最近では‘ダウントンアビー’が絶大な人気を博しました。今、イギリスでは最終回のエピソードを放映中です。そしてついこの間日本で始まった‘刑事フォイル’(1月18日のブログ「フォイルズ.ウォー」をご覧ください)、そして数日前に始まった‘グランチェスター’(2014年11月25日のブログ「‘ダウントン.アビー’と‘グランチェスター’)というドラマも人気が出ることでしょう。
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/foyle/
http://mystery.co.jp/osusume/201510.html
イギリスのドラマが人気な理由はもちろん内容もありますが、ドラマに映し出される建物、風景が素晴らしいことにもあると思います。イギリスは風景、建物の保存、保護に大変力を入れています。時代物のドラマや映画も特別なセットを作る必要がなく、既存する建物をそのまま使えばいいのですから。
今回のツアーで訪れたヘイスティングズの町はニュータウンとオールドタウンがあります。特にオールドタウンは昔ながらの建物が立ち並び、散歩するのが楽しい地域です。
今回ヘイスティングズを訪れた際にはオールドタウンにある‘刑事フォイル’縁の地域にも行きました。
海岸からフォイルの家に続くクロフト通りです。
フォイルの家が左手に見えてきました。
ここがフォイルの家。秘書兼運転手の女性サムがフォイルを迎えに来る時に車を停めた場所はこの辺りです。‘駐車禁止’を示す二本線‘ダブル.イエローライン’の黄色の線が見えます。でもこの制度は1960年代に始まったものですから、戦時中にはなかったもの。ドラマの中ではもちろんこの線が画面に出ないように工夫しています。
今にも家の黒いドアが開いてフォイルがサムの車に乗り込む場面が目に浮かびます。
今にも家の黒いドアが開いてフォイルがサムの車に乗り込む場面が目に浮かびます。
家のすぐ近くのこの路地でも撮影が行われたと、フォイルファンのお客様におしえていただきました。
サムの車に乗ったフォイルが頻繁に通る‘スワンテラス’という道です。実はこの道沿いを進んですぐ右側にメモリアルガーデンがあります。昔ここにあった居酒屋は戦時中にドイツ軍による爆撃で壊滅、16名の人が亡くなりました。今はそこは亡くなった人たちのメモリアルガーデンになっているのですが、ドラマが設定された時はまだこのガーデンは作られていませんでした。撮影時にはメモリアルガーデンの標識を画面に入れないように気を遣ったとか。
左側の石塀の中は聖クレメントという教会が建っています。ここはウィリアム.モリスの友人で妻ジェインの恋人だった画家ダンテ.ガブリエル.ロゼッティが画家であり恋人であったエリザベス.スィダルと波乱に満ちた10年近くの歳月の後、やっと結婚式を挙げた教会です。麻薬に冒され、健康を害していたエリザベス.スィダルが医者に勧められてヘイスティングズに来ていた時のこと。彼女の死が近づいたことを悟ったロゼッティがやっと結婚を決意し、急いで式を挙げた教会です。
ヘイスティングズの近くにあるセント.レナードの町にあるロイヤル.ヴィクトリアホテルにも立ち寄ったのですが、正面と裏の玄関のどちらが撮影に使われたか、ツアーの中の誰も確証はありません。ヴィクトリア女王も泊まったというこのホテルは正面が立派ですが、以前は裏門が正面だったと運転手さんが話してくれました。裏のほうがフォイルズのドラマには合っている気がしますが.....
正面
裏
‘刑事フォイル’が日本で人気が出てきているとおしえてくださったのはお客様です。そういうお客様からの情報が私たちガイドにとって大変貴重です。
私が日本に行っている間に録音してもらっていたテレビドラマが沢山ありました。これもいつかは日本の方々の興味につながると思えば、益々観る時に力が入ります。