5/19/2019

切腹してまで守りたかった島 ~ セント・マイケルズ・マウント

伝説が真実に聞こえるから不思議です。場所はセント・マイケルズ・マウント。潮の満ち引きによって離れ小島になったり本土とくっついたりするこの島は(一応ここでは島と呼ぶことにします)、アングロサクソン時代からキリスト教の僧院があったという説もありますが、ここに教会を建てたのはフランスのモン・サン=ミシェルの僧院長でした。




干潮時には歩いていきますが満潮時には歩道は水で覆われますので、ボートで。




それがフランスとの戦争などで、徐々にイングランドの所有となっていきます。1640年にセント・オービン家が島全体を購入、1954年にナショナル・トラストに寄贈しますが、その際に保持した999年のリースにより、ここには現在でもセント・オービン 家の人たちが住んでいるのです。
















上から下の庭を眺めました。一般公開されていますので、時間があれば散歩もできます。



ところで、最初にお話しした伝説です。島に建物ができるずっと前のこと。 岩の頂上にあった洞窟にコームランという悪い巨人が住んでいました。時々島から本土にやってきては、空腹を満たすために鶏などの家畜、そして時には子供でさえ捕まえて食べていました。そこに登場したのがジャックという少年です。ある日、潮が退いたときにジャックは島にやってきて、深い穴を掘りました(現在ではその穴は井戸になっています)。そして上に小枝や木の葉をかぶせて入り口をふさぎます。朝になってジャックに無理やり起こされた巨人は、寝ぼけ眼でジャックを捕まえようと後を追った際に、穴に気が付かず落ちてしまいます。

その巨人の心臓と言われているのが少し行ったところにあります!とても小さな心臓でした。




さて、今日の題の「切腹」の話です。ここで私は初めてイギリス人の切腹のことを知りました。(実際には切ったのはお腹ではなかったかもしれないので、切腹とは言えないかも?でもとにかく自分で体のどこかを切って自害するという意味)
昔のイングランドにおけるキリスト教の法律では 、自害した場合は生前の主張が存続することになっていたようです。12世紀末、ここの城主はリチャード1世に島を引き渡すことを拒否して切腹。モン・サン=ミシェルに贈与することを含む遺書は有効だったようです。

それほどこの島が特別だったのでしょう。私にはよくわかります。この島は特別。

ところで、モン・サン=ミシェルは はオムレツで有名だそうです。ではセント・マイケルズ・マウントも何か・・・・・でも見当たりません。名物を作ったらいいのに・・・・と私を含む日本人だったら思いますよね。でも、美味しいものでなくてはなりません。そして、ここでしか手に入らないものでなくてはなりません。

しばらく考えました。リタイヤーしたらここでキッシュを売ろうかしら?自慢じゃないですけど、私のキッシュ、ちょっと美味しいんです。(あらっ、自慢かしら?)もちろん卵を使わないヴィーガンキッシュです。