先日オリバー・ハーマナス監督による映画 ’Living' を観てきました。この映画はお役所で長い間働いて来たある男性が癌で余命少しと言われ、それからの人生を真の意味で「生きる」ことに捧げる物語です。「日の名残り」でブッカ―賞を、2017年にはノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロが脚本を書いています。
この映画は1952年に黒沢明が監督し、志村喬主演の映画をリメイクしたものです。
https://www.youtube.com/watch?v=9Gm5rDwO7Ns
この予告編の中では「死に面してはじめて生を思う人間の軽薄」「真実に生き抜いてこそにじみ出る美しさ」という言葉が出てきます。お役所の仕事、つまり官僚制度を批判をした映画でもあるのですが、最後の命を子供たちの遊ぶ公園を造ることに捧げる主人公渡邉のひたむきさ、そして彼が「ゴンドラの唄」を歌いながらブランコに乗るシーンは30年以上前にこの映画を観て以来、ずっと私の心の中に残っています。
一方イギリス映画の方は、1952年のロンドンを舞台に製作された作品ですが、山高帽を被って毎日市役所に通勤するミスター・ウィリアムズ。同じ時期のイギリスと日本を見るのも興味深いです。
因みにロケに使われたカウンティ・ホールは昔のロンドン州議会堂で、実は大昔に私が観光ガイドとしての資格を取るために通った場所でもあり、映画を観ながら懐かしさがこみあげて来ました。
日本では来春公開とのことですが、是非見ていただきたい映画です。そして出来たら黒沢明監督の「生きる」も是非是非ご覧ください。
さて、11月のオンライントークは先月に引き続き、「王室と動物 その2」を開催します。
第38回目 「王室と動物 その2」
期日:11月24日(木) 19時より(イギリス時間10時)
11月26日(土) 20時より(イギリス時間11時)
同じ内容です。
お申し込み:info@culturetourismuk.com
定員:30名
料金:各¥1,000
詳細は culturetourismuk.com をご覧ください。