5/25/2020

パンデミックで変わった食生活。

毎日本を読んだり、新しい料理に挑戦したり、映画、テレビドラマや昔のラグビー戦を観たりしています。そんな生活にもすっかり慣れて今では退屈するどころか一日があっと言う間に過ぎていきます。仕事で訪れた場所で買ったガイドブックを読み直しながら、その場所を頭の中で想像するのも楽しいものです。

自粛生活となると、皆考えることは同じであちこちでケーキ、パン作りが始まったようです。それで、小麦粉とイーストが手に入らなくなってしまいました。私は幸いにもロックダウンの前に買っておいた小麦粉とお隣さんがどこかで見つけてくれたイーストがあるので、毎日ケーキやクッキーを焼いています。








最近見つけたレシピから練りごまで作ったチョコレートブラウニー。








ルビーのおやつも。





パンも手に入らなくなってきたとき、初めて自分で作ってみようと思い始めました。最近は家庭でもパン作り機を使うようですが、私は持っていないので全て手作り。パン地をこねる大変さを経験しました。でも出来上がりはまあまあ。




全粒粉のパンも作ってみました。





意外だったのはグルテンフリーのパン。市販の物よりは数倍美味しかったので、これからも時々焼いてみようと思います。





自分で作れるものは自分で作る!を徹底して実行するようになりました。

豆乳で作るアイスクリームは市販もされていますが、キャシューナッツでちゃちゃっと簡単にできるアイスクリームは、我が家では定番になりそうです。




ひよこ豆の缶詰めの汁を利用して作るメレンゲ。「無駄がゼロ」の満足感。ひよこ豆はフモスに。





コロナパンデミックは自分で作る歓びと満足感をおしえてくれました。この経験は忘れずに、ロックダウンが解除になってもこれからの生活の中に取り入れていこうと思います。

5/21/2020

コロナウィールスの影響で木の感染も気になって。

ロックダウン緩和が実行されつつあるイギリスです。とは言え私の住んでいる辺りは、子供や犬との散歩、ジョギング、サイクリングをしている人以外は見かけません。たまにすれ違うことがあれば、どちらかが道路の反対側に渡ったりして間隔をあけています。そして立ち話をするときも同じく間隔をあけておしゃべりしています。

完全に自宅待機を始めてから2か月以上経ちました。その間色んなことを考え、私の人生観も随分変わりました。そして益々自然の大切さを思い、自然から受ける大きなエネルギーを発見しました。外の空気を吸うことができること自体感謝です。人は、普段の生活に制限が出た時だけにその有難さを知るという情けない生き物です。特に私の場合は今それをしみじみと感じています。食べ物にしても、レストランやテイクアウトができない今、なるべく自分で作るようになりました。貴重な食料はできるだけ無駄にしないで使い切るようになりました。

イギリスはコロナウィルス感染者の数は減っているとは言え、まだまだ油断はできない状態です。首相官邸からの記者会見をテレビで観ることは日課の一つになりました。とにかく自分でウィルスから身を守ること、万が一感染していたとしても他の人にうつさないようにすることしかありません。

そんな中で先日、散歩コースでいつも見かける木の葉の先が真っ黒になっていることに気が付きました。最初は誰かが、木の下でバーベキューでもしたのかと思いましたが、大きな木の裏側にも同じような焦げたような葉が見えました。咄嗟にダッチ・エルム病を(日本語ではニレ立枯病)思い出しました。


ルビーの背後に立つ木がその木です。







1970年代に、木の感染病であるニレ立枯病が大流行した際にイギリスでは2500万本、フランスではニレ全体の97%が死に絶えてしまいました。私が見た木はニレではなくトネリコの木でしたが、それでももし感染病だったら大変です。早速植物学者と私が呼んでいる友人に連絡したところ、「最近霜が降りた?もしそうだったら心配はないけど、もしかしたらトネリコのダイバックという病気かもしれない。そうだとしたら大変なので、一応ウッドランド・トラストに(Woodland Trust)写真を送ってみては?」と勧められ、さっそくメールをしたところ、すぐに返事がきました。写真から判断するには霜による(または寒さによる)変色とのことでした。一応9月まで様子を見て、また連絡するようにと。ほっとしました。

こんなに早く(数時間後でした)、返事が来るとは思ってもいませんでした。返事を下さった方他、ウッドランド・トラストスタッフは全て自宅から仕事をしているとのこと。

今年は、植物が特に綺麗に感じます。それは、私が単にそう感じるだけなのか、又は気候のせいか、または車が通らない今、排気ガスの量もぐんと減って公害もゼロに近くなっているからか・・・・・理由はわかりませんが、イギリス中にあるサンザシの花も我先にと鮮やかな色を見せてくれています。






そろそろ薔薇も咲き始め、さ花々の賑やかさが増してくる季節です。ロックダウンが徐々に解除されたとはいえ、今までの反動で大勢の人たちが一挙に外出し始めないことを祈る毎日です。

5/18/2020

ガーリックマスタードを摘んで

ロックダウンが少しづつ緩和されて、今では散歩は好きなだけしても良いということになりました。それで夕食後にもルビーと一緒に出かけています。毎日散歩に2時間という生活は生まれて初めてです。最近は小さな林を抜け、広い野原のある場所を一周しています。

この林ですが今までは大通りを通ってゆっくり15分くらい歩いていたのですが、色々ルートを変えているうちに我が家から5分で行けることを知りました。この辺りには細い道が蜘蛛の巣のようにあちこちに作られています。

一応スピニーという名前はついていますが、とても小さな林なので入り組んだ道をあちこち使いながら野原に出る前の自然を楽しんでいます。













今はカウパセリが一番綺麗な時期。日本ではたしかレースフラワーと呼ばれていたと思います。




先日はガーリックマスタードを摘んで野菜炒めに入れましたが、昨日はペストを作りました。







ペストは一般的にはバジルとオリーブオイル、パインナッツで作りますが、ワイルドガーリックやガーリックマスタードでも作れますし、昨日はパインナッツの代わりにクルミを使いました。




ディップにしたり、ヨーグルトに混ぜたり、パンに混ぜたり・・・・ペストの使い道は色々あり、その上冷凍もできるので今のようにロックダウンの時は大変助かります。しかも作り方は超簡単。全部一緒にミキサーにかけて5分でできます。

昨日はスパゲッティに使いました。そしてパルメザンチーズも作りました。牛乳の代わりにキャシューナッツで作るパルメザンチーズですが、普通のパルメザンチーズはパスタをパサパサにしてしまうので、私はヴィーガンになる前でも使っていませんでした。ところがキャシューナッツで作るパルメザンチーズはその心配はありません。これもミキサーで5分。特に栄養のあるイーストは(Nutritional Yeast)はペスト、チーズの両方に使います。




林に沢山茂っているガーリックマスタードを使って食事を作る楽しみをコロナがおしえてくれました。自分で摘んだものを食べる楽しみ、そして栄養満点で、私の食事のために一匹の動物も死んでいないという満足な食事は心の底から楽しめます。

5/14/2020

ガーデンツアーの思い

イギリスではロックダウンも少しづつ緩和され自宅で仕事ができない人たちは、職場に復帰した人もいます。ただし、2メートル以上の間隔を保つことが条件です。急に地下鉄が混みだしてどうなることかと心配していましたが、今日のニュースではそれほどの混雑もなく一安心しています。

6月には小学校がオープンされるそうですが、子供たちに2メートルの間隔をあけなさいと言っても無理でしょう。それに、小さな子供は泣いたら抱いてあげることも大切です。
そういうことが子供の精神への影響もあるのではないでしょうか?オープンしても登校させるかどうかの選択を両親に与えるよう署名運動まで始まりました。

私にとっては一年で一番忙しい月は毎年6月です。グループ旅行でも個人旅行でもガーデンにご案内するのが一番多い月です。ここ数日過去のガーデンツアーの記録や写真を見ながら過ごしていますが、今日は写真を見ながら皆さんにイギリスのガーデンのお裾分けです。

シシングハーストのホワイトガーデンは日本の方にも人気です。







モティスフォント・アビーはオールドローズで有名。




キフツゲイト・コート




民家の前庭を見ながらの散歩も素敵な思い出のひとつ。









プライベートのガーデンではエルダーフラワーのドリンクを飲みながら談話。








デイヴィッド・オースティンのローズガーデン




ヘルミンガム・ホール




ピーター・ビールのローズガーデン



ウェールズのチャーク城




ロンドンのリージェンツパークにあるメアリー女王のローズガーデン




こうしてみると、過去に随分ガーデン巡りをしました。イングランドのみならずスコットランド、ウェールズ・・・・そのどれもが個性があって、オーナーの好みがよく表れています。時にはオーナー自ら切符を売っていたり、花壇を造っていたり。本当の庭好きは人にまかせておくだけではなく、自分も関りながら好みの庭を作るようです。プライベートのお庭では、まるで友人の家にきているような親しさも感じます。

私はガーデンは6月に限らず、一年中楽しむことができると思っています。冬でもストウなどの風景庭園はまた格別な姿を見せてくれますし、ガーデンではなくても野生の植物は自然のエネルギーを与えてくれます。

今日のブログの写真はごく一部ですが自宅で過ごす時間が長い中、皆さんに少しでもイギリスのガーデンの空気を感じていただけたらうれしいです。

5/10/2020

ヨーロッパ戦勝記念日 VE Day

イギリスには一年に8回(正確にはイングランド&ウェールズが8回、スコットランドが9回、北アイルランドは10回)、バンクホリデーと呼ばれる休日があります。日本のように理由のある祝日ではなく、クリスマスやイースターなどの祝日以外はバンクホリデー、つまり最初に銀行を閉めたことからこういう呼び名が始まった単なる休日です。連休になるように、バンクホリデーはいつも月曜です。

5月は2回のバンクホリデーがあります。月の最初と最後の月曜ですが、今年はヨーロッパ戦勝記念日  (VE Day    Victory over Europe)が75周年を迎えるために5月4日から8日に変更になりました。

昨年の6月に政府から日にちの変更が発表されたわけですが、それはすでに2020年のカレンダーが印刷された後。毎年印刷されると推定される4000万のカレンダーの4分の3、つまり3000万が無駄になりました。またすでに連休にかけてホリデーを予約していた人も変更、キャンセルを余儀なくされました。

そんな中でコロナウィールスのパンデミックが起こりました。私は一日一回の散歩以外は完全自宅待機ですので、町の様子はわかりません。散歩の時に通る住宅や公園で様子を知るのみですが、ハイストリートにある戦争記念碑のところには間隔を空けて人々が立っていたのでは?と想像しています。













一昨日のVE Dayの日、10時10分ころに近所のリンが「レッドアロウがここの上空を飛ぶから!」と息を切らせてご近所中のドアを叩いて知らせてくれました。どこで仕入れた情報かはわかりませんが、早速、皆カメラを持って外に出ました。10時18分、上空で突然すごい音が響きだしたかと思うと、レッドアロウが赤白青の線を残しながら、あっと言う間に行ってしまいました。この間、数秒でしたが素晴らしい光景に出会えました。




そして11時には玄関の外に出て戦争で亡くなった方々への黙とうです。テレビではイギリス各地からの黙とうの様子を伝えています。

3時少し前、近所の各家から椅子やテーブルを持ち出してストリートパーティが始まりました。本来なら大きなテーブルに皆が持ち寄ったお料理やお菓子、飲み物が並ぶはずです。2メートル間隔は、一緒に住んでいる家族は別。ですから政府がアドバイスしているのは家族単位で2メートル以上の間隔を置くとうことです。




75年前の今日、当時の首相であったウィンストン・チャーチルが、ラジオでヨーロッパにおける第二次世界大戦が終結したことを宣言しました。誰が持ち出してきたのか、ラジオからそのスピーチが流れてきました。「日本はまだ降伏していない。」というところでは特に複雑な気持ち。日本が降伏するまでの3か月間、連合軍も、そして日本人もいったいどれだけの人が命を落としたでしょう。ヨーロッパでは終戦になったとはいえ、イギリス軍の中でも依然アジアで戦っている人、捕虜になった人がいました。

チャーチルのスピーチが終わると、完全にパーティムードに入ります。1930~40年代の音楽が流れ、ダンスをする人、しばらくぶりのおしゃべりに夢中になる人・・・・・シャンペーンで乾杯する人、完璧なアフタヌーンティを楽しんでいる人、単にお茶だけで静かに物思いにふけっている人・・・・





そして夜の9時に女王がテレビでスピーチをしたのを最後にVE Dayのイベントは終わりました。

コロナウィルス感染がおさまったら、今度こそきっとイギリス中で本来のストリートパーティが行われることでしょう。


5/07/2020

VE Dayに向けて。

明日は VE Dayつまり、Victory in Europの日。第二次世界大戦でドイツが連合軍に降伏した記念日で「ヨーロッパ戦勝記念日」と訳されています。日本が降伏した日はVJ Day(Victory over Japan)と呼ばれ、日本の終戦記念日の8月15日に当たります。

今年はちょうど75周年の年に当たり、あちこちの住宅街でストリートパーティが行われると言われていました。それもコロナの影響でキャンセルになっているところも多いとか。

日本人であり、日本国籍をいまだに維持している私にとっては以前はこの日は複雑な気持ちでした。幼い時から両親から聞かされていた戦争の悲惨さ、国のためと信じて亡くなっていった人たちに対して、戦勝国であるイギリスで日本人の私がお祝いすることに後ろめたさを感じていたことは確かです。

昨日、近所の回覧板であるリン(実際に回覧板などは存在しないのですが、何かあると近所同士をまとめてくれるので失礼ながらこう呼ばせていただきます。)がやって来ました。

「明後日はVE Dayだから、家の前に椅子を持ってきて一緒にお茶を飲みながらお祝いしましょう。ただし、最低2メートルの間隔を保つこと。お茶は自分で淹れて。お菓子も食べたかったら自分で用意してね。」


主人は早速ガレージからユニオンジャックのバンティングを取り出してきました。




今の私の気持は、VE Day  も VJ Day も勝ち負けではなく、戦争が終わったことに意義があるということ。国のためと思って亡くなった方たちのことも忘れないようにしなければいけません。イギリスではどんなに小さな町にも、そして村にも戦争の記念碑があります。日本にそれがないのが悲しく思われます。戦争は実際に起こったし、今でも起こっている実態です。戦争の虚しさをこれからの人たちに伝えていくことは、今生きている人たちの義務だと思います。







命を懸けて戦争に行った人々が、コロナの前線で働くイギリスのNHS(国民医療機関)の人たちと重複して浮かんできます。今日は木曜日。8時になったら国中の人たちがNHSで働く人を含め、配達人や清掃者に拍手を送る日です。

5/05/2020

ロックダウン緩和?


ヨーロッパの国が次々に自粛を緩和している中、イギリスもその兆しがほんの少しづつ見え始めてきました。ジョンソン首相が3月23日にロックダウンを宣言してから3週間ごとに見直されるロックダウンの緩和、解除に対する政策は大きな関心を集めています。政府は緩和、解除による第二ペンデミックをどうしても避ける意向ですが、大企業などからのプレッシャーは当然強くのしかかっています。

では国民はどうでしょう?驚くなかれ先日83%の人がロックダウン延長に賛成しているということが発表されました。そして興味深いことに、ロックダウンが解除されてもしばらくは感染が怖いので外出しないという人の声も聴かれます。

その一方、テレビで子供を退屈させないように苦労している親たち、家族に会えなくて淋しい思いをしている高齢者のことも取り上げられています。精神的なストレスもそうですが運動不足になりがちの今、ユーチューブなどでヨガを見ながら健康を保っている人もいます。政府は運動のための一日1時間程度の散歩は認めています。(疲れたからと言って、芝生に寝転がっていてはダメ。おまわりさんに注意されることにもなりかねません!)






最近は国立劇場で上演されたベネディクト・カンバーバッチと ジョニー・リー・ミラーの「フランケンシュタイン」をユーチューブで見ました。コロナで自粛生活をしている人々のために国立劇場がドネーションを募ってはいるものの基本的には無料で見せてくれています。

明日(6日)まで見ることができるので興味のある方は是非どうぞ。カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーが2回にわたって交代でモンスター役、フランケンシュタイン役を演じています。オリジナルの内容ではなく、現代の人たちに受ける内容で素晴らしかったです。

息子は高いお金を支払って劇場で見てきたそうですが、感激して帰ってきました。

モンスター役:ジョニー・リー・ミラー
フランケンシュタイン役:ベネディクト・カンバーバッチ


モンスター役:ベネディクト・カンバーバッチ
フランケンシュタイン役:ジョニー・リー・ミラー



もうひとつ。今朝、友人が送ってくれたリンクは、We Will Rock Youというミュージカルに出演した歌手たちが集まって作ったビデオです。クウィーンの曲を大勢が歌い、大変よくまとめられていました。



そして今日知ったうれしいニュースは、国際統括団体ワールドラグビーが、日本をティア1、つまり強豪国に認定することになりそうということ。10か国で構成されるティア1ですが日本が11番目の国になるというのです。(ティア2は中堅国、ティア3は発展国)

近年の日本ラグビーは世界のラグビーファンが最も注目している国と言えるのではないでしょうか?

コロナウィールス問題が片付いて、日本ラグビーチームの観戦がイギリスでもっと頻繁に見られるようになったら素晴らしいですね。日本頑張れっ!!!

* 今日の写真は内容とは関係はありませんが、いつもの散歩で写してきたものです。