4/28/2019

コリングウッド・イングラム ・・・英国人桜守

友人が、「Cherry Ingram]という本をプレゼントしてくれました。イギリスの桜守のことを書いた本です。この友人は、イギリスで庭に関するレクチャーをしていて日本の桜にとても興味を持っている人ですが、私は最近偶然にもテレビのガーデンの番組で、イングラムのことを知りました。

http://www.news-digest.co.uk/news/features/15355-collingwood-ingram.html


イングラムは鳥類学者でしたが桜に興味を持ち、日本を数回訪れているうちに 多くの桜の品種が絶滅の危機に瀕していることを嘆き、当時桜に興味を持っていた日本の皇室、有力財界人などに訴えています。そして自らイギリスの自宅に桜のコレクションを作りました。それは500本にものぼったそうです。その中でも「太白(Taihaku)」という桜はすでに日本では絶滅した品種で、これをイングラムは日本に里帰りさせたのです。そのおかげで日本では「太白」が蘇りました。




イギリスでも王立園芸協会主催のショーに出展したり、桜を広めた人でもあります。次第に彼は「チェリー・イングラム」と呼ばれるようになり、桜の権威者として有名になっていきます。現在イギリスにこんなに沢山の桜の種類があるのは、正に彼のおかげに他ならないのです。

そこで、早速私は我が家から車で15分くらいの範囲にある桜を鑑賞しに行きました。そうしたらあるはあるは・・・・・今までは「一重か八重か?」「白かピンクか?」くらいしか考えていなかった私は、良く見ると全部違う種類であることに気が付いたのです。












Tescoのスーパーマーケットには桜の並木道ができていました。




車でちょっと走っただけで、こんなに多くの種類があるのですから驚きです。もちろんここでご紹介する桜以外にも、沢山ありました。これもイングラムの功績だったのです。

そしてウィンザー城にも。

上のリンクからの抜粋です。

『捕虜問題が日英間で大きな政治問題となった1990年代、北海道の桜守、浅利政俊氏の創った新しい「松前桜」が和解に向けてひと役買うことになった。浅利氏は北海道で長年、地道に捕虜の和解問題に取り組み、市民運動を続けてきた経験があり、日本の過去への償いの意を込めて1993年、ウィンザー城の庭園に58種類の松前桜を贈った。「日本軍の行為の犠牲になった方々とその家族に哀悼の意を表したい。新しい日英間の友好関係構築のためにこの桜を大切に育ててほしい」との手紙を添えて。』

函館に育った私は松前桜がこのような役割をしていたかにすごく興味を持ちましたが、ウィンザー城で何度も見かけた 桜が松前桜の親戚だったとは!

是非松前町のホームページをご覧ください。
https://www.pr-table.com/matsumae/stories/600


そしてまたまた偶然にも、函館の妹から今朝、函館でお花見をしている写真が届きました。きっと五稜郭公園の桜なのでしょう。

今朝は桜を通して日本とイギリスが 繋がって、うれしい気分です。

4/21/2019

イースターホリデー

日本では今年のゴールデンウィークは10連休だそうで、長い休暇を心待ちにしていらっしゃることでしょう。

今の時期はイギリスでもイースターホリデーの真っ最中。それはキリストが十字架にかかった金曜に始まり、日曜の復活、その翌日の月曜までの4日間の短いホリデーです。イギリスでは皆一緒に休むナショナルホリデーは少ないのですが、個人の事情に合わせてとる休暇が多いので、4日間でも十分なのでしょう。

 イースターのシンボルと言えば、卵、ウサギ、そしてチョコレート。 卵は新しい生命を表しキリストの復活を意味します。昔は卵に色を塗ったり、絵を描いたりしてプレゼントにしました。ウサギはどうでしょう? そこには色々な説がありますが、子供を沢山産むことから命の始まりを思わせます。またイースターに卵を運ぶのがウサギだそうで、これはドイツからアメリカに渡った移民が作った習慣とか。で、チョコレートは卵の代わり。まんまとビジネスに載せられた感じです。

それで、今の時期、スーパーに行けばチョコレートのイースターエッグが山積みにされています。



 イギリスでチョコレートのイースターエッグと言えばキャドバリーのクリームエッグ。




 チャリティのためのイースターエッグもあります。




イースターのチョコレートエッグと言えば卵の形ですが例外が一つ。 
それはウサギのチョコレートです。




先日は、卵から孵ったひよこが。




さて、2017年4月のブログに(13日&16日)イースターについて書きました。13日の記事は、キリストが十字架にかけられて亡くなった日が何故Good Fridayか?ということについてでした。決して良い日ではないじゃないですか?・・・と色々調べた結果を書いたのです。

この時期、テレビではキリスト教に関する番組が(特にGood Friday)多いのですが、先日ヨーク司教がインタビューされた際、やはり同じ質問が出ていました。何故Goodなの?と。

これに対し、ヨーク司教は、「キリストは死んだがここで素晴らしいことが起った。彼はここで全ての人の罪を背負い、神のところに召された。東方正教会では、この日をGreat Fridayと呼ぶくらいだ。」と答えていました。

考えれば考えるほど、そうだなーと思います。キリストにとって、全ての人に対する愛を表現できる時、そして神のもとに召される時です。物事はいろんな方向から見ることが大切でありことを改めて感じました。

とは言っても、キリストでさえ十字架の上では迷いがあったかもしれません。それはキリストが最後に言った7つの言葉のひとつからもうかがえます。

『 わが神、わが神、どうして私を見捨てられたのですか。』

そして、7つのうちの最後の言葉は

『 父よ、私の霊をあなたの手にまかせます。』

こうして死んでいったキリストが復活するのは日曜です。クリスチャンにとっては一年で一番大事な日と言えるでしょう。

今年のイースターホリデーは、真夏のような天気が続くとか。昨日は今年になって初めて庭に出て食事をしました。

4/18/2019

野生動物レスキューセンター

おしっこをしに庭に出たジャスパーが、口に何かトゲのある物体を加えています。近寄ってみると、それはハリネズミでした。パニックになって「放しなさい!」と言ってもジャスパーは知らんふり。これはジャスパーにショックを与えるしかないと思い、胴体が大きい割には臆病のジャスパーに向って大声を出したら成功。びっくりしたジャスパーは口からハリネズミを離したのでした。







動かしては返っていけないと思い、そのままにしていたところ、自力で静かな場所に移動したようです。でもジャスパーのおやつをあげても食べないし、そのまま動かなくなってしまいました。



結局、動物好きで庭は工夫しながら野生動物にフレンドリーにしているお隣さんのロジャーを呼びました。彼はハリネズミを段ボールの箱に入れて野生動物レスキューセンターに連れて行ってくれました。

さて、そのレスキューセンターですが、我が家から車で30分ほどのエイルズブリー郊外にあるティギーウィンクルズTiggywinklesという野生動物専門のレスキューセンターです。365日一年中怪我や病気の野生動物を無料で引き取り、治療してくれます。治療後は再び野生に戻すのですが、戻すことができない動物は一生レスキューセンターで過ごします。








1978年にスー&レズ・ストッカー夫妻と息子のコリン・ストッカーによって設立されたティギーウィンクルズは、政府からの支援は全く受けていなくて全てドネーション、訪問客の入場料などで賄われています。





窓越しに昼寝中の狐が見えました。すっかり安心しきって眠っている様子に、こちらも癒されます。



ハリネズミの生態を説明するスタッフ。







ティギーウィンクルズに住む動物には絶対に触ったり食べ物をあげたりすることはできません。






Tiggywinklesには子供の遊び場他、シンプルなティーショップ、資料館などがある他、レクチャーやツアーなども行っています。私が行ったときは家族連れの人たちが沢山来ていました。

動物園など不自然な環境で動物を見るのではなく、いつかは野生に戻すことを目的としたレスキューセンターで動物に接することは、子供たち、もちろん大人もが野生動植物や、自然環境を学ぶのに理想的な方法でしょう。

https://www.sttiggywinkles.org.uk/

4/15/2019

元気丸ライブ終了。

昨日、元気丸の公演があり、開始時間が迫ると私もドキドキ。イギリスにいる家族にメールをして、その時間は皆でエネルギーを集中して祈っていました。

お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

元気丸からのお礼をコピーします。


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取り急ぎ!ほんと取り急ぎですが、、!!

本日の単独ライブお越しの皆々様!まことにありがとうございました!片付けや打ち上げなどありで、いま帰りの電車で打ってます、、!!!

まじで、一瞬立ち見が出るほどの大入りでした!ほんとうに支えてくれるみなさまのありがたさが身にしみました!
皆様のためにも、しっかり面白い漫才師になります!!!
支えてくれたスタッフ様、激励に来てくれた先輩との写真です!
ほんとにありがとうございました!

清水建設の、『いつかきっとできるよね♫』聞きながら今日は泣きます!!

4/14/2019

ファーマーズマーケット

最近は日本でもイギリスでも地元で生産された新鮮な食品を求める消費者が増えています。スーパーは便利ですが、新鮮さや運搬機関による公害などを考えれば近所で採れた野菜、肉などを買うのは理にかなっていますね。

私の住む町ウィンズロウ(アメリカにも同名の町があるので、よく間違えられます)はマーケットタウンです。マーケットタウンは、中世に定期的にマーケットを開く免許を持っていた町のことですが、現在では多くがもはやマーケットは開かれていないところが多いようです。

ウィンズロウは古い歴史を持っていて、アングロサクソンの王オファの時代からの記録が残っています(西暦792年)。そしていまだに町の広場で(Market Square)毎週水曜に4,5軒の小さなマーケット、そして毎月第一日曜日にファーマーズマーケットが開かれています。毎回マーケットに行くわけではありませんが、先日アメリカの親せきが訪ねてきてくれたのでファーマーズマーケットに案内しました。


 Market Squareは中世の建物に囲まれています。




オーガニックのパン屋さん











毎回生演奏が聴けます。






近くで採れるベリーや果物を使って作られたジン。




こちらはサイダー(りんご酒)




息子が来ると必ず買うビスケット。特にレモンのビスケットが絶妙とか。




ファーマーズマーケットは単に新鮮な食べ物を売り買いする以外に、普段は静かな町に活気をもたらし、また人々の出会いの場所としてウィンズロウには大切なイベントです。


4/13/2019

オーガニック・ガーデン

ライトン・オーガニックガーデンに行ってきました。ここは、オーガニック植物の栽培に興味のある人や、子供たちの学校教育で有名なガーデンです。イギリスでは過去50年くらいの間に特にオーガニック栽培への関心が高まり、現在は個人でもオーガニック・ガーデニングを目指す人が多くなりました。




子供たちに喜ばれそうな教室!



ガーデンに入ってまず目につくのはユーフォビア。こんなに大きく元気に、そして沢山育っています。





桜が散り始めて芝生にはコンフェティのような花びら。







車いす、足の弱い方でも楽に歩けるように段差のないルートです。






車いすの人も屈まなくてすむ背の高い花壇。





 子供たちがワーッと言うおもしろいことが書かれたボードが至る所にあります。えっ?眠ってばかりのドーアマウスはナッツを殻から出すのに20分もかけるの?








 まだ多くの花は咲いていませんでしたが、それでも元気そうな植物から沢山のエネルギーを頂戴しました。

4/12/2019

元気丸公演

私の愛する姪の夫はコメデイアンです。それで、さっき妹から「明後日、ライブに行く。」と連絡がありました。随分急な話ですが、お暇な方は是非いらっしゃってください。

実は私、落語が大好きで日本にいた時は、テレビの前で父と「笑点」を見ながら大笑いをしていたものです。

姪の夫と相棒コンビの名前は‛元気丸’です。落語とは違いますが、笑うことは頭にも体にもとてもいいことと信じています。

イギリスで皆さんの笑い声のお裾分けをいただきます!




4/01/2019

観光名所の本名

エイプリルフールです。子供のころは、胸を張ってウソがつける日を楽しみにしていたのですが、最近は気が付かないで終わってしまう年もあるくらいその重要性(?)は失われつつあります。

さて、イギリスのテレビのニュースなどで、よく‛ウェストミンスター宮殿(The Palace of Westminster)’ ‛エリザベス・タワー(The Elizaneth Tower) ’という名前を聞きますが、イギリスに住んでいない人は???と思うでしょう。しかもふたつとも誰もが知っているお馴染みの観光名所なのです。

ウェストミンスター宮殿とは 国会が開かれる建物(国会議事堂 通常The Houses of Parliamentと呼ばれる)で、エリザベス・タワーとはビッグベンのことです。昔はクロック・タワーと呼ばれていましたが、現女王の戴冠60周年を記念して2012年にエリザベス・タワーに改名されました。

ウェストミンスター宮殿




(ビッグベンという名前は最初、中に入っている鐘の名前でしたが、現在では鐘と共に、時計、塔全体を指します。)

ウェストミンスター宮殿は古い部分(the Old Palace)と新しい部分(the New Palace)があります。古い宮殿はほとんどが1834年の火事で消滅し、広場から見えるウェストミンスターホール他が少し残っているだけです。新しい宮殿は1860年にヴィクトリアン・ゴシック建築によって完成されました。

建物全体の建築を担当したチャールズ・バリーは内装も含め、時計台のデザインをオーガスタス・ピュージンに依頼しました。こうして96メートルのビッグベンが1860年に出来上がりました。バリーは、天才的デザイナーだったピュージンを徐々に頼るようになり(このために、新しいウェストミンスター宮殿の建築家はピュージンであるという主張もあります)、過労のためか精神を患い1852年に亡くなります。バリーも完成10年前にこの世を去っています。二人が命をかけてデザインしたウェストミンスター宮殿はいまだにロンドンの観光名所として世界中に知られています。


さて最近ロンドンにいらっしゃる方は、このビッグベンが見れなくてがっかりですね。ビッグベンは4年間の修理に入りました。工事費は6100万ポンド(88憶円)。鐘も、工事現場で働く人の聴覚を保護するために2021年まで(大晦日と休戦記念日を除く)聞くことができません。





ということで、ビッグベンは残念ですが、この場所からヴィクトリア通りを進むとヴィクトリア駅の正面近くに1892年にできたリトルベンという時計があります。

私はガイドをする際は、敢えて「ビッグベンがだめならリトルベンを見に行きましょう」とは言いません。あまりに規模が違うので、皆さんがっかりすることが多いのです。でも近くに行って、「これ、リトルベンと呼ばれています。」と言えば、その可愛らしさに、どの顔にもクスッ微笑みが浮かぶのですから、リトルベンの力は偉大です。





ブレグジットで大混乱のイギリスです。ニュースを見るたびに心配、怒り、あきらめ、絶望・・・・一体イギリスはどうなっちゃうのでしょう? 普段は楽天家の私もさすがに毎日が憂鬱です。この問題が終わるまで、しばらく眠っていたい気持ちです。