修道士カドフェル(Brother Cadfael)はエリス・ピーターズが12世紀のイギリスを舞台に書いた連作ミステリー小説です。彼はシュルーズブリーにある修道院(シュルーズブリー・アビー)で薬草ガーデンの管理を任されていますが、その知性、信仰心、薬草に関する専門知識などによって犯罪を解いていきます。
テレビのシリーズは1994年から1998年までドラマとなってイギリスで大人気。そのためのアトラクションもできて、私も数回お客様をご案内しました。修道院での暮らしを再現したものでしたが2001年に閉鎖されました。
イングリッシュローズの生みの親デイヴィッド・オースチンは「修道士カドフェル」というバラを作り、薔薇愛好家にはファンが多いのです。
シュルーズブリーはシュロプシャー州にあるマーケットタウンです。15~16世紀に建てられた白黒の建物(ハーフティンバー)を含む650件以上がリストに登録されています。(listed buildingsとは保存指定された建物)またチャールズ・ダーウィンが(進化論)生まれた町でもあります。
小説の舞台になっているシュルーズブリー修道院は、ウィリアム公爵のイグランド征服の際にやってきたロジャー・ドゥ・モンゴメリーが1083年に設立したベネディクト派の修道院です。ロジャーは、その後シュルーズブリー伯爵のタイトルとイングランド南部を含む広大な土地を与えられ、その財産は国内総生産の3%に及んだということですですから修道院の一個か二個は簡単に作れたと思うのですが、ここに埋葬されたという事実から、彼にとっても特別な場所であったことがうかがえます。
内部はノルマン建築の部分が多く残っています。
おっ!修道士カドフェルのステンドグラスがあるではありませんか!カドフェルの存在が小説の中とは言え、実際に舞台となった修道院にも感じられます。
ロジャー・ドゥ・モンゴメリーのお墓
Cadfaelの読み方ですが、英語読みは「カドフェル」、日本では「カドフィール」と発音されることが多いそうですが、実はこの名前はウェールズの名前。ウェールズでは「カドヴァイル」と読まれますが、作者によれば「カドヴェル」が正確な発音となっています。このブログでは英語読みを使うことにしました。
この日の朝は、ラグビー・ワールドカップで決勝戦が行われる日。朝早くからホテルのラウンジのテレビの前には人が集まっていました。
イングランドが南アフリカに負けたことを知ったので、その後のナショナルトラスト所有の館に行った時でした。館のスタッフもがっかり。訪問客と慰めあっていました。