9/03/2019

旅行中のヴィーガン食。

ブレグジットで揺れに揺れているイギリスです。国内は分裂状態、議会は滅茶苦茶。「合意なき離脱」に反対する人が大きく声を上げて、保守党議員が辞職しています。心配は益々大きくなるばかりです。多くのイギリス人は、うんざりしています。ブレグジット反対派でさえ、「どっちになってもいいから早く片付けて!」という投げやりな心境に陥っています。ポンドは下がる一方(外国からの旅行者にとってはうれしいことですが)。

そんな中で、今日はブレグジットとは関係なく、お客様からのお問い合わせも徐々に聞かれるようになったイギリスへの旅行中でのヴィーガン食のことをお話しします。

最近は日本でも「ヴィーガン」という言葉が聞かれるようになって来たそうですね。

ヴェジタリアンと混同してしまう方がいらっしゃるので簡単に説明しますと、ヴェジタリアンはお肉、お魚は食べませんが卵、乳製品は食べます。一方ヴィーガンは動物性のものは一切食べません。ですから卵、バター、チーズの他、ハチミツも食べません。

日本食の場合、カツオ節がダシに使われていることが多く、またおせんべいにさえカツオやチキンダシが使われていることがあるので、ヴィーガンにとって日本食を食べる際は特に気を遣います。

イギリスではMeat Free(お肉を使わない食品)が急激に増えていて、ヴィーガン食の人気もうなぎのぼりです。大手スーパーではヴィーガンコーナーが設けられていますし、サンドイッチコーナーには必ずと言っていいくらいヴィーガン用のものが置かれています。

ただし、こういったヴィーガン食を買う人の98%はヴィーガンではない人、つまりお肉も食べますが時には健康、動物愛護、地球環境を考えMeat Freeの食品も食べるという人です。


アイスランド(冷凍職専門店)のヴィーガンコーナー。特にチキンが美味しいのでよく使います。





スーパーに並ぶヴィーガン用のサンドイッチ。





イギリスではどんなレストランでもヴェジタリアン用の料理はありますが、ヴィーガン用のメニューを用意しているところも徐々に増えてきています。また予約時に言っておけば当日ヴィーガン料理を提供してくれるレストランも多くなりました。(メニューにGFと書かれていればグルーテンを含まない料理、Vと書かれていればヴェジタリアン用、VG書かれていればヴィーガン用という場合が多いのですが、何も書かれていないメニューもありますので、その場合はお店の人に聞いてください。)






私の場合、ツアーでホテルやレストランが予約されている場合は、必ず予めお客様とは違う「ヴィーガン料理」をお願いします。今までに断られたことはほとんどありません。(覚えている限りでは一件のみ。)ツアーの場合は、できれば前もってお客様に日常食のこと、アレルギーのこと、どうしても嫌いで食べられないものをお聞きし、予約時に確認します。ただし、その場合はシェフにお任せしますので当日まで何が出されるかわかりません。

ツアー中にp客様が体調を崩されたり、お肉がいやになった場合は数日前にレストランに連絡しますが、これもほとんどの場合OKです。一名くらいですと当日でも受けてくれるところが多いです。

そこで今日から数回、イギリスで旅行中のホテル、レストランでのヴィーガンフードの写真を紹介させていただきます。今日はまず朝食です。

イングリッシュ・ブレックファーストはご存知のように卵、ベイコン、ソーセージ、トマト、マッシュルームが基本です。ヴィーガンのイングリッシュブレックファーストの場合、ソーセージは大豆で出来たもの、又はグランモーガン・ソーセージ(昔からあったソーセージでマッシュポテトと野菜でできたソーセージ)が代わりに出てくることがあります。ベイクトビーンズはイギリスの伝統食でほとんど100%缶詰です。


グランモーガン・ソーセージ(ポテト)にハッシュブラウン(ポテト)、ソテーされたポテト、トマト、マッシュルーム、ベイクト・ビーンズのイングリッシュ・ブレックファースト。ポテトばかりで飽きてしまいましたが、シェフの気持ちには感謝。




大豆でできたソーセージは、食感もしっかりしています。この場合、このホテル独特のアボカドのマッシュが添えられていました。







予約時に「ヴィーガンブレックファースト?もちろんできますよ。」と言われて安心していたら・・・・・なんと通常のイングリッシュブレックファーストから動物性のものを除いただけのコレでした・・・・なんだか騙されたような気持ち。・・・・




サツマイモをソテーしたものはサフォークのホテルで出されました。




スコットランドでシェフが特別に作ってくれたほうれん草がたっぷり載った朝食。朝からまるでポパイのように元気になった気持ち・・・




ヨークのホテルでクロワッサンやデイにッシュ・ペイストリーの代わりに用意してくれたヴィーガン、グルーテンフリーのシリアルとブレックファーストバー。




牛乳の代わりに豆乳、アーモンドミルク。



自分で好きなものを入れて作るミューミューズリ(シリアルの一種)もヴィーガンにはうれしいもの。








ハチミツの代わりに用意されたゴールデンシロップや、アガヴェシロップ(海藻でできた甘いシロップ)。




お豆腐で作られたスクランブルエッグは野菜もたっぷり。お豆を使ったシチューと一緒に朝からボリュームのあるお食事でした。




イングリッシュブレックファーストはイギリスの朝食の定番と考えられています。でも実際、毎日食べていたら体にも良くないと思います。ほとんどのイギリス人はホリデーに出かけた時か、何か特別な日でなければ家庭ではイングリッシュブレックファーストは食べません。ヴィーガンのイングリッシュブレックファーストも同じです。私も家庭では食べません。我が家ではソーセージはあくまで夕食の一部です。

私の朝食はホームメイドのスムージーとミューズリ、牛乳以外のミルク(アーモンドミルク、またはオートミルク)と植物性ヨーグルト、それにマーマレード、マーマイトを塗ったトーストです。ミューズリには数々のナッツ、種、ドライフルーツ、フレッシュフルーツを入れます。家にいる時は朝食で栄養をしっかり摂って、後はあまり栄養のことは考えずに簡単で美味しいものを食べています。時にはジャンクフードも食べます。

次回はヴィーガンの昼食です。