4/28/2016

お客様からの写真

先日のブルーベルウォークではうっかり写真を撮るのを忘れてしまいましたが、お客様がちゃんと撮ってくださいました。その方々のお許しを得て掲載させていただきます。

ブルーベルの色は、実物と写真があまりに違うのでいつも苦労します。何十枚撮ってもちゃんと撮れているのはほんのわずか。ほんのちょっとした光の具合でだいぶ色が変わるのですね、きっと。

でもHさんが写真を送ってくださいました。キャノンのカメラが良かったのでしょうか?それともHさんの腕前とキャノンの相性が良かったのでしょうか?綺麗ですねー。








そしてグループのスターであったごん太君。さっそうと歩いていました。車の通る道だけリードをつけていましたが、他の場所では自由に歩いていましたよ。
 
 
 
 
そのごん太君のように足の短い人用に(本当は犬のためのものです)スタイルと呼ばれる踏み台(左)の横には通路があります。
 
 
 
 
丘の上はちょっと寒かったのですが、景色は抜群でした。
 
 
 
 
ごん太君が見えますか?
 
写真を送ってくださったHさん、Fさん、ありがとうございました。
後日、お客様からメールで「またウォーキングツアーを企画してください。」といううれしいリクエスト。いつかコッツウォルド.ウェイというルートをご案内できたらうれしいです。

4/25/2016

チャリティ.ウォークを終えて

昨日、日本語ガイド協会主催の東日本大震災のためのチャリティウォークを無事終えました。今回は8名とワンちゃんひとりのご参加でロンドンマリルボーン駅からスタートしました。数日前から天気予報を気にしていましたが、当日の朝BBCの天気予報でウェンドーヴァーの地域をチェックしたところ気温7度という寒さではありますがまあまあのお天気とわかり、早速皆さんに「決行」の連絡をしました。

ブルーベルは一週間前よりも開いていましたが、ここ数日の寒い気温のせいか満開ではありませんでした。でもそれが返って可憐な感じで、皆さんうっとり。












クームヒルの頂上で全員で集合写真をと思っていたところ、ランチを食べるのに夢中ですっかり撮影のことは忘れてしまいました。ということで参加者の写真はこれだけです。すみません。


でも、今回はスターの参加がありました。ダックスフンドのごん太君です。足が短いので泥に埋もれてしまうかも?と少し心配しましたが、そういうところではお母さまが大き目のバッグの中にすっぽりごん太君を入れて歩いてくださったので問題なし。その他はグループから離れることも全くなく、リードなしで軽やかにさっさっ歩いていました。皆さん時々歩く足を止めてごん太君と会話を楽しみながら、海抜260メートルのクームヒルを目指しました。





メンバーは皆さん初めてお会いする方が多かったとはいえ始めから意気投合。またごん太君が更に和やかな雰囲気にしてくれました。あの足の長さですから、私たち人間より数倍長くあるいていたはず。

ウェンドーバーの駅から11時ころ始まったウォーキングは休憩しながらゆっくりペースで歩いたので、再び駅に戻ったのは3時半でした。(道に迷った時間も入れて! そう、今日のガイドは方向音痴なのです)

ご参加くださった方々、ありがとうございました。今日集まった120ポンドはすべてふくしま子供寄附金に送らせていただきます。

4/21/2016

ウェールズ魂

ウェールズの首都カーディフに行って来ました。ウェールズはグレイトブリテン島の西に位置し、広さは北海道の約1/4、人口は300万人と北海道の半分強です。1282年にイングランドのエドワード1世に敗れ、1284年からは正式にイングランドに併合されましたがスコットランド同様ウェールズ人は強い愛国精神をもっていて、どこに行ってもウェールズの旗があちこちに見られます。「今日は特別な日?」と思いきや、そうではなく毎日挙がっているのだそうです。





車で行っても列車で行ってもウェールズに入った途端に気が付くことは道路、駅の表示などが全て英語とウェールズ語で書かれていること。ウェールズ語は英語の訛ったものというのは全くの間違いで、完全に違う言葉です。(ウェールズの人の英語は、ウェールズ訛が加わって私は大好きです。)


さてカーディフはそのウェールズの首都で人口は35万人、周辺を含めるとウェールズの全人口の1/3が集まっています。かつては世界最高の石炭輸出国であったウェールズは石油の需要に押されて多くの炭鉱が閉鎖され、近年はサービス産業が伸びています。

今回は列車でロンドンのパディントン駅からカーディフ.セントラル駅まで、約2時間の旅でした。


プラットフォームの駅名は上がウェールズ語、下が英語です。





カーディフセントラル駅
 





通りの名前も英語とウェールズ語。




さて、このウェールズ語ですが、1284年にイングランドに併合されてからしばらくは英語(イングリッシュ)を使うことが禁止されましたが20世紀に入ってウェールズ語を保存するための活動が盛んになりました。学校ではウェールズ語が必修科目になり、ラジオやテレビでもウェールズ語のチャンネルができました。ウェールズのみならず、イングランドにも、そして19世紀にウェールズからアルゼンチンに移民したひとたちのおかげでアルゼンチンにもウェールズ語を理解する人がいます。2004年から2014年の統計によればウェールズの人口の23%がウェールズ語を理解し、そのうちの16%が流暢に話すことができるとなっています。21世紀に入って一時減少したこともありましたが、現在ではその数は、再び上昇中とか。

将来もウェールズでしか通用しない言葉を何故学校で教えるの?と思うでしょう。ラテン語もそうです。日常話す人はいなくなっても、イギリスの学校によっては(特に私立校)いまだにラテン語の授業があるところもあります。

でもよく考えてみれば言葉とは、単にコミュニケーションの道具だけのものではありません。ラテン語は、昔のヨーロッパの公的文献はほとんどラテン語で書かれていましたので歴史を深く理解するうえでは大切です。ウェールズ語も同じでウェールズの歴史、アイデンティティを理解する大切な道具だと思います。ラテン語よりも「自分の国」ですからウェールズ人にとってはもっと大切でしょう。

世界に通用する言葉はひとつあれば(それが英語であっても、またはこれから作られる言葉であっても)良いわけで、あとは自分の国の言葉をしっかり学ぶことですよね。これってなんだか私が頑なに日本語を忘れたくない!と思う気持ちと重なるところがあるかもしれません。自分の使う日本語がおかしくなると気持が沈んでしまいます。
 


ウェールズの旗
 
 
Flag of Wales
 
 
 
ご存知のようにユニオンジャックはイングランド、スコットランド、北アイルランドの国旗を(そう、実はこれらは国なんですね。それらがイギリス - 連合王国 - を形成しています)重ねて作ったものです。何故そこにウェールズが入っていないかと言えば先ほどお話ししましたようにウェールズは1284年にイングランドと同じ国になってしまいましたので、イングランドの旗が代表して使われているわけです。

1301年にはエドワード1世の後継ぎがウェールズで生まれ、‘ウェールズの王子Prince of Wales’のタイトルを授かりました。(これが現在でもイギリスの皇太子がPrince of Waleと呼ばれる所以です) 近年になって、ウェールズもユニオンジャックに含もうという声も上がっていますが、その話題も知らないうちに消えていることが多いのです。もし、ウェールズを入れるとすればどんな国旗になるのでしょうね?せっかくの赤、青、白といい感じなのに、その中にグリーンが入る?個人的に思うのは一番しっくりいくのは真ん中に(線の一番多く重なる部分)赤いドラゴンを入れることかしら?でも今のユニオンジャックがあまりに有名なので変わる可能性も少ない気がします。ウェールズの人には残念ですが。
 
 
とにかく、国旗に関しては本当に複雑なので、近いうちにユニオンジャックについてもうちょっと詳しくお話しすることにします。国旗ってすごく大切なものですから。カーディフで沢山の国旗を見て羨ましくなりました。日の丸は世界に誇れる素晴らしい旗で、外国人もあの国旗は「日本の国旗だ」とすぐにわかるのに、実際に日本で目にすることは少ないですものね。
 
 
ウェールズの話に戻りますが、彼らはいつも「私はウェールズ人」という誇りを持っています。スコットランドも同じで、「貴方、イングリッシュ?」なんて言おうものなら「私はスコットランド人です!」ときっぱり否定されます。それも怖い顔をして。ハイストリートに旗が立っているのと同じようにお店でもドラゴンの品物をあちこちで見かけます。それはお土産屋に限らず、キッチンショップでもドラゴンコーナーがありましたし、宝石店のウウィンドーにもドラゴンのペンダントやダチョウの羽根3枚の(Prince of Walesの象徴)カフリンクスなどが見られます。
 
 

 
 
カーディフの町は歩いて観光するのが一番です。残念ながらその日は月曜日で美術館や博物館はお休みでした。そこでハイストリートの先にあるカーディフ城を見学。最後に訪れたのはもう10年くらい前の事ですから。ここは外観は3世紀のローマ時代(壁)、12世紀のノルマン時代(本丸-写真)、そして他は中世にかけて建てられましたが、内部は完全に19世紀に城主であった3代目ビュート侯爵によって完璧ヴィクトリアンゴシックに改装されているという珍しいお城です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 



ウェールズと言えばラグビーと音楽です。ラグビースタジアムのプリンシパリティ.スタジアムも町の中心にあります。
 
 



この日、仕事は夕方からだったので早めに家を出てカーディフの町を散策しました。パラパラっと少し雨も降りましたが、それでも3時間くらいの間にウェールズ魂をしっかり感じることができました。













4/18/2016

ブルーベルウォークまであと一週間

今度の日曜に行われる英国日本語ガイド協会主催の「ブルーベルウォーク」の下見をしてきました。今年はずいぶんブルーベルが早く咲き出したので、その咲き具合を見てきました。結果は5分咲きというところでしょうか。

昨日は朝起きてみると、見事に晴れ渡った空に真っ白の雲が浮かんでいました。「下見をするなら今日だ!」と、急いでサンドウィッチを作って出かけました。ロンドンのマリルボーン駅から50分ほど。チルタン線の列車の窓からは次から次へと青い空の下、輝く緑の牧草が鮮やか流れていきます。

Wendoverの駅に着いた途端に驚きました。皆ウォーカーたちではないですか!つくづくイギリス人は歩くのが好きだなーと感じました。そこには大きなバックパックを背負った若者たちや、杖を持った高齢者、そして犬も。









イギリスの列車は少しの追加料金で犬も,自転車もOKです。さて、ウォーキングといえばパブリックフットパスです。このブログでも何度もご紹介しましたが、例え私有地であっても一般の人が歩ける道の事です。





道と言っても作られた道とは限りません。時には勘で「こっちかな?」「それともあっちかな?」と....いつも歩いていれば人の通った後がわかるようになります。目線でわからなければ背伸びしたりして遠くを見たり、少し屈んでみると倒れた草の色の違いに気づくでしょう。




 
10分も歩けば耳に入る音は鳥のさえずりだけ。都会では味わうことのできない静けさです。
 




民家のそばにブルーベル? でもそれはスパニッシュとイングリッシュのハイブリッド。本当は純イングリッシュブルーベルの近くに植えてほしくないブルーベルです。イングリッシュブルーベルよりずっと生存力が強いので混血が増えてしまうから。


 
 
ドッグマーキュリーの小さな花の蕾はまだしっかり閉じていました。
 
 
 
 
今回ご案内するのはクームヒルに向かう途中の森です。森に入るとそろそろイングリッシュブルーベルが見え始めました。
 
 
 
 
 
今日は五分咲きといったところ。
 
 
 
 
 
 
 
これからの一週間の間に、もうちょっと開いて色ももうちょっと濃くなっていくことでしょう。そして香りも。
 
 
森を出てクームヒルの頂上に近づくとハリエニシダが沢山咲いています。
 
 
 
 
 


そしていよいよ頂上です。海抜260メートルの頂上からはエイルズブリーの谷が広がります。
 
 
 

 

 
 
 
 
 


 
頂上に立つボーア戦争で亡くなったひとたちの記念碑(ボーア戦争とは1899年から1902年まで、南アフリカの植民地をかけてイギリスとオランダ系アフリカーナが戦った戦争)です。下の階段になっているところに座ってお弁当を食べている人がいます。子供たちは階段を上ったり下りたりして遊んでいます。それを注意するひとも誰もいません。それどころか、そうしてはいけないと思うひとさえいないような感じです。こういうところを目撃すると、いつも日本との文化の違いをつくづく感じます。

 

 

 
この丘は元はチェッカーズが所有する土地でした。チェッカーズとはイギリスの代々の首相の別荘です。その建物は今でも首相が使っています。丘からは遠くに見えますが、今は工事中らしくグリーンの幕がかかっていました。
 
 
 
 
帰りもパブリックフットパスを使って、今度はベイコムヒルをウェンドーヴァーの町まで下ります。
 
ブライドルウェイとは馬の道で人間も歩くことができます。
 
 

 
Ridgeway (リッジウェイ)は、イギリスで一番古い道で少なくとも5000年の間人々が歩いている道です。その長さは南はストーンヘンジの近くの丘から北はバッキンガムシャーまで140キロあります。1972年にNational Trailに指定されました。ナショナルトレイルとは歴史や自然の保護、公共レジャー用に、またウォーキングの奨励のために法的に守られている道です。全部つなげると8万キロに及ぶ長さで、リッジウェイもそのひとつ。この件に関してはいつかゆっくりブログでご紹介したいと思います。ナショナルトレイルの標識にはどんぐりのマークが付いています。(この写真にもRidgewayという文字の左に白いどんぐりが描かれています)

黄色の矢印はパブリックフットパスの印。(ブライドルウェイの矢印は青)


 
 
 
ブルーベルの他にも野生の忘れな草やレッサーセレンディン(キンポウゲ科)、プリムローズなどが綺麗に咲いていました。
 
 
 


 
 
 
 
 
今回は森の中は泥になっているところが多かったので、参加される方はウォーキングブーツや(または防水のスニーカー)長靴をお勧めします。
 

4/16/2016

熊本県 大分県の方々へ

テレビのNHKワールドでは熊本県、大分県の地震が引き続き報道されています。もちろんBBCのニュースでもトップニュースになっています。九州には今までお会いした方も多く、また私自身何度か訪れているので第2の故郷のようにも感じられますので、テレビの画面を見ると心が痛みます。

亡くなった方々のご冥福をお祈りすると同時に、早く地震がおさまり非難された方々が一日も早くご自宅に戻ることができますように願っています。

4/09/2016

今年のチャリティツアー

今年のJRTGA(日本語公認ガイド協会)主催東日本大震災のためのチャリティツアーで、私はブルーベルウォークをさせていただきます。一昨年前もブルーベルウォークをしましたが、今回はお子さん連れの方々にも参加していただけるようにウォーキングルートを変えて短くすることにしました。




ブルーベルはイギリスでも日本でも庭によく植えられています。それはスパニッシュブルーベルかイングリッシュとスパニッシュを掛け合わせたものです。イングリッシュブルーベルはイギリスでは古い森の中に一面に咲く青紫の香りの良い花で、色と言い、香りと言い庭のブルーベルとは全く違います。これらのハイブリッドがあまりに強すぎて、イングリッシュブルーベルが早いスピードで消えていっています。

世界中に生存するイングリッシュブルーベルの半分以上がイギリスにあると言われます。イギリスと言えば薔薇を思い浮かべますが、野生の花としてイングリッシュブルーベルこそ国花に相応しい花だと思います。




興味のある方は是非ご参加ください。

日にち:    4月24日(日)
集合:     ロンドンMarylebone駅構内掲示板の下
時間:     09:40 Marylebone駅(9時57分発の列車に乗ります)
         または10:50 Wendover駅
催行人数:  1名から
最高人数:  15名
お申し込み: KijimaTivers@aol.com
料金:     10ポンド以上。(全額ふくしま子供寄附金に寄付させていただきます)

*お申し込み後は必ず確認のお返事をさせていただきます。
*3マイル(約5キロ)、2時間半レジャーペースで歩きます。
*今年は暖かい気温のせいでブルーベルも早く咲き出すようです。
*解散はWendoverの町ですので、ウォーキング後、町の散策をお楽しみいただけます。
*各自お弁当をご持参ください。
*8歳以上のお子様も歓迎です。
*天気により、延期の可能性もありますので、当日ご確認ください。
 (お申し込みの際に詳細をお知らせいたします)
*Wendoverまでの列車の切符は各自でご購入ください。

4/07/2016

余計なお世話

昨日、ラジオでこんなことを言っていました。「冷蔵庫が賞味期限が切れそうな食べ物を音で教えてくれる」と言うのです。私もたまに冷蔵庫のものを腐らせてしまうことがあるものですから、これは便利!とちょっと興味が湧きました。「冷蔵庫が臭いを感知するなんてすごい!今は何でもコンユーターの時代ですから、食べ物が悪くなっているのもコンピューターが知らせてくれる!」と思いきや....実はそうではなく、パッケージの賞味期限が切れそうになることをバーコードをもとに冷蔵庫がおしえてくれるというのです。これって、全然何もならないですよね。そんなの見ればすぐにわかります。はっきり言って余計なお世話。




大英博物館に行ってパルテノン神殿の彫刻や、世界の七不思議のひとつに数えられているモーソラスの霊廟を見ていつも思うことは、「電気も機械もクレーンも何もなかった時代に,これだけの物を造る人間はすごい」ということ。でもそれは昔のこと。

今の人に機械を使わずにそれをやってみなさいと言えばみんなすごく苦労すると思います。できないかもしれません。そんなことを考えていて気が付くことは人間の知恵も体力もみんな退化してるのでは?ということ。確かに寿命は長くなって、しかも姿もどんどん若くなっていっています。でもコンピューターが壊れれば何もできない時代になりました。ホテルを予約しようと電話したら「今、コンピューターが壊れているので、直ったらこちらから電話します。」と言われたことがありますし、日本の友人に何度メールを送っても返事がないので心配していたら「パソコンが壊れて修理に出していた」ということでした。

先日、ある歴史家がインタビューで言っていたのは、「母が亡くなって何年にもなるのですが、父のところに行く度に、母が生前買って何年も前にとっくに賞味期限が過ぎた缶詰を‘母の思い出に’と、いまだに食事の時に出してくれるのです。父は缶詰は永久に食べられると思っているのです。」

イギリスでは賞味期限のことをSell by ...とかUse by....とかいう言葉でパッケージに表示しています。それはお店で販売するための賞味期限のこと。でも買ったらこっちのものです。いつ食べるかは私たちが決めることです。日本語の「賞味」とは「おいしく食べること」と辞書にあります。

ほんのちょっとおいしくなくなってしまっても食べられます。私はそれを捨てるのは罪だと思っているので、賞味期限が切れた食べ物はそれなりに料理の仕方を変えたりしています。人間はある程度信用できる嗅覚を持って生まれてきていますから、悪くなった食べ物は臭いでわかります。臭くなってしまったら捨てるしかないのですが、そこまでいくのに食べてしまうことも人間が自然から授かった智恵の一つと思います。たまに賞味期限が過ぎたほうがおいしかった果物もあります。








数年前に車を買いました。ひとつのことを除いてはとても気に入っています。そのひとつとは、何でも車が自動でしてくれること。赤信号で止まれば、環境を考えてエンジンがひとりで止まります。これは気に入っています。ところが、暗くなれば自動でライトがついたり、雨がポツっと降れば自動でワイパーが動き出します。そんなこと、私がするから放っておいて!と言いたいくらい。

先日、妹が来た時にレンタカーを借りました。そのレンタカーは基本的な車でけっこう手動が多い車だったのですが、雨が降ってきてもワイパーが動かない!私は自分でワイパーを動かすことがなかったので、レンタカーのお店のお兄さんにワイパーの操作の仕方をきくのを忘れました。

ついに私は身の危険を感じ(?)、自分の車の中のものをできるだけ自動ではなく、手動に変えました。機械に疎い私には、けっこうこれが大変なことでしたが。

天気にしても昔は雲の動きや風の状態で自分で判断していたと言われます。太陽や月で、東西南北や時間を知ったようです。そんな人間の持つ本能がだんだん消えてしまって(私は完全に失った人間として生まれてきました)、生きるのに別に必要のないものを作り出すのに頭を絞る、もっとエスカレートしてしまいには原発など地球に害になる可能性のあるものを作り出す。何か変です。

こうも何でもかんでも自動で動くようになると、完全に人間は「気をつける」「準備する」ということをしなくなりますね。その結果、本能的なものはどんどん失われて必要のないものがどんどん増え続けるような気がします。皆さん、どう思われますか?