12/05/2019
ラストクリスマス
映画「ラストクリスマス」を観てきました。最近数本の映画を観ましたが、久しぶりに大いに見甲斐があった映画でした。 https://lastchristmas-movie.jp/
1980年代に活躍した二人の男性シンガー・ソング・ライターのグループ‛ワム’の「ラストクリスマス」は、今ではクリスマスの時期の定番曲になり、この映画の主題歌になっています。
映画の内容は、若いカップルのロマンチックコメディです。エルフとしてクリスマスショップで働くケイトは決して幸せな人生を送っていませんでした。そこにトムが現れ、どん底にいたケイトを助けるという筋です。でも、二人は最後は一緒になることができませんでした。何故?
映画に映されるクリスマス時のロンドンの美しさもさることながら、心の持ちようで人生は楽しくなること、そして人々が助け合うことによって更に楽しさが増していくこと、また多国籍の人々が集まるロンドンでの移民の暮らしや同性愛者の社会的位置や考えが表されていて話は深いところに入っていきそうです。でも軽いタッチで描かれているので深刻になり過ぎることはありません。(ブレグジットやテロ事件、一週間後に迫った総選挙で攻撃的で暗いムードが漂う今の英国には適度の刺激と息抜きです)
「ゲイム・オヴ・スローン」で一躍有名になったエミリア・クラークは「どこにでもいる普通の女の子」役を見事にこなしていました。
そして、最後にサプライズが。みんなで歌を歌っている中になんとワムの一人が映っているではないですか!もうひとりのジョージ・マイケルは2016年のクリスマスの日に亡くなっています。この映画のプロデューサーであり、ケイトの母親役を演じるエマ・トンプソンのご主人で俳優のグレッグ・ワイズも映っていたそうですが、私は見逃してしまいました。
私にとって意外だったことがあります。実は今、デンマークのドラマ「ボーゲン」に夢中になっています。BBCで随分前に放映されたのですが、エピソードが30もあるので、ミスしてしまうこともあり全ては見ていませんでした。それで今、DVDで一日に平均3エピソードを観ています。(シーズン1&2の邦題は「コペンハーゲン/首相の決断」、シリーズ3は「コペンハーゲン」で日本では2013年、2015年、2016年にスーパー!ドラマTVで放送された)
http://www.lgmi.jp/detail.php?id=878
この中で、悪役になっている元労働党主で、今は(私が現在見ている16番目のエピソード以前では)新聞社の編集長をしている俳優が、ラストクリスマスではケイトが働くクリスマスショップのオーナーとお互いに一目ぼれする男性役になっています。あのずる賢いボーゲンの役から今度は、ビジネスのことしか興味が無いように思われるこの女性オーナーに夢を与える役です。同じ俳優なのに、そしてつい数時間前に見たボーゲンでは見るからに悪そうな顔をしているのに、この映画では優しく見えるから不思議です。
映画は、見る前と見た後で気分を変えます。優しい気分になったり、なんかもやもやしていやーな気分になったり。ラストクリスマスを観た後は、心が温まりました。クリスマスの真の意味を再び考えさせられる映画でした。