どの方角から町に入っても、まず一番最初に目につくのはグラストンブリー・トー(ル)です。上に建つ塔まで登ることができます。
伝説によれば、アリマテアのジョーゼフ(聖母メアリー、またキリストの叔父という説もある)は、キリストの体を十字架から降ろし、リネンにくるんでお墓まで運んだ人で、キリストの血を受け止めた聖杯を(キリストが最後の晩餐に使った杯と同じものと思われる)ブリテン島まで持ってきた人です。
そしてこのトーのふもとに聖杯を埋めた(あるいは後でご紹介するチャリス・ウェルに放り込んだ)という伝説があるのです。
何故ブリテン島なの?と思われるかもしれませんが、アリマテアのヨセフはコーンウォールの錫鉱山で働く人たちに錫の精錬の技術を教えに来ていたからです。このために、彼は幼いイエスをブリテン島に連れてきたことがあるとさえ言われます。
彼は、現在廃墟となっているグラストンブリー修道院のある場所に、ブリテン島で最初の教会を建てたのでした。
その修道院はグラストンブリー・アビーと呼ばれ伝説の王アーサー王のお墓があったとされる場所です。中世はかなり大きな修道院でイングランドでは中心的存在 の僧院でしたが、16世紀にヘンリー8世の行った修道院崩壊で今は完全な廃墟になっています。
中世の格好をして説明してくれたガイドは素晴らしかったです。きっと俳優さんなのでしょう。完全に引き込まれてしまいました。
昔、アーサー王と妻のグエネヴィアが葬られていたというお墓の跡で。
チャリスウェルは、いつ頃から人が集まってきたかわからないほど古いもので、ここから湧き出るお水の周りの石が赤いことからキリストの血を思わせる(聖杯が埋まっているためとも)ことから、昔から巡礼者が後を絶ちません。
ここで湧き出る泉は一か所のみ、飲むことができます。
私も、もちろん試さないわけにはいきません。鉄分を多く含んでいるので、おいしいとは言えませんが、けっこう飲めます。キリストの血と思うと、なんだか体が綺麗になった気持ち。チャリス・ウェルのロゴが描かれた瓶は売店で購入できます。
ジョン・レノンが「イマジン」の作詞を考えたとされる天使のベンチ。(証拠はないようですが)
伝説は信じないという人でも グラストンブリー・ゾーディアック(The Glastonbury Zodiac)に接する機会があれば、驚かれるかも? グラストンブリーを中心に20キロメートルくらいの円を描いたとき、その地形(畑、川、道路など)が12の星座の形をしているのです。偶然にしてはあまりに・・・・・
チャリス・ウェルの蓋に描かれたデザインは(ヴェシカ・パイシスという二つの円が交差し、その中心をアーサー王の剣が通過)正反対の現象を(内なるものと外なるものなど)表し、物質的な満足度より精神的な満足を求めてやってくるニュー・エイジ人(New Age People)に人気です。
次は、イギリス最古の人骨が発見された洞窟、そこで熟成されるチーズを見るためにチェダーを訪問した時のことをの報告をします。