8/23/2016

マル島へ

ツアーも後半になってきました。スカイ島で3泊した後はオーバン近くで3泊です。ここからはボートでマル島に向かいました。マル島は、インナーヘブリディーズ(スコットランド西に位置する諸島はインナーヘブリディーズとアウターヘブリディーズに分かれ、本土に近い諸島がインナーヘブリディーズ)ではスカイ島に次いで大きく、面積は875平方キロで人口は3000人弱です。(スカイ島は1650平方キロで1万人)インナーへブリディーズには人の住む島が35、無人島が44あります。マル島はスカイ島のように橋でつながっているわけでもなく島に公共機関を使って行くには本数が限られているフェリーしかありません。(プライベートにボートをチャーターすることも可能)




 




この日、マル島に行くことになったのは島の近くにあり、メンデルスゾーンの曲で有名な「フィンガルの洞窟 」に行くためです。
https://www.youtube.com/watch?v=zyZ5cHUaiBI
スタッファ島のパフィンは(4月から8月の初めまで出産、子育てのためにマル島にやって来るこっけいな顔をした可愛らしい鳥)すでに島を去っていましたが、洞窟が見れただけでも十分です。





 
 
 

丁度この時、潮が引いてきて島に船を着けることはできませんでしたが十分様子はわかりました。それにしても私が驚くのは、今でもここまで来るのが大変なのに昔の人は(メンデルスゾーンは1829年に、画家のターナーは1832年に、その他ワーズワースやテニソンも)大変な苦労をしてきたのだということ。それほどこの洞窟はアーティストたちに大きなインスピレーションを与えたのでしょう。

マル島からフェリーですぐのところにあるアイオナ島には残念ながら行けませんでしたが(セントコロンバが初めてスコットランドに上陸してキリスト教を広めた島で、今でも修道院が残る)、島で一番大きな町トーバモリでは数年前に英国1おいしいレストランに選ばれたカフェ.フィッシュでランチをいただきました。町自体も美しく、気持ちの良い散歩も楽しむことが出来ました。




 
 
 
 
この他マル島ではタクシーで島めぐりもしました。「僕はガイドではないから説明はできないよ。」という謙遜深い運転手。なんのその、色々な話を聞かせてくださいました。
 
 
 
 
 
 
オーバンから南下したところにあるガーデン、アードゥアニー. ガーデン( Arduaine Garden)
は花に囲まれた通常のガーデンとは違いますが、大きな木が沢山あってウォーキングルートがわかり易く表示されていました。自然が好きな方にはお勧め。隣のホテルのテラスでのランチも。
 
 
 
 
 
 
 
 
最後にエジンバラ空港までお客様をお見送りして今回のツアーは終了しました。帰国されたお客様からすぐにメールが入り「日本は暑いです。」と。
 
今回ご案内したところはどこも魚介類が自慢なところです。でもヴィーガン・ヴェジタリアンの私は全く不自由しませんでした。予めヴェジタリアン食があるかどうかもチェックしなくて大丈夫。どんなレストランにも最低ひとつはヴェジタリアン用のメニューがありますから。全てのホテルには予めお願いしてヴィーガン用の料理を予約しておきました。
 
 
 
私は明日からウォーキングツアーが始まります。ロンドンのウォーキングかん観光の後、明後日からコッツウォルズ、湖水地方のウォーキングに出かけます。台風で出発が心配されましたが、お客様は今日夕方にはロンドンに到着されるご予定です。
 

8/22/2016

スカイ島へ。

スコットランド東海岸の漁港アバディーンからほぼ北西に突っ切って、次の宿泊地はインヴァネスです。近くにはカローデンの古戦場があります。「先祖の失った王座をもう一度スチュアート家に取り戻そう」と名誉革命で国外追放になったジェームズ2世の孫ボニー.プリンス.チャーリー(写真)がイングランドに攻めてきました。さまざまな戦いで勝ち抜きましたが、結局はイングランド兵に追われて1746年に惨敗したのがカローデンの戦いです。でも今回のお客様は「自然を楽しむ」ことを希望されていたので、時間的なことも考えてここはパス。

  • Portrait of the young Charles Edward Stuart, also known as Bonnie Prince Charlie

  •  
    

    ネス湖には前日に行きましたので、この日はひたすら西に向かいました。私たちの仕事はお客様に教えて頂くことが多いものです。今回も「プロクトンという綺麗な海岸沿いの村があるそうですが。」と言われて日程に入れました。本当に美しい村でした。この日は実は近くで底がガラスでできたボートに乗って海の中を見学する予定でしたが、波が荒れそうという予報のために数日前にキャンセルの連絡が入っていました。それでプロクトンでゆっくりランチをとることにしました。お客様はここで名物のカレン.スキンク(魚とクリームベースのスープ)を。「こんな田舎で美味しい料理に出会うとは。」とご満足のご様子でした。

     
    H様におしえていただいたプロクトンの村です。
     
     
     
     
     
     
     そしていよいよ橋を渡ってスカイ島へ。ここではワイルドライフ.ツアーにジョインしました。ガイドは30年間ワイルドライフを研究しているアンディさんでした。「ウン!あそこにゴールデン.イーグルがいる!」と望遠鏡を取り出して見ればたしかにいます。何故彼には肉眼で見えるのか不思議不思議。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    この日見たのはカワウソ、ゴールデンイーグル(鷲)、レッド.ディア(鹿)....クジラとイルカが姿を見せてくれなくてちょっと残念。
     
    途中でトイレ休憩で立ち寄ったスカイ島ただひとつのタリスカ.ウィスキー蒸留所。
     
     
     
     
    スカイ島の西北の端の辺りにあるダン.ヴィーガン城。1350年ころに建てられたお城は、それ以来マックラウド氏族の長が住んでいます。ちょうど最高のお天気に恵まれ、お城を背景に30分ほどぼんやり過ごしました。貴重な時間でした。
     
     
     
     
     
     
     
     スカイ島に渡った時は橋を使いましたが、帰りはアーマデイルからフェリーで。両親とスカイ島に来た時は、フェリーから見える沢山のクラゲがとても美しく今回も楽しみにしていたのですが、見つけたのは数匹だけ。それでも美しさは変わりません。
     
     
    アーマデイルでフェリーを待つ車、バスです。
     
     
     
     
    こうして3泊したスカイ島を後にしてメインランドに渡りました。フェリーの到着はマリーグの町。ここでも両親と一緒に行ったフィッシュマーケットという魚介類のレストランでランチ。内装がすっかりモダンになっていましたが、あの時のことを思い出しました。父は手長エビがお気に入りでした。
     
     
    さてここからお客様はハリーポッターの映画の中でハリーとロンが列車に乗り遅れ、車で追いかけたあの列車に乗車、私は鉄橋のあるグレンフィナンへ直行です。
     
     
    グレンフィナンは先ほどお話ししたボニー.プリンス.チャーリーが1745年に初めてスコットランドに上陸して兵を揚げたところ。多くの氏族が彼に忠実を誓った場所で、景色もすばらしいところです。私は列車が鉄橋を渡るところを写真に納めようと駐車場で待っていました。
     
     
    一番最後の車両に乗られたお客様はどの辺に?
     
     
    
     
     
    写真を撮った後は急いで列車の終点フォート.ウィリアムに向かいました。
     
     スカイ島はカローデンの戦いで敗れたボニー.プリンス.チャーリーが、フローラ.マクドナルドという女性の手を借りて逃げた島。その時の歌がスカイ.ボートソングです。スコットランドの曲は日本でも馴染みの曲が多く(例えば蛍の光やロッホ.ロモンドの歌)、私たちには受け入れやすい気がします。スカイ.ボートソングに興味のある方は下記のリンクで聞いてみてください。心にジーンとする曲です。  
     
     
    こうして私は終点のフォート.ウィリアムでお客様と無事合流。そこからはオーバン方面、マル島に向かいました。
     
     
     
    

    8/21/2016

    ハイランドツアー

    ハイランドのツアーから戻りました。今回はまず途中で2泊しながら私の車でスコットランドの東の港町アバディーン空港に行き、そこで日本からヒースロー経由でいらっしゃったお客様と合流、インバネス、スカイ島、マル島、アーガイル地方を8泊で周り、最後にエジンバラ空港で終了です。そこからお客様は再びヒースロー空港経由で日本に帰国されました。ツアーの間、自然動物を見に行くくツアーに参加したりボートでマル島に行ったりしましたので車を使わないこともありましたが、移動は全て車でしました。


    ケアンゴーム国定公園内のドライブではヒースが沢山咲いていてピンクの山が続きました。
     
    






    最近ではイングランドでもたまに見かけるハイランド.カトルはもちろんここが発祥。長い毛に角を持った牛は可愛らしくてぬいぐるみにもなっています。途中でランチに立ち寄ったホテルの近くで私たちを歓迎してくれました。






    ネッシーに会うにはアーカート城に行くのが一番。インバネスから西南に向かうA82号線はフォート.ウィリアムやスカイ島に行くには通らなければいけない道ですが、いつ行っても車の数も少なくて気持ちの良いドライブコースです。アーカート城もこの道沿いにあります。今回はホリデー中なのか、ネッシーには会えませんでしたが。お城の廃墟とネッシーはよくお似合いです。




    ところどこで綺麗な景色な所で写真ストップです。
     
     
     
     
     


     


    スコットランドでロッホ(loch)というと湖のことですが、何千という数の湖はどこも綺麗でいちいち写真を撮るのに車を停めていたらきりがないくらいです。

    明日は、スカイ島、マル島の写真をご覧いただきましょう。
     

    

    8/08/2016

    スコットランドの仕事に向けて。

    明日からスコットランドの仕事が始まります。日本からスコットランドにいらっしゃる方々は、エジンバラのみ観光して帰国される方が多いようです。エジンバラは古い町並みや歴史上大切な建物が多くあって素晴らしい町です。でもスコットランドの自然を楽しむならやっぱりハイランドです。その景色は口では言い尽くすことはできない程。 自然は何もスイスやカナダ、北欧に限ったものではありません。

    今回の仕事はハイランドのみという珍しいパターンです。アバディーン始まりでケアンゴーム国定公園、スカイ島、オーバンなどを周り、最後にエジンバラ空港でお客様とお別れします。

    このルートは10年ちょっと前に両親を案内したルートと似ています。両親はスカイ島がすごく気に行ったようで、湖の畔を二人で早朝に散歩していました。私にとっては思い出深い島です。

    今回は少し長めの仕事です。それで昨日、いつも行くHolland & Barrettという自然商品のお店でスコットランド用に特別に買ってきたものがあります。

    イングランドに夏にいらっしゃる日本の方々は「虫がいないんですねー。」と驚かれます。私には夏の蝉の鳴き声などが懐かしくて「はい、そうなんです。残念なことに....」と答えます。でもスコットランドは別です。ミッジという細かい虫が群れになって空中を舞っています。お客様から「それ、ブヨのことですよ。」とおしえていただきました。

    それで、初めてブヨ除けを買ってきました。植物からできているもので、お肌にもやさしいとか。(?)
     
     
     
     
     
    もう一つは私が「イギリスの養命酒」と読んでいるフロラディックスです。スコットランドは真夏でも朝晩は冷えます。今回はボートに乗って島めぐりもあるのでボート屋さんから「暖かいジャケット、帽子、マフラー、手袋を持ってきてください。」と言われました。ここ何年も風邪をひていませんが、あまり寒すぎたら風邪をひくかも?と体調を完璧に保つために買ってきた養命酒です。
     
     
     
     
    人工的なものは入っていなくて、ハーブと果物のジュースを濃縮して作られています。元気の出る液体ですがアルコールは入っていません。鉄分、ビタミンB2、B6、B12、Cなど栄養が沢山含まれていてなんとなく元気が出るような気がします。(こういう人がいるから企業は繁盛する?)

    因みにお客様は関西の方々。毎日30度の日々の中、「いくらセーターと帽子と言われても実感が全然湧きません」と旅支度に困っているご様子。
     
    今回はとにかく自然を満喫するツアーです。野生の動物にも沢山会えるはず。では行って来ます!20日に戻ります。
     

    8/04/2016

    ロアルド.ダール

    数日前に映画 ‘BFG’を観てきました。ロアルド.ダールの子供向け小説がスティーヴン.スピルバーグによって映画化されたものです。BFGとは The Big Friendly Giantをちじめたもの。。日本ではロアルド.ダールの作品としては特に‘チャーリーとチョコレート.ファクトリー’‘マチルダ’などが有名ですね。






    イギリスからは児童文学で有名なものが沢山生まれています。‘不思議の国のアリス’‘ピーターパン’‘小公女’‘ピーターラビット’‘クマのプーさん’‘機関車トーマス’‘パディントンベアー’‘指輪物語’‘ナルニア王国物語’.....最近ではもちろん‘ハリーポッター’がありますね。

    ロアルド.ダールの作品は、私の長男が子供のころに大好きだった本です。他の児童文学と違うところはホッとする間もなくいつもハラハラ、そして子供向けでありながら風刺的、いたずらっぽいところがあってモラルでがっちり固まっている子には向かないかもしれませんが、悪戯好きの子供にはたまらなくおもしろい内容の作品が多いのです。

    「こんな作品は子供向きではない。」「モラルはどこに行った?」など昔から厳しい批評は絶えませんが、イギリスでは大人気の児童文学であることは間違いありません。小さいころからこういう作品を読めば、大きくなっても何事もユーモアで対処できるようになるかも? 正にイギリス人的です。




    ロアルド.ダールの住んでいた家の近くにはロアルド.ダール博物館があります。そして正面の壁に描かれているのがBFGです。
     
     
     
     
    ロアルド.ダールの作品はクエンティン.ブレイクのイラストなしには考えられません。このジャイアントも彼が描いたもの。
     
    この博物館があるグレイト.ミッセンデンの駅です。
     
     
     

     
    あれっ?プラットフォームにある駅名ですが....今は “ ジャイアント.ミッセンデン  ジャイアントの国はここで下車 ” と書かれています。 ユーモアですねー。
     
     
     
     
     
    子供も大人も楽しめる映画です。イギリス王室に興味のある方は最後のほうになると益々おもしろくなってきますよ。ジャイアント役は最近話題の俳優でアカデミー賞を取得したイギリスの本格派俳優マーク.ライランス、女王役はダウントン.アビーでおなじみのペネロプ.ウィルトンです。その演技の素晴らしさは言うまでもありませんが、ソーフィー役の無名だった女の子の演技もトップクラスです。
     
     
     
     
     
     
     
    久しぶりに見た映画ですが、本当に楽しめました。日本でも9月17日封切りとのことですから是非ご覧ください。

    この日予告編で見た‘つばめ号とアマゾン号’も気になるところ。湖水地方にあるコニストン湖を舞台にアーサー.ランサムが書いたやはり子供向けの小説を映画化したものです。