4/27/2020

ブルーベルの季節

毎年今頃はブルーベルウォークに出かける時です。絶滅の危機に瀕しているイングリッシュ・ブルーベルのことは、このブログでも何度も紹介しました。

ブルーベルのことに特に興味を持ったのは、愛犬ロビーという名のラブラドール犬が亡くなり、火葬場に行った帰り道でした。13年前のことです。深い悲しみに沈んでいた時に道端に咲いていたブルーベルがまるでロビーが話しかけてくれている気がしたものです。その後はいつもこの時期になると、ロビーに会うような気持ちでブルーベルの咲く森に出かけています。

去年は、まさかこんな事態になるとは夢にも思わず、少しだけイングリッシュ・ブルーベルの球根を庭に植えました。それがそろそろ咲き始めたのです。




ところが、純粋なイングリッシュ・ブルーバルではありませんんでした。古代の森に大昔から咲くイングリッシュベル―ベルは特別です。香りが良く、深い青紫の色は他には見られない色です。

でも、繁殖力の強いスパ二ッシュ・ブルーベルが入ってきて、イングリッシュ・ブルーベルも混血化してきました。

私が植えたブルーベルは、一応イングリッシュとして売られてはいましたが半信半疑でした。イングリッシュとして販売されているものでも純粋はすごく稀なのです。

でも、庭に咲きだしたブルーベルはイングリッシュに大分近いものでしたので納得。色は薄めですが、これは環境によるものと思われます。森の中、木々に守られてブルーのカーペットのように咲く純粋のブルーベルの特徴は、「花が長め「」「先が後ろにクルっと反っている」「白っぽい花粉」「甘い香り」などが特徴です。私のブルーベルは花が膨らんでいるように見えます。やっぱりイングリッシュ・ブルーベルは森の中にひっそり咲いているのが一番ハッピーで美しい姿なのでしょう。

我が家のブルーベル




そういうわけで、今回は楽しみにしているブルーベルウォークで撮影した過去の写真をお届けします。










今年は菜の花の眩しいくらいに黄色い畑も見ることができませんでしたが、来年こそはブルーベルウォークを再開したいものです。来年のゴールデンウィークにイギリス旅行を考えていらっしゃる方はご一緒しませんか?


4/23/2020

緊急事態で獣医へ

家の中と変化はありませんが、いったん外に出れば確実に時間が流れていることを感じます。一週間前満開だった桜も、そろそろ終わりに向っていてマロニエの花が咲きだしました。


一週間前










マロニエの木







ロックダウンの今、毎日の散歩は食料と同じくらい大切なものとなりました。そんな散歩の途中で先日緊急事態が発生。ルビーの足から血が出ています。見るとひとつの爪が完全に取れて、ぶら下がっています。犬を飼っている方は経験があるかもしれませんが、犬の爪は根元の方の神経の部分が折れるとものすごく血が出るのです。

すぐに自宅に戻って獣医に電話しました。答えは「自分で処置してください」とうもの。それは出来ないから、どうか、どうか診てくださいと頼み込んでやっと診てくださることになりました。「建物の中には入らず、駐車場に着いたら電話してください。」と言われた通り駐車場に到着してすぐに電話しました。しばらくして中から看護師さんが出てきましたが、はてどうやってルビーを渡すか?と一瞬考えましたが、向こうは慣れたもの。

ロックダウンの際の決まりは、人と人との間隔を最低2メートル空けるということ。まず私がルビーを看護師の数メートル前まで連れて行きルビーからリードをはずし、私だけ元の場所に戻ります。次に看護師さんがルビーのところに来て、他のリードをルビーにつけます。これで引き渡し完了。ルビーと看護師は建物内に消えていきました。私と看護師との間隔は常に5メートルはありました。本当に慣れたものです。

車内で待つこと20分。そのうちに看護師がルビーを駐車場に連れてきて、同じようにしてルビーを渡してくれました。支払いは帰宅してから電話で完了。

「48時間後に包帯をほどき、その後傷が順調に治らなければ、写真を撮って送ってください。その後のことはその時に考えましょう。」

幸いルビーの傷口は6日経った今はほとんど前回。今日はソックス無しで散歩に行けるようにまでなりました。



こんなに厳しく接触を避けるのは、私が脆弱と判断された主人と暮らしているからです。つまり、コロナに感染した人の中には症状がほとんどない人もいて、そういう人から感染した‛脆弱者’の死亡率が多いからです。皆さん、私が感染しないように最大の努力をしてくださっています。

今日から、オックスフォード大学で、コロナ接種の人体実験が始まりました。安心して町を歩けるには予防接種と治療薬ができることが条件とか。予防接種は通常数年かかると言われていますが、今回は数か月で人体実験が行われることになったようです。もしこれが成功したとしても、一般の人が受けられるようになるのは来年までは無理でしょうね、きっと。


4/21/2020

世界中に響いてほしい感動の音楽。

前回お話しした元軍人のトム・ムーアさんの募金運動は2週間足らずでなんと40憶円以上集まりました。そして数日前に彼がイギリスのベテラン歌手マイケル・ボールとテレビで一緒に歌ったWe'll Never Be Aloneがいきなりイギリスでベストセラー曲になりました。

https://www.youtube.com/watch?v=LcouA_oWsnU

私のように自宅待機を強いられている人だけではなく、全ての人に勇気と希望を与えてくれます。

トンネルの先には必ず光が見えること、コロナに決して負けることのない人々の心の絆は計り知れないものであることを実感します。


4/16/2020

キャプテン・トム・ムアの奇跡

先週、元軍人であったキャプテン・トム・ムアがNHS(イギリス国民医療機関)で働く人たちのために、募金活動を始めました。99歳のムアさんが、最近股関節置換術と皮膚がんの手術でNHSにお世話になったので、現在献身的に働く素晴らしいNHSスタッフのために恩返しの募金活動です。自宅の庭で歩行器を使って4月30日の100歳の誕生日までに25メートルの距離を100回歩くという条件での募金運動です。




最初の目的は1000ポンドでした。ところが昨日のBBCのニュースでは、すでに500万ポンドが集まり、そして今朝のニュースでは、100回の歩行が完了して金額はなんと1200万ポンド(18憶円)を超えました ! これからも増え続けることでしょう。
https://www.justgiving.com/fundraising/tomswalkforthenhs

多くの有名人がテレビで彼の行いを称え、昨日は毎日行われる首相官邸からの記者会見では(それぞれの記者は自宅からスカイプで参加。質疑応答が行われます)、保険相がキャプテン・トムに感謝の言葉を述べていました。

キャプテン・トムは100歳になる前に今日、目的を達成しました。それだけでも素晴らしいことなのですが、私はテレビを見ていて世界中の人たちに(世界50か国以上からの募金があった)これほど大きなインスピレーションを与えた元軍人に奇跡を感じます。




第二次大戦で国のために戦い、そして99歳になった今で世界を動かす力を発揮していることに大きなインスピレーションを与えられました。




イギリスでは今、人々の生活に欠かせない分野で働ているひとたちに大きな拍手を送っています。木曜の夜8時には国中で玄関先から拍手を送っています。お鍋を思いっきりスプーンで叩き、大きな声を上げています。




そして、最近よく聴かれる音楽は、You Will Never Walk Alone です。この歌は、ミュージカル「回転木馬」で1940年代に歌われたのが最初ですが、今ではフットボールの試合(特にリヴァプール・フットボール・クラブ)他で聴かれるようになりました。

https://www.youtube.com/watch?v=OV5_LQArLa0


イギリスでは、3週間のロックダウンの延長が決まりました。国民に精神的な疲れが見え始めているこの頃ですが、今までにこれほど人々が一つになったことはなかったように思います。コロナウィールスは、世界中に多くの死者を出しています。その反面、今まで薄れていた人の繋がりの素晴らしさ、大切さを教えてくれました。亡くなった方々の死を無駄にせず、良い世の中が生まれることを切に願っています。

4/13/2020

こういう時だからこそ。

コロナウィールスで外出できない状態が続く中、女王や首相からのメッセージ、自宅待機の中でどうやって子供たちを退屈させないようにするか、家でできる様々な運動などが放映されています。自宅のシャワー室から歌うオペラ歌手や、可笑しいユーモアたっぷりの画像のユー・チューブも見ました。

そして今日は金曜から始まった4日間のイースターホリデー最後の日。町には人の姿もなく、もちろんパレードなども中止です。現在イギリスはコロナに関する最高の死亡率を出し、近い将来イタリア、スペインを上回るかもしれないということも聞いています。でも外は次から次へと元気に花が咲き始めています。

ルビーとの散歩の途中で。







昨日はイースター・サンデーでした。クリスチャンにとっては一年の内で最も大切な日です。金曜に十字架にかけられたキリストが復活した日です。イングランド教会では、コロナウィールス感染をできるだけ防ぐために全ての教会の閉鎖を決定しました。アングリカンチャーチの(イングランド教会の流れをくむ教会。日本では聖公会)象徴的存在であるカンタベリー大主教はご自宅のキッチンからテレビを通して奥様と一緒にイースターのミサを行いました。

カンタベリー大聖堂のミサとはまた違った意味で、心に響くサービスでした。




そして、イタリアではテノール歌手アンドレア・ボッチェリがドゥオーモ(ミラノ大聖堂)から、「ミュージック・オヴ・ホープ」と題して無観客の中で単独コンサートをしました。閑散として人ひとり見当たらないミラノの町、何世紀にもわたって多くの人を見てきた大聖堂の尊厳さが今はそれを感嘆する人もいません。ボッチェリのコンサートは特別に心に響くものがあります。特に私の好きなパーニス・アンジェリクスの歌が最初に流れたので画面に釘づけになってしまいました。




https://www.huffingtonpost.jp/entry/andrea-bocelli-live-concert_jp_5e91887bc5b69d6506293b8a


コロナは人々の暮らしを変えたばかりではなく、人生そのものを変えています。不安が尽きない毎日ですが、その反面人々の結束をこれほど強く感じたことはありません。近所の方が言っていました。「これで人々は今までの自分を見直さなければいけない。勇気と、そして優しさを持った社会になることを望む。」と。本当にそうなることを祈ります。

4/08/2020

元気がなくなってしまったルビー。

ジャスパーが娘たちのところに行ってから一週間以上経ちました。娘たちのところには、タイからレスキューした犬が2匹います。皆仲良く一つ屋根の下で暮らすことに不安がないとは言えませんでしたが、結構仲良くしているみたいです。毎日5キロの散歩はジャスパーにとってはきついのかもしれませんが、そのうち慣れてくることでしょう。




ルビーは最初は普段と変わらない様子でした。ジャスパーとは特に仲が良いわけでもないので、ルビーひとりになっても別に心配はしていませんでした。ところがジャスパーがいなくなって数日後にルビーに変化が出始めました。

ルビーは散歩も好きな方ではないので、私も完全自宅待機を決心し家に籠っていたのです。ところがルビーは徐々に食欲もなくなり、トイレにも行かなくなってしまったのです。お天気の良い日は庭でひなたぼっこをするのが好きだったルビーが、庭にも出なくなりました。

そこで一昨日、久しぶりで散歩に連れ出しました。いつもの野原に行かずに、リードを付けながら近所を歩いただけですが、少し食欲は出てきました。外出はしないようにとの政府の要請でほとんど人は見かけません。犬の散歩をしている人たちも、すれ違う前に道を渡ったりして接触を避けています。時々立ち止まってデイジーやスピードウェルを観賞。





こんな状況の中、昨日友人から電話がありました。高齢の犬が亡くなったとのこと。彼女たちは結婚してから(かれこれ40年くらい経つのだと思います)、いつも犬と一緒に暮らしていました。数か月前に、若い犬を病気で亡くしたばかりです。こういう状況の中で、最愛の犬を失くした彼女たちの気持ちを思うと気の毒でなりません。駆けつけて慰めることもできず、電話だけで話を聴いています。

東京他大きな都市では緊急事態宣言があったとのこと。イギリスでも日本でも、今一番大切なのは一緒に住む人以外の接触を避けることです。イタリア、スペイン、フランスやイギリスのようになる前に、日本でもピークが一日も早くおさまることを祈っています。

日本からは桜の写真が送られてきます。今は日本ではどの辺が満開なのでしょう?故郷の北海道ではで昔は4月の終わりころでしたが、今はかなり早く咲くようですね。

これから二日に一回の割合でルビーを散歩に連れ出そうと思います。最近はこのブログでもコロナのことばかりで自分の生活のことばかり書いています。すみません。これからコロナの騒ぎが終わって、そろそろイギリス旅行を考える方々のために他のことも書こうと思います。

4/04/2020

食料の配達。

ジャスパーがいなくなってルビーとだけの散歩になりましたが、ルビーは、私の歩く速度に合わせてくれるのでひとりで歩いているようなものです。しかも彼女は散歩が好きな方ではなく、できれば24時間誰かと一緒にソファーに座って居眠りをしたい方です。ジャスパーとは正反対。




イギリスのコロナウィールス状況は益々深刻化しています。日増しに感染者、死亡者の数は急激に増えています。「感染したら危険な人」と一緒に暮らしている私も完全自宅待機を決心しました。

そんな中、市から食料が届きました。買い物に行けないひとのためのヘルプです。




この中で私たちが食べられないもの(ミルクの入ったスープ、コーンビーフ、ツナ缶、牛乳など)、また家に在庫がまだ十分ある品物に関してはボランティアの方にお願いしてフードバンクに(スーパーなどに置いてあるフードバンク用の箱に一般の人が食料を寄付し、それを集めて金銭的に困っている人たちに配るチャリティ。日本のフードバンクと少し違うかも?)持っていっていただきました。そうしたら私たちがヴィーガンであることを知ったフードバンクの人が、大量に寄付されたひよこ豆の缶詰めを4缶プレゼントしてくださいました!正に物々交換です。ひよこ豆は我が家の必需品です。感謝。

現在、スーパーは一度に買い物できる人数を制限しているようです。お店の前で待っている人は、隣の人と2メートル間隔をあけて並んでいます。それで、前のように長い列もなくなったようです。またオープン前に、医療機関で働く人、高齢者や障害者のための時間を特別に設けています。

普段でも、忙しくて買い物に行けない人たちはスーパーから配達をしてもらいます。ところがコロナ問題が始まった時からどのスーパーも配達予約はいっぱい。私たちはご近所さんに買い物をお願いしてはいましたが、一回に買える数が制限されてきました。そうなるとお願いすることも遠慮がちになります。野菜や果物の他、小麦粉やバターなどもそろそろなくなってきました。

そんな中、「感染したら危険な人」のリストが国からスーパーに配られ、昨日はまずテスコから連絡がありました。スロット(配達の割り当て)を私たちのために作ったから欲しい品物を予約するようにと。一回につき80品まで、一品につき2~3個まで買ものができます。それで昨日は久しぶりにオンラインで買い物。

その後、セインズブリーから、そしてアズダから連絡がありました。もちろん2軒以上のスーパーに配達をお願いすることはタブーです。

先週の木曜日は、医師、看護師、介護士など病院で働く人たちに拍手を送りました。今週の木曜日は、それに加えスーパーで働くひとたち、宅配便、郵便配達の人たちなど、私たちにとって必要分野で働く全ての人たちに拍手が送られました。感謝したい人たちが沢山います。

自宅に缶詰め状態でいることは精神的につらいことも多くあります。でも時間は十分ありますから、自分に鞭打って普段気が乗らずに放っておいていることをするつもりです。掃除、片付け事・・・・・昨日は、お天気が良かったので、庭に仕事の参考書類を持ち出して整理をしました。引っ越し以来です。




今週末は天気が良いとのこと。必要以外は外出禁止令が出ていますが、心無い人たちが集まってピクニック、田舎にドライブも考えられます。でも今はコロナに打ち勝つために、外出したい気持ちをぐっと我慢することが大切。

退屈を解消するためにマスメディアを通して色々な活動が行われています。今日は、国立劇場で録画されたものが無料で見られることを知りました。イギリス人には欠かせないジョークが知り合いの中で飛び交っています。この危機を乗り越えるには、皆で助け合っていくことが必要とつくずく感じているこの頃です。

4/01/2020

ジャスパーの疎開

今日はエイプリルフールの日。世界中がこんな状態である時だからこそ、ちょっとしたジョークも大切。友人たちからどんどんおもしろいジョークが送られてきています。ほんのひと時でもニコッとすることが大切。どんな時でも微笑みは大切です。で、今朝はBBCのニュースのアーカイヴから1957年4月1日のものが送られてきました。

https://www.facebook.com/100865096953196/posts/1049283885444641/?sfnsn=scwspmo&extid=Y8IK64FBL2OVfsjn&d=n&vh=e

このニュースを信じた人がスパゲティを買いに殺到したとか。騙されたと分かった時には信じた人もきっと笑ってしまったに違いありません。「バッカ―」って。

この数日我が家には大きな変化がありました。数日前の朝一番で娘夫妻から連絡がありました。私一人で愛犬2匹の散歩は大変だから、ジャスパーだけでも預かりたいとのこと。正直、我が家の犬たちは普段は大人しいのですが猫やリスを見るとかなり興奮して散歩の時など抑えるのに必死です。私一人の力では厳しいのでどうしたものか?と考えていたところでした。せめてジャスパーだけでも娘たちのところに疎開させようか?

ロックダウンは、もっと厳しい状態になるかもしれないそうです。そうなればジャスパーの疎開どころではありません。事が決まれば早いものです。「1時間以内に家を出てジャスパーを迎えに行くから」ということで、バタバタと決まってしまいました。娘のところから我が家までは最低車で2時間半かかります。到着しても、ドア越しに「気を付けてね。」と1分くらい話しただけです。

この日から家族が3名になることはその日の朝まで想像もしていませんでした。娘の家は人里離れた田舎です。コロナの問題が始まる前から、ほとんど人に出会わない田舎です。

今は、一日何回もジャスパーの写真、散歩の時のビデオが送られてきます。ジャスパー専用の椅子も作ってくれました。



ルビーはひとりで淋しそうですが、その分私たちにかまってもらえるのでまんざらでもなさそうです。