今年はちょうど75周年の年に当たり、あちこちの住宅街でストリートパーティが行われると言われていました。それもコロナの影響でキャンセルになっているところも多いとか。
日本人であり、日本国籍をいまだに維持している私にとっては以前はこの日は複雑な気持ちでした。幼い時から両親から聞かされていた戦争の悲惨さ、国のためと信じて亡くなっていった人たちに対して、戦勝国であるイギリスで日本人の私がお祝いすることに後ろめたさを感じていたことは確かです。
昨日、近所の回覧板であるリン(実際に回覧板などは存在しないのですが、何かあると近所同士をまとめてくれるので失礼ながらこう呼ばせていただきます。)がやって来ました。
「明後日はVE Dayだから、家の前に椅子を持ってきて一緒にお茶を飲みながらお祝いしましょう。ただし、最低2メートルの間隔を保つこと。お茶は自分で淹れて。お菓子も食べたかったら自分で用意してね。」
主人は早速ガレージからユニオンジャックのバンティングを取り出してきました。
今の私の気持は、VE Day も VJ Day も勝ち負けではなく、戦争が終わったことに意義があるということ。国のためと思って亡くなった方たちのことも忘れないようにしなければいけません。イギリスではどんなに小さな町にも、そして村にも戦争の記念碑があります。日本にそれがないのが悲しく思われます。戦争は実際に起こったし、今でも起こっている実態です。戦争の虚しさをこれからの人たちに伝えていくことは、今生きている人たちの義務だと思います。
命を懸けて戦争に行った人々が、コロナの前線で働くイギリスのNHS(国民医療機関)の人たちと重複して浮かんできます。今日は木曜日。8時になったら国中の人たちがNHSで働く人を含め、配達人や清掃者に拍手を送る日です。