1/02/2020

ヴィガニュアリー その1

2020年が幕を開けました。クリスマスに数日食べ続けていたご馳走ですがそろそろ通常の食生活に戻るこの時期、イギリスではヴィガニュアリーが(1月を指すジャニュアリーとヴィーガンを併せた)始まりました。

ヴィガニュアリーとは、2014年にヴィーガニズムをプロモートするためにイギリスの非営利団体が始めたイベントです。普段肉や魚を食べている人で菜食に切り替えるのが難しい人が、まずは1月だけ菜食生活を試すことを目的としたもので6年目の今年は193か国で35万人が参加していると言われています。普段この人たちが消費する肉は100万匹に値し、その家畜が発する温室ガスはロンドンとベルリンの間の飛行機45万回と同じだということですから、例え1月だけでも菜食することで地球環境に随分貢献したことになります。

昨日(元旦)の新聞には、多くの企業の幹部(ピザハット、マークス&スペンサーなど)がヴィガニュアリーに参加したという記事が載っていました。中には会社全体でヴィガニュアリーを試そうとう動きもあるそうです。(噂によれば、ローマ法王も参加しているということですが真偽はいかに?)




現在イギリスのヴィーガン人口は60万人と言われ、2014年から4倍に増えました。10年前は、レストランでも、食品店でもヴィーガン食を探すのが難しかったのが今はどうでしょう!買い物に行くたびにヴィーガンの文字をパッケージに掲げた食品が目につくようになり、マークス&スペンサーやウェイトローズなどヴィーガン専用のコーナーを設けているスーパーも出てきました。

私がヴィーガンになったのは、まずは動物を苦しめずに生きたいという願いからでした。それが、当時から関心のあった地球環境につながるという事実を知って更に関心が湧いてきました。更には結果的に健康にも良いということですから私自身にとってヴィーガンになること自体、自然の成り行きでした。それでも、人の生き方に干渉しないという定評のイギリス人から、「肉を食べない?なんて退屈な人間なんだろう!」と非難されたこともありました。でも、肉食に戻る気持ちは全くなく今に至っています。我が家の冷蔵庫、食品庫は全てヴィーガンのものです。

ソーセージ、チーズ・・・全部ヴィーガンです。



ヴィーガンのひき肉




ヴィーガンマヨネーズ





スーパーのテスコのヴィーガンチーズ




ヴィーガンのマーク。




ヴィーガンのチョコレートデザート




ヴィーガンのチョコレート




ヴィーガンのイースターエッグ




また少し前まではヴィーガンのワインはヴェジタリアンのレストランでしか見かけなかったのが、今はどんどん増えて近い将来はヴィーガンワインが主流になるだろうと言われています。ワイン、プロセッコはもちろんブドウから作られますが、澄んだワインにするために清澄剤が使われます。これが動物由来の材料でできているのです。

ヴィーガンのワインとプロセッコ




裏側にVのサインがあればヴィーガン。(上から3番目)




左から3番目。




日本でも最近ヴィーガン食が注目されてきたようです。雑誌社、新聞社、テレビ番組制作会社からお問い合わせをいただくこともあります。

今までの食生活を急に変えることは、多くの人にとって難しいことです。それならばせめて1月だけヴィーガン食を試してみてはどうでしょう?それも難しいと思う方は1週間だけでも試す価値はあると思います。または週に一回から始めては?多くの人が「思ったより簡単」と言っていますよ。

ただし、ヴィーガンの人が気を付けなければいけない健康管理があります。肉に含まれるビタミンB12が不足になりがちです。ビタミンB12を含む食品は、イーストなどがあり、イーストを含むマーマイトは私は毎日食べてます。植物ミルク(豆乳、アーモンドミルク、オートミルクなど)やシリアルにもB12を強化したものが多いのですが、日本では毎日手に入れることは難しいかもしれません。乾燥シイタケなどがいいのですが、十分摂れているか心配な方にはB12のサプリメントをお勧めします。