完全に自宅待機を始めてから2か月以上経ちました。その間色んなことを考え、私の人生観も随分変わりました。そして益々自然の大切さを思い、自然から受ける大きなエネルギーを発見しました。外の空気を吸うことができること自体感謝です。人は、普段の生活に制限が出た時だけにその有難さを知るという情けない生き物です。特に私の場合は今それをしみじみと感じています。食べ物にしても、レストランやテイクアウトができない今、なるべく自分で作るようになりました。貴重な食料はできるだけ無駄にしないで使い切るようになりました。
イギリスはコロナウィルス感染者の数は減っているとは言え、まだまだ油断はできない状態です。首相官邸からの記者会見をテレビで観ることは日課の一つになりました。とにかく自分でウィルスから身を守ること、万が一感染していたとしても他の人にうつさないようにすることしかありません。
そんな中で先日、散歩コースでいつも見かける木の葉の先が真っ黒になっていることに気が付きました。最初は誰かが、木の下でバーベキューでもしたのかと思いましたが、大きな木の裏側にも同じような焦げたような葉が見えました。咄嗟にダッチ・エルム病を(日本語ではニレ立枯病)思い出しました。
ルビーの背後に立つ木がその木です。
1970年代に、木の感染病であるニレ立枯病が大流行した際にイギリスでは2500万本、フランスではニレ全体の97%が死に絶えてしまいました。私が見た木はニレではなくトネリコの木でしたが、それでももし感染病だったら大変です。早速植物学者と私が呼んでいる友人に連絡したところ、「最近霜が降りた?もしそうだったら心配はないけど、もしかしたらトネリコのダイバックという病気かもしれない。そうだとしたら大変なので、一応ウッドランド・トラストに(Woodland Trust)写真を送ってみては?」と勧められ、さっそくメールをしたところ、すぐに返事がきました。写真から判断するには霜による(または寒さによる)変色とのことでした。一応9月まで様子を見て、また連絡するようにと。ほっとしました。
こんなに早く(数時間後でした)、返事が来るとは思ってもいませんでした。返事を下さった方他、ウッドランド・トラストスタッフは全て自宅から仕事をしているとのこと。
今年は、植物が特に綺麗に感じます。それは、私が単にそう感じるだけなのか、又は気候のせいか、または車が通らない今、排気ガスの量もぐんと減って公害もゼロに近くなっているからか・・・・・理由はわかりませんが、イギリス中にあるサンザシの花も我先にと鮮やかな色を見せてくれています。
そろそろ薔薇も咲き始め、さ花々の賑やかさが増してくる季節です。ロックダウンが徐々に解除されたとはいえ、今までの反動で大勢の人たちが一挙に外出し始めないことを祈る毎日です。