そんな中、やっとセヴィルオレンジが店頭に出回り始めました。毎年ウェイトローズのオーガニックセヴィルオレンジと、やはりオーガニックのレモンを使います。年が明けたらすぐにお店に入荷したかどうかをチェック。今作っているマーマレードは、こうして手に入れた2回目のオレンジです。今年一年分のマーマレードを作るので、量も半端ではありません。
日本の方々からも「今マーマレードを作っています。」と、メールをいただきます。去年八幡浜町でダルメインのマーマレードアワードが開催され、日本でもマーマレードが見直されてきているようです。日本の柚子マーマレードは、こちらでも人気が出てきました。
2年連続してダルメインの館でのマーマレードアワードの審査をさせていただきましたが、今年は昨年ダブルゴールドを獲得された二宮さんがジャッジをされます。
セヴィルオレンジはイギリスではこの時期にしか手に入らないのが、私にとっては幸いです。
お天気のせいで気持ちが乗らない日でも家中オレンジの香りで満たされると幸せな気分になりますし、キッチンでラジオを聴きながらオレンジの皮をむく時は至福の時間です。皮をむきながら色々なことを考えます。普段は忙しすぎて、散歩の時以外あまり考えることがないのでこの時間は私にとっては大切な時間です。
マーマレードを作る際に一番気を付けなければいけないのは、皮の硬さ。お砂糖を入れる前にじっくり煮てやわらかくすることです。一旦お砂糖を入れてしまえば、いくら似ても柔らかくなることはありません。アワードのジャッジの際は、皮が固いのが大きな減点の対象となります。湯気で香りを逃さないように時間をかけてじっくり煮ます。
お砂糖がすっかり溶けたことを確認したら、一気に火力を強くして最終段階。
丁度良い硬さになったら火を止めて瓶につめます。この硬さのテストも(お皿にのせて冷ましてチェックする方法や、スプーンを持ち上げてそこから落ちるマーマレードの垂れ具合をみる方法など。私は後者のフレイクテストで確認)大切。慣れてくれば徐々にわかるようになります。万が一柔らかすぎたら、もう一度似なおしすればOK。煮すぎると、焦げたような飴の香りになりますから注意。
朝ご飯にホームメイドのマーマレードを気に入ったパンと一緒に。マーマレードがもたらしてくれる幸せなひと時です。
マーマレードを作っているうちにお天気も回復。一休みするために散歩に出かけました。
雨でどんよりの曇り空ばかりの日が続いたので、こういう日は自然と空に向かって手を伸ばしたい気持ちになります。お天気が気分にもたらす影響を今年ほど強く感じたことはありません。