12/09/2019

ジョージ・スタッブズ展

「ジョージ・スタッブズ展」を観るために、我が家から一番近い都会のミルトンキーンズにあるギャラリーに行ってきました。特に馬の絵で有名な画家ですが、国立美術館に行かれた方は彼の代表作である「ウィッスルジャケット」の巨大な絵を覚えていらっしゃるかもしれません。




ジョージ・スタッブズは1724年にリヴァプールで生まれた画家ですが、解剖学に興味を持ち、「馬の解剖術」の本を出版します。絵は独学で学んだようですが、当時活躍していたゲインズボローや、レイノルズに影響を受けながら特に動物の絵画を習得していきます。





これほどまでに動物を写実的に描いた画家も少なく、それも解剖学に取り組んだ成果でしょう。正に動物の肖像画家といった感じです。








陶器で有名なジョサイア・ウェッジウッドとその家族の絵。




インドの総督であったピゴット卿が、インドより持ち帰ったチータに牡鹿を襲うよう仕向けている従者。実際は牡鹿の角で攻撃されたチータは攻撃をあきらめたようです。





現在のサラブレッドの95%が血統を受け継いでいると言われるエクリプス。





エクリプスとは日食を意味し、この馬が1764年の4月1日の日食に生まれたことに由来するとか。負けたことがなく、ついには他の馬のオーナーがエクリプスとレースをするのを拒んだために引退したそうですが、その後は種馬として活躍したそうです。

亡くなった後、エクリプスの体は解剖されました。この時に関わった人たちがロンドンに獣医大学を作るのですが、これが有名な現在の王立獣医大学(Royal Veterinary College)の前身です。

エクリプスのスケルトン。




皇太子が(後のジョージ4世)特に好んだ馬2頭。




手前の馬が、なんとなく宙に浮いた感じで変な絵だなーと思っていたら、乗馬好きの友人が「当時は写真がまだ発明されていなくて、走っている馬の瞬間をとらえるのが難しかった。」と説明してくれました。なるほどー。まるで木馬のようです。

    やはり皇太子時代のジョージ4世の馬。馬のお尻に皇太子の象徴が見えます。









こんなに素晴らしい絵画展が、ロンドンではなくミルトンキーンズに来たというのが不思議ではありますが、とてもうれしいことです。友人はわざわざスコットランドに近いイギリス北部から前売り券を予約してきたくらいですから、大変な熱の入りようでした。