と糸が入ったナニーのブローチ、手動掃除機、洗濯機・・・・

そしてゴードンさんが「ミュージアムには絶対に行かなければいけない。」と言ったのがよくわかりました。これらの品は実は全てゴードンさんが集めたものだったのです。




レジの中には古いお金が入っています。コインは1971年に10進法変わる前の大きなコインです。私がイギリスに来た頃の1ポンド紙幣もあります。ミュージアムの入場は無料なので、レジは使っていません。でもこのレジもちょっと変わりものです。

昔ロニー・バーカーというコメディアンがいました。当時のイギリス人なら誰でも知っている有名人ですが彼も相当な変わり者だったようで、50歳代後半でコメディアンを辞めてアンティークショップのオーナーになりました。でもいつもいつも赤字。それでも「これは趣味だから。それにこの年でスキーに行くよりは安全だし安いんだ。」と言っています。そのお店で使われていたものがこのレジです。決して立派とは言えません。むしろ安っぽいレジです。それをゴードンさんは150ポンドで買ったそうです。当時のレジ自体の価値からすると決して安い金額ではありません。

そのレジの後ろにはゴードンさんの写真が貼ってあります。その説明には「The Last Revolting Peasant」と書かれています。さてこれをどうやって訳すか? 意味は「社会の習慣や組織に従わず暮らす最後のお百姓」というような意味なのですが、ジョーク的に書かれています。




イギリス人は、こういうエキセントリックな人が好きみたいですが、私もこういう人に出会うと気持ちが明るくなって楽しくなります。

次回はゴードンさんに説明してもらいながらこのミュージアムにあるものをゆっくり時間をかけて見学したいと思います。