12/29/2014

クリスマスとお正月の間

クリスマスが終わり、お正月までの期間はいつも複雑な気持ちで迎えます。一年のうちで一番日本を思う時です。「○○は今頃おせち料理つくりの毎日だろうな」とか、デパートの地下のあの活気、お正月の匂い.....イギリスではクリスマスは家族、親せき、友人達ととても楽しいひと時を過ごし、27日ともなるとそれが一気に終わるので、余計日本の年末の賑わいが懐かしくなるのかもしれません。

イギリスでは25日、26日がクリスマスの山場です。26日は息子夫婦と愛犬を伴って友人宅に行きました。彼らも夫婦二人の生活です。そこにひとり知らない人がいました。近くに住むひとり住まいの70歳くらいの男性です。初めて会う人でした。クリスマス近くになればラジオでよく聴かれるのがあるチャリティの宣伝です。「クリスマスをひとりで過ごさなければいけない人が楽しいクリスマスを迎えられるように募金をお願いします」というもの。

イギリスでは、「クリスマスをひとりで過ごす」ことがとても淋しいことに思われています。一年のうちで一番家族が集まる日ですものね。新聞にも、ある未亡人がそういう人たちをパブのクリスマスディナーに招待するために1000ポンド匿名で寄付をしたとありました。(結局は名前が知れてしまいましたが、今度は他の人たちが同じ目的で募金活動を始め、全国規模になったようです。)

友人は犬2匹、カメ4匹飼っています。クリスマスディナーを食べた後、クイズゲームなどをして一日を過ごしましたが、その合間に私はカメに見とれていました。一匹は私と同じくらいの年、もう3匹は30才くらいでしょうか。



言うまでもなく、動きは本当にのろいです。ただ一匹の子亀は行動派。他の亀の甲羅に登ろうと必死です。親ガメは眼だけ動かして、まるで子ガメの行動を見張っているようにだまって同じ場所に座っています。




じっと見ていて考えました。この親ガメは私と同じくらい長く生きていて、今まで動いた範囲を線にするとどのくらいの距離になるのかな?って。でも、目を見ると周りで何が起こっているかを全て知っているように思えます。ついつい自分と比較してしまいました。いつも走って生きているような私です。考える前に行動してしまうこともしょっちゅうです。一体、自分の周りの事をどのくらい見て生きているかなー?

でもこの年になったら、走る速度を下げて、もっと周りを見ながら生きて行こうと、カメを見ながら思いました。私たちはあと2年くらいしたらロンドンを離れて田舎暮らしをする予定です。完全に退職する気はありませんが、少しだけ方向を変えてもいいかなー?と思い始めています。

これからお正月までの期間、日本のことを懐かしむことだけではなくあの亀のようにじっくり物事を考える期間にあてようと思います。